大杉谷国有林からの手紙(58通目)
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大杉谷の雪景色 2023年1月
寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。1月に入り新たな年を迎えました。今年も引き続き「大杉谷国有林からの手紙」を通して大杉谷の様子をお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いします。
前回発行した手紙から早3ヶ月が過ぎ、大杉谷にも冬がやって来ました。大杉谷は標高が高いこともあり、普段は見る機会の少ない雪景色を見ることができます。今回の手紙では、冬を迎えた大杉谷国有林の様子をお伝えします。
(1)大杉谷の雪景色
写真1 冬の大杉谷国有林
大杉谷国有林は、標高1,695mの大台ヶ原山の北東側に位置しています。遠くに見える大台ヶ原山の山頂付近は昨年12月に既に白く見えるようになっており、雪が降り積もっている様子がうかがえました。
1月上旬に大杉谷国有林を訪れた際には、国有林の林道へと続くトンネル(標高約800m)を抜けると、雪がちらほらと見えてきました。三重県内の平野部では、今年に入ってからは雪が降るほどの厳しい寒さの日はなかったように思いますが、それでも雪が積もっているのは大杉谷ならではの光景です。
さらに林道を進み、標高が900mに近づいた辺りには林道に雪の吹きだまりができていました。特に日当たりの悪い箇所では多く雪が残っており、少しずつ雪かきをしながら車を進めたため、林道を走行するのにとても時間がかかりました。
(2)氷柱
林道沿いには、水が流れ出ている箇所があります。夏場であれば水は岩を伝って流れ落ちていきますが、先日訪れた際は、写真のような大きな氷柱(つらら)が出来ていました。氷柱は太いものではペットボトルほどの太さになっており、カーテンのように連なっていました。
写真2 林道脇の氷柱
(3)動物たちの足跡
冬には他にも普段と違う光景を見ることができます。それは、雪の上の足跡です。
今回は写真3、4のような足跡が確認できました。出来たばかりの足跡ではないためはっきりとした写真を撮ることは出来ませんでしたが、写真4では蹄の先端を確認することができます。
さて、これは何の動物の足跡でしょうか?
写真3・4 動物の足跡
蹄の画像を本やインターネットで調べると、ニホンジカやカモシカ、イノシシが候補に挙がりました。その中でも、蹄の先端の形や足跡の配置から見ると、ニホンジカである可能性が高そうです。イノシシであれば蹄の後方に副蹄と言われる足跡が残るそうですが、今回は雪に覆われており確認することが出来ませんでした。
ニホンジカは深い雪の中を歩くことが苦手なため、雪の少ない場所を求めて夏とは違う場所に季節移動をすることが知られています。大杉谷国有林でも過去の生息状況調査で同様の季節移動が確認されていますが、今回足跡を見つけた場所はそれほど深く雪が積もっていなかったため、冬でもニホンジカが生息しているのかもしれません。
動物の足跡を調べてみると、ウサギやリス、ツキノワグマなどもそれぞれ特徴的な足跡を残すそうです。興味のある方は足跡について調べてみると面白いかもしれません。
現在大杉谷の登山道は閉山中で、令和5年4月21日(金曜日)から開山予定とのことです。冬の間は実際に大杉谷に来ていただくことはできませんが、この手紙を通して冬の大杉谷の雰囲気を少しでも感じていただければと思います。
写真5 冬の大杉谷国有林(R2年度撮影)
2023年1月
編集:三重森林管理署 尾鷲森林事務所 係員
発行:三重森林管理署 尾鷲森林事務所 地域統括森林官
お問合せ先
三重森林管理署
ダイヤルイン:050-3160-6110
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