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近畿中国森林管理局

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  7. 滑マツ・専門家による現地指導の開催について(令和元年7月16日、17日)

[滑マツ・専門家による現地指導]の概要について(令和元年7月16日、17日)

近畿中国森林管理局及び山口森林管理事務所では、管内の滑山(なめらやま)国有林(山口市徳地(とくぢ))に自生する「滑マツ」(注記)1と呼ばれる樹齢200年のアカマツの大径木が、マツ枯れや台風被害などにより本数が激減したため、国立研究開発法人 森林研究・森林機構 森林総合研究所 九州支所の主任研究員の金谷整一農学博士をお招きし現地指導等をいただきましたので、その概要について下記のとおりお知らせします。



1. 実施日時等
令和元年7月16日(火曜日)11時00分〜7月17日(水曜日)12時00分

2. 開催地
滑山国有林、山口森林管理事務所 会議室

3. 現地指導等の内容
7月16日(火曜日)
「滑山アカマツ・ブナ・コナラ等遺伝資源希少個体群保護林」に設定している滑山国有林(山口市徳地)において、山口森林管理事務所職員10名と森林管理局職員2名、滑マツ保存会(注記)2メンバー9名の総勢21名が現地に参集し、これまで実施してきた「樹勢回復のための樹幹注入」や「稚樹の育成のための刈出し」等の施業の有効性を、金谷氏から指導を受けました。

現地を確認しながら受けた指導内容は、以下のとおりです。
(ア) 滑マツから落ちた種が発芽・成長しやすいように雑草木の除去を7月頃行う。
(イ) マツ枯れを予防するために、樹幹注入剤の投与等の事業は継続。
(ウ) 滑マツの枝から育てたクローン苗は、添え木保護等を行う。
(エ) 後継樹林の育成については、除伐等を行う。
(オ) 枯損木等の確認方法(樹幹注入剤の吸上げがなければ枯損木と判定)。

後継樹林の現地確認
後継樹林の現地確認


7月17日(水曜日)
山口森林管理事務所会議室を会場にして、『屋久島〜種子島における「ヤクタネゴヨウマツ」のマツクイムシからの保護活動の成功事例』と題し金谷氏からご講演いただいた後、16日に当所職員がドローンにより撮影した「滑山アカマツ・ブナ・コナラ等遺伝資源希少個体群保護林」上空の映像を視聴し、全員で上空からの現地状況を共有後、意見交換を行いました。

出席者から出された主な意見は、「樹幹注入剤の投与等の継続(樹幹注入を行う対象木)」、「後継樹林の育成方法」、「育種等の今後の取組みを行うために、どのように事業及び活動をすればよいか」などが出されました。
意見交換の最後に、金谷氏からは、「これまで保存会や森林管理事務所が取組んだ施業については評価できるが、行政主導の取り組みには限界があり、地域・ボランティアの協力なしでは活動が停滞していくため、さらなる活動の輪を広げる努力を行っていくことが必要である。また、継続的な取り組みを行うためにもデーターの集積が必要となる。」等の助言指導をいただき、次回からの活動に役立てることを参加者間で確認後、全日程を終了しました。
意見交換会

意見交換会

(注記)1 滑マツは、かつて「(ア)材が通直で裏ごけが少ない、(イ)枝下が高く、枝が少ない、(ウ)樹皮が極めて薄い、(エ)年輪幅が狭く均等で偏心がない、(オ)心材部分が多く、心材は赤色鮮明で光沢がある。」など、銘木としての価値がある材として「皇居新宮殿の内装材や、名勝・錦帯橋(岩国市)の橋脚材」などに使用されていましたが、現在では70本程度に減少し貴重な資源となっています。

(注記)2 滑マツ保存会とは、滑マツの保全に必要な措置に係る活動及びこれらの活動と一体となって実施する滑マツに関する理解の増進に資する活動を実施する、県・市、森林組合、樹木医及び森林インストラクター等を構成員とする団体です。

担当者:山口森林管理事務所 森林技術指導官

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