富士山における来訪者管理に関する検討
望ましい富士登山の実現に向けた検討を行っています
平成26年12月に取りまとめた「来訪者管理戦略」(保全状況報告書に示した戦略の一つ)に基づき、富士山の適正な収容力(Carrying capacity)に関する調査研究を行うとともに、適切な来訪者管理を実施するための仕組みを検討しています。
来訪者管理戦略では、「世界遺産における来訪者管理〜世界遺産管理マニュアル」(2002年ユネスコ世界遺産センター発行)や海外の国立公園の先進事例等を参考に、次のとおり目標や目的を設定し、その進捗を図る指標の設定とモニタリングを行うこととしています。
- 多様な登山形態の下で登山を行う者が、富士山の顕著な普遍的価値の側面を表す「神聖さ」・「美しさ」の双方の性質を、誰もが実感できることが重要であるとの観点から、「上方(主に五合目以上)の登山道の収容力」に着目しつつ、来訪者管理の目標として「望ましい富士登山の在り方」を定める。
- 2015年から2017年の3年間、上方の登山道の収容力(carrying capacities)を中心とした調査・研究を実施し、2018年7月までに登山道ごとの1日当たりの登山者数を含め、「1.登山の文化的伝統の継承」、「2.展望景観の維持」、「3.登山の安全性と快適性の確保」の各視点に基づき、複数の指標と指標ごとの望ましい水準を設定する。
- 特定の日・時間帯に山頂付近に集中する登山者数の平準化や登山者の安全確保のための情報提供等の施策を実施するとともに、情報提供戦略との緊密な連携の下、構成資産相互のつながりの認知・理解を促進し、来訪者及び登山者の山麓の構成資産への誘導及び周辺観光地を含めた山麓地域への周遊を推進する。
- 定期的に施策及び指標の評価・見直しを行い、来訪者管理の前進・改善を図る。
調査報告書
平成29年度調査報告書
平成28年度調査報告書
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平成27年度調査報告書