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インタビュー/タムロン執行役員調達統括本部長・大関孝利氏 価値分析でコスト低減

(2024年9月19日 12:00)

代替材料の性能・品質担保

  • 大関孝利氏

―世界で販売しているカメラ用交換レンズは、どのような部材を調達をしていますか。

「一番多いのはレンズ部材。1本の交換レンズには何枚ものレンズが使われており、レンズ硝材を社内で加工したり、完成品も使っている。他に金属や樹脂成形部品、基板などの電装部品も調達している」

―調達先は。

「国別では中国が55%弱、タイと日本が20%弱。他にベトナムなどからも仕入れている。日系や現地メーカーなど約130―180社と取引している。2023年度の部材購入額は250億円ほどになる」

―原材料高騰の影響は。

「手ブレ補正機構などに使う磁石材料やレンズ材料のレアアース(希土類)は一時価格が上昇したが、今は落ち着いている。銅や樹脂原料のナフサは21年比4割増、アルミニウムは2倍強になった」

  • タムロンが手がけるフルサイズミラーレス一眼カメラ対応大口径望遠ズームレンズ

―対策は。

「より安価で性能・品質が担保されている材料を探して使うのが基本。特性の似た代替材料が使えるように設計部門と協議したり、調達先とVA(価値分析)やVE(価値工学)の活動を通じたコスト低減の取り組みを一緒に進めていく」

―グローバル化はどう進めますか。

「当社の工場は日本、中国、ベトナムと3拠点。価格や品質面で中国からの材料調達が多い。ただ安定調達の面からも一つの国に集中させることは避ける必要があり、他国からの調達も拡大している。特に日本やベトナムの工場の調達部門では最盛期は中国からが50%だったが、年末には30%以下になる見込み。一方でタイからの調達は5%から20%に増やしている」

―今後は。

「ベトナム工場に調達統括本部から人員を派遣し、東南アジア圏の調達先開拓に向けて調査を進めている。また新中期経営計画で『新事業の育成・創出の加速』を掲げており、欧州などアジア以外からの調達も検討したい。本社でも体制を強化して事業拡大や安定供給、コスト対応力強化、3極生産体制のサプライチェーン(供給網)強化などに取り組んでいく考えだ」

(2024年9月19日 12:00)

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