森林共同施業団地の関係者による現地検討会を開催しました
「悟入谷古野裏山地域の森林共同施業団地」
平成30年11月21日、三重県いなべ市の国有林及び岐阜県海津市の民有林において、森林共同施業団地の関係者が21名(うち民有林関係者15名)集まり、団地内における森林整備状況等について現地検討会を開催しました。
この森林共同施業団地は、三重・岐阜県境に位置しており、国有林を管理する三重森林管理署と、その国有林に隣接する三重・岐阜県の民有林の森林所有者等とが連携して、森林整備推進に関する協定を締結し、一つのまとまりを持った「団地」として、一体的な森林整備を行う仕組みである森林共同施業団地を、平成28年7月25日に締結しました。
また、平成30年10月29日、既存団地に隣接する国有林(577.52ha)及び岐阜県海津市駒野奥条入会財産区(8.00ha)の区域を加え586ha拡張を行い、協定区域面積1,351haの団地となりました。
現地検討会の開催にあたり、署長から「基幹となる林道により効率的な木材搬出、森林整備等について、お互いに協力出来るところから取組、現地において多様な意見を聞き調整の場としたい」旨の開催挨拶がありました。
現地検討会では、限られた時間の中で5箇所の現地視察・確認を行いました。
- 国有林内の中間土場(国有林から木材集積場(低質材))
- 岐阜県海津市の駒野奥条入会財産区(木材搬出現場:平成30年度区域拡張箇所)
- 国有林内の中間土場(国有林から木材集積場(用材)、連結作業道)
- 国有林内の中間土場(岐阜県の民有林関係者の木材集積場)
- 国有林での更新地(コンテナ苗、獣害防護ネット、シカ捕獲事業)
- 国有林内の中間土場においては、森林共同施業団地の区域拡張、平成30年度の協定関係者による木材搬出予定量・販路先・システム販売(低質材)について、署担当者から説明を行いました。
平成30年度、木材搬出予定量は団地全体で3,708m3で、その内国有林は2,800m3、民有林は908m3であり、10月から11月にかけて、民有林からの出材が始まり大型トラックによる木材搬出が集中しました。 - 岐阜県海津市の駒野奥条入会財産区の山林では、本年度区域拡張に伴う新たな協定者等となった山林であり、木材の搬出状況を見ることができ、作業道作設・搬出状況・木材の採材方法・販路先について、岐阜県西南濃森林組合の担当者から説明を聞きました。今回、区域拡張に伴い団地の協定者になることにより、国有林での作業道(小型トラック)、集積土場(大型トラック)、林道を使用することができ、効率的に木材搬出をしている状況を現地で視察することが出来ました。また、林道の修繕状況について、7月に連絡調整会議時に出された意見に基づいて、現地において林道の修繕状況の確認を行いました。
- 国有林内の中間土場では、木材市場とシステム販売の木材の仕分け方、三重県から岐阜県への作業道の管理、岐阜県側のシカ防護ネットの設置基準について関係者からの説明を受けました。
- 国有林の中間土場では、岐阜県森林公社に民有林での木材集積場として国有林を使用許可としているところであり、岐阜県森林公社の担当者から平成30年度出材状況、新たな販路先として木材搬出状況の説明を受けました。また、当日は岐阜県海津市の太田自治会の木材が集積されており、販路先に仕分けされた状況が確認でき、岐阜県西南濃森林組合の担当者から説明を受けました。
- 国有林での更新地では、防護ネットの設置方法、スギのコンテナ苗の植栽、植栽本数について、署担当者から説明がありました。本年度、国有林の新たな取組として、シカ捕獲事業を行っており、11月13日現在で15頭のシカ捕獲となっていました。
- 現地を見て意見・質疑等では、
林道の修繕において、土砂等の修繕では大雨時に洗掘される可能性もあり、将来的に林道を関係者が使用していくので、例えば鉄鋼スラグ等により簡易で安価により改良することも検討してはなど意見が出されました。 - 今後、署等において鉄鋼スラグにより大型トラックの通行による修繕が可能か等、検討を行い、次回の連絡調整会議までには、関係者へ回答できるよう調整して行きます。
また、継続的な森林整備、木材の安定供給のため、引き続き森林共同施業団地の区域拡張の取組を行うこととしています。
国有林の中間土場(民有林材)(岐阜県太田自治会の仕分けされた出材状況)[画像:5 国有林の新植地(獣害ネット設置、スギのコンテナ苗植栽)]
お問合せ先
三重森林管理署
担当者:森林技術指導官
ダイヤルイン:050-3160-6110