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鍋島直大愛用の「懐中時計」初公開 バナナの彫刻も 佐賀市の徴古館で「通常展」

初公開の11代藩主鍋島直大愛用の懐中時計

懐中時計の裏側には、11代藩主の鍋島直大が用いていた「花菱紋」があしらわれている

4年半ぶりの公開になった「牙彫バナナ棚飾」=佐賀市の徴古館

葵文様があしらわれた能装束(中央)などの鍋島家ゆかりの品々が並ぶ会場=佐賀市の徴古館

鍋島家ゆかりの品々を収めている博物館「徴古館」(佐賀市)が、テーマを設けずに、歴史資料や美術工芸品を長期間かけて紹介する「通常展」を初めて開いている。初公開の11代藩主の鍋島直大が愛用した懐中時計をはじめ、バナナを模した象牙彫刻など約200点を展示している。展示品は随時入れ替える。

歴史学者として名を残した佐賀藩士・久米邦武は、雑誌『佐賀』の中で直大の時計愛好家ぶりを紹介している。愛用の「懐中時計」は、横浜のコロン商会がスイスで製造させた。全長7・8センチ、重さ141グラム。外装は18金製。時刻を音で知らせる機能「ミニッツリピーター」を搭載し、実際の音も動画で紹介している。

ふたの中央に、直大が用いた花菱紋があしらわれているほか、内側には直大が名前や製造番号を自筆した貼り紙も。チェーンを通す「提げ環」は、組みひもを通せるように鐔(つば)が施され、日本仕様に変更されている。

また、精密な象牙細工「牙彫バナナ棚飾」(展示は9月29日まで)は明治後期頃の作品で、昭憲皇太后から朝香宮鳩彦王(あさかのみややすひこおう)の第一王女紀久子夫人へ贈られた婚礼調度品の一つ。今回は4年半ぶりの公開で、長さ14・5センチと小さいが、皮をめくったバナナの質感まで再現されている。

このほか、10代藩主鍋島直正が、蒸気船を入手した喜びを長女の貢姫につづった手紙や、3代藩主の綱茂が所用し、葵文様があしらわれた能装束などが展示されている。

池田三紗学芸員は「今回は幅広いジャンルの鍋島家ゆらいの品々が並んでいる。それぞれの感性で気になる作品を見つけて、少しでも鍋島家の歴史に興味を持ってもらえればうれしい」と話す。(坂本有佐)

▶入館料は300円(中学生以下無料)で、11月24日まで。午前9時半から午後4時(最終入館は午後3時40分)まで。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。

▷懐中時計の音が聞ける動画

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