ロシアのコイン=монеты(マニェーティ)(2017年09月12日)

筆者は、紙幣を入れる財布の他に、小銭入れを持ち歩くようにしています。

日本国内に在っては、千円紙幣を束にして財布に入れていて、何か買物をした際は千円紙幣を素早く出して支払い、釣銭の硬貨は小銭入れに入れます。何回かそういうことをすれば、小銭入れは硬貨が詰って重くなります。「金は出て行く一方だが、小銭は貯まる...」とすっかり重くなった小銭入れを手に、硬貨入金を受付けるタイプのATMで銀行口座に小銭入れの中身を入金し、千円紙幣を引出します。そうでもなければ、夕刻から夜に馴染みの飲食店で食事を愉しんだ後の支払いの際、2千円台の御会計に関して、硬貨をずらりと並べて「釣りは要らない...」と請求額をキッチリ支払ってみるというようなこともしてみます。

サハリンに滞在しても、そういう日本国内での個人的な慣例が大きく変わるでもありません。

ロシア国内全般で言えるのだと思いますが、「常用されている」または「視掛けたり、手にする機会が多い」感じの紙幣は1000ルーブル、500ルーブル、100ルーブル、50ルーブルです。そうした紙幣を財布に入れて持ち歩き、買物の際にそれらを使って支払うと、硬貨が存外に貯まるので、硬貨は別な小銭入れに入れて持ち歩きます。

↓小銭入れの中身をテーブルに広げてみました。色々な硬貨が在ります。
монеты 12-09-2017.jpg
↑「常用されている」または「視掛けたり、手にする機会が多い」感じの硬貨は、10ルーブル、5ルーブル、2ルーブル、1ルーブルだと思います。

「1ルーブル」というのは、「100コペイカ」のことで、"円"に対する"銭"のようなものですが、10コペイカや50コペイカの硬貨も在ります。スーパーで買物をするような際、「よく視れば値段に"コペイカ"が付いている」というモノが在って、それらを求める場合に釣銭に50コペイカや10コペイカの硬貨が交じる場合が在ります。そのコペイカですが、支払いの場面で敢えて取出す機会が少なく、何時の間にか存外な枚数が貯まってしまっています。

コペイカの硬貨は、釣銭で貰ったままに滞留している感じですが、10ルーブル、5ルーブル、2ルーブル、1ルーブルの硬貨は「少し出入りが頻繁」な感じがします。

日本国内の店では、例えば「510円」というような御会計の際に千円紙幣を出すと「10円ございませんか?」と店員さんに言われて、10円硬貨を出せば、釣銭は500円硬貨1枚という事例が多々見受けられます。最近のサハリンもそんな感じです。「510ルーブル」ということで千ルーブル紙幣で支払おうとすれば「10ルーブルございませんか?」と店員さんに言われ、10ルーブル硬貨や5ルーブル硬貨2枚を出すと、釣銭は500ルーブル紙幣1枚です。

「昔のロシア」では、金を払う場所に行くと「釣銭が無い!!」という話しになることが頻発したものです。そしてそういう場面に出くわすと「ロシアに足を踏み入れてしまった...」と思ったものです。が、それは「大昔のお話し」です。最近ではそういうことは殆ど在りません。5千ルーブル紙幣を使おうとすれば「出来ればもう少し細かいのは?」と言われる場合が時々見受けられる程度のことです。複数のレジが設けられているスーパー等で、レジに釣銭が不足すると「少々お待ちを...」と店員さんが隣りのレジへ小走りに歩み寄って「在る?」と両替をして、また戻って釣銭を確り出しています。それらに加えて、最近は「細かいのは在りませんか?」が頻発ですし、或るスーパーでは買物客が現金を差し出す場所に「小銭での支払いに御協力を」と硬貨のイラストが描かれている例さえ在ります。

そういう訳で小銭入れに貯まる硬貨は、なかなかに出入りが頻繁です。

この出入りが頻繁な硬貨を何となく並べてみれば、結局1990年代末に"デノミ"を行って硬貨が出回る頻度が激増した頃から、各硬貨の大きさや重さは、記念硬貨に類する特殊なモノ以外では然程変わっていません。他方で、デザインは幾分の変遷が在るようです。

デザインの変遷として判り易いモノは、画の中央に並んでいる5ルーブル硬貨です。"5"という数字が入っていない側には「双頭の鷲」の紋章が在ります。従前は、1990年代にロシア連邦の体制になって日が浅かった頃に使用され始めた「帝政時代の紋章の冠等を廃し、鷲の翼の先が下を向いている」紋章でした。長く使われていましたが、極近年になると「帝政時代以来の王冠が在る双頭の鷲で、鷲の翼の先端が上を向いている」というモノに切り替わっています。

