総務省は、デジタルコードレス電話の新方式の導入に関する規定を整備するため、電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)、無線設備規則(昭和25年電波監理委員会規則第18号)及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則(昭和56年郵政省令第37号)の各一部を改正する省令案並びに周波数割当計画(平成20年総務省告示第714号)の一部を変更する告示案について、平成22年5月19日(水)に電波監理審議会(会長:原島 博 東京大学名誉教授)に諮問したところ、本日、同審議会から原案のとおりとすることが適当である旨の答申を受けました。
また、諮問したこれら省令案等及び関係する告示案等について、平成22年5月19日(水)から同年6月21日(月)までの間、意見募集を行ったところ、意見の提出はありませんでした。
ついては、答申及び意見募集の結果を踏まえ、速やかに制度整備を行う予定です。
1 経緯等
コードレス電話は、家庭やオフィス内において使用する電話として、昭和62年にアナログコードレス電話(250/380MHz帯)が制度化され、また、平成5年には周波数利用効率等の優れたデジタルコードレス電話(1.9GHz帯)が制度化されて広く利用されています。一方、近年の通信分野のブロードバンド化を受けて、これまで音声通話としての用途が主流であったデジタルコードレス電話において、画像伝送や高速データ通信等への対応が期待されています。
こうした中、総務省は、平成21年11月に情報通信審議会に対して「デジタルコードレス電話の新方式の技術的条件」について諮問し、平成22年4月に同審議会から答申を受けたところです。
本件は、当該答申を踏まえ、デジタルコードレス電話の新方式の導入に関して、次のとおり必要な関係規定を整備するものです。
(1) 電波法施行規則の一部を改正する省令案
免許を要しない無線局として、デジタルコードレス電話の新方式の無線設備を追加します。
(2) 無線設備規則の一部を改正する省令案
デジタルコードレス電話の新方式の無線設備の技術的条件に関する規定の整備を行います。
(3) 特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部を改正する省令案
デジタルコードレス電話の新方式の無線設備を特定無線設備及び特別特定無線設備とする規定の整備を行います。
(4) 周波数割当計画の一部を変更する告示案
デジタルコードレス電話の新方式が使用できる周波数に係る規定の整備を行います。
(5) 平成14年総務省告示第129号(デジタルコードレス電話の無線局及びPHSの陸上移動局が使用する電波の型式及び用途、1,906.25MHz以上1,908.05MHz以下又は1,915.85MHz以上1,918.25MHz以下であって総務大臣が別に告示する周波数並びにPHSの陸上移動局が使用する電波のうち使用できない電波として除外された周波数を定める件)の一部を改正する告示案
デジタルコードレス電話の新方式の無線局が使用する電波の型式、用途に係る規定の整備を行います。
(6) 時分割多元接続方式狭帯域デジタルコードレス電話の無線局、時分割多元接続方式広帯域デジタルコードレス電話の無線局、時分割・直交周波数分割多元接続方式デジタルコードレス電話の無線局又はPHSの無線局に使用する無線設備の技術的条件等を定める告示案
デジタルコードレス電話の新方式の無線局に使用する無線設備の技術的条件等に係る規定の整備を行います。
(7) 平成6年郵政省告示第72号(端末設備であって電波を使用するもののうち、利用者からの接続の要求を拒めないものを定める件)の一部を改正する告示案
デジタルコードレス電話の新方式の無線設備を接続の要求を拒めない端末設備とする規定の整備を行います。
(8) 平成6年郵政省告示第424号(端末設備等規則の規定に基づく識別符号の条件等を定める件)の一部を改正する告示案
デジタルコードレス電話の新方式が使用する識別符号等の技術的条件に係る規定の整備を行います。
(9) 平成10年郵政省告示第517号(デジタルコードレス電話の親機の呼出名称記憶装置及び識別装置の技術的条件を定める件)を廃止する告示案
無線設備規則の一部改正に伴う告示の廃止を行います。
(10) 平成7年郵政省告示第11号(電気通信回線設備への接続を要しないデジタルコードレス電話の無線局の無線設備を定める件)を廃止する告示案
無線設備規則の一部改正に伴う告示の廃止を行います。
(11) 電波法関係審査基準(平成13年1月6日総務省訓令第67号)の一部を改正する訓令案
総務大臣によるデジタルコードレス電話の識別信号の指定基準に係る規定の廃止を行います。
(上記のうち、電波監理審議会への諮問事項は(1)から(4)までです。)
2 答申及び意見募集の結果
(1) 平成22年5月19日(水)に電波監理審議会へ省令案等について諮問し、本日、当該省令案等は適当である旨の答申を受けました。
(2) 平成22年5月19日(水)から同年6月21日(月)までの間、同省令案等及び関係する告示案等について意見募集を行ったところ、意見の提出はありませんでした。
3 今後の予定
総務省は、電波監理審議会の答申及び意見募集の結果を踏まえ、速やかに制度整備を行う予定です。
【関係報道資料】
○しろまるデジタルコードレス電話の新方式の技術的条件 情報通信審議会情報通信技術分科
会での審議開始及び新方式の提案募集(平成21年11月24日)
○しろまる「デジタルコードレス電話の新方式の技術的条件」についての関係者からの意見聴取(平成22年1月22日)
○しろまるデジタルコードレス電話の新方式の技術的条件案に対する意見募集(小電力無線システム委員会報告案に対する意見募集)(平成22年3月3日)
○しろまるデジタルコードレス電話の新方式の技術的条件案に対する意見募集の結果−小電力無線システム委員会報告案に対する意見募集の結果−(平成22年4月19日)
○しろまるデジタルコードレス電話の新方式の技術的条件−情報通信審議会からの一部答申−
(平成22年4月20日)
○しろまる電波法施行規則、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の各一部を改正する省令案等に係る電波監理審議会への諮問並びに同省令案等及び関係告示案等に関する意見募集−デジタルコードレス電話の新方式の導入に関する規定の整備について−(平成22年5月19日)