硬貨はこういうように、時々デザインに手が加えられるようなことも在るので、蒐集品として一定の人気が在るらしく、サハリンでも「蒐集品としての硬貨」を売っているお店が見受けられます。そうしたお店では、「20XX年ロシア連邦硬貨」というようなセットが在って、千ルーブル台位で売られていました。多分、日本国内でも「平成XX年硬貨」というような、蒐集家向けのセットが在るのだと思いますが、そういうモノのロシア版です。

比較的近年の、現行硬貨の蒐集向けセットのようなモノは、土産として国外に持ち出そうとしても問題は無いのでしょうが、少し古い硬貨等になると「国外持出に規制が在る古美術品」という扱いになり、面倒な場合が在るようです。実際、サハリンから出国しようとした際に税関吏から「土産に骨董品なんかは無いですよね?例えば古い硬貨なんか?」と尋ねられたことが在りました。勿論、肩をすくめて「ニェット...」と応えましたが。

何となく小銭入れに入っていた硬貨ですが、関連の話題は尽きないものです。

この記事へのコメント

  • なすん

    一気に寒くなりましたね。道南は明日にかけ台風ですがサハリンもそうでしょうか。
    いよいよ船もラストランですね。来年は是非とも船を利用したいです。一人でもビザが免除ならなぁ。

    ところで稚内サハリン事務所さんかどこかのブログで読みましたが、サハリンのバス路線地図が市内で売ってると聞きましたが、どこにもありませんでした。コンビニがないので、ペンを一つ買うにもどこへ行ったらよいのか。。。
    サハリンの方は日常生活品はどこで買っているのですか。
    2017年09月17日 22:09
  • 稚内市サハリン事務所

    >なすんさん

    こんにちは!
    サハリンでは好天な週末でしたが、週明けは雲が厚く、「雨になる」と言われていて朝から薄暗い感じです。
    <ペンギン33>の今季最後の往復ですが、「24時間順延」が発表されました。

    「ビザ免除」に関してですが、「パスポートを持参して港へ行けば...」ということではなく、「事前手続」は必須です。
    「渡航の事前に手続」という意味では、「パスポートの現物を預けるか否か」という違いこそ在りますが、「ビザ取得」と「旅行者目線」で大きな差は無いような気もします。
    次にサハリンを訪ねる機会が在れば、船もお試し頂ければ幸いです。

    販売されている市内バス路線図?一寸視たことが在りません。
    ↓こういうようなウェブサイトが在って、よく利用されている様子です。
    https://2gis.ru/yuzhnosakhalinsk?queryState=center%2F142.565984%2C46.957628%2Fzoom%2F11
    他にも、ネット検索をすると幾分バスの情報は得られるようです。

    ユジノサハリンスク等で"コンビニ"という感じの店は視掛けない他方、そこそこの規模のスーパーが朝早くから夜遅くまで、場所によっては24時間営業なので、「一寸コンビニへ...」に近い感覚でそういうスーパーを利用出来ます。地元の皆さんも、そういうスーパーをよく利用しているようです。
    ペンのような手近な文房具は、スーパーによって在ったり無かったりです。文房具系統のモノは、その種のモノを専門とする店も在りますが、色々な場所で売られています。

    2017年09月18日 06:38
  • なすん

    そうですね。今回は無知ななすんが、未知な土地へ行く為、また半月の準備期間でふとおもいついた旅行でしたので、オーロラ航空さんにビザ関係を丸投げしてしまいましたが、次回は自取得でビザなどの手続きを検討し、ペンギン33に挑戦します。

    もしよければ、そちらのメールアドレスを教えていただけないでしょうか。

    実は稚内サハリン事務所さんにお伺いしたいとおもっていましたが、気づけば5時半を過ぎた上に手ぶらでしたので寄らずに帰着しました。

    さてこちらは大雨で、午前中の列車と市内、郊外、高速バスは運休となりました。
    2017年09月18日 09:30
  • 稚内市サハリン事務所

    >なすんさん

    こんにちは!

    こちらでは台風の影響は18日昼頃から19日の明るくなる前という感じでした。強風や強い雨で、建物の一部が壊れてしまった箇所が見受けられること、雨漏りが発生した建物が在ること等が伝えられています。
    交通機関に関しては、特段に利用しなかったのでチェックしていませんでしたが、飛行機の便が一部欠航していたと聞きます。他に<ペンギン33>の運航が順延になりました。
    19日以降は穏やかな天候が続いています。

    サハリン事務所を開けている時間ですが、月曜日から金曜日の午前9時から午後6時です。時々、用事で不在の場合も在ります。「5時半過ぎ」であれば、居る日が多いとは思います。

    2017年09月22日 11:59