(2024年9月18日 12:00)
シグマ(川崎市麻生区、山木和人社長)は、カメラ本体や交換レンズを会津工場(福島県磐梯町)で一貫生産している。従業員約1700人を抱える工場内にはレンズや金属の加工、射出成形など多くの工程がある。個々の部品の精度が性能を左右するカメラの世界。工場長を務める松本伝寿取締役執行役員にモノづくりにかける思いを聞いた。
―工程が多岐にわたっています。
「例えると『別の種類の町工場がいっぱい集まっている』感じ。ざっくり言えばレンズ加工、金属加工、プラスチックの射出成形のほか、塗装・印刷や組み立ての工程がある。それらの部門が会津工場に集まっている」
―一貫生産の強みをどのように捉えていますか。
「何か起きてもすぐに対応できる。品質を維持しやすいという点もある」
―本社の設計部隊とも日頃から綿密に連絡を取っているそうですね。
「新製品の立ち上げ段階になると、設計者が会津工場に随時出張してきて一緒に性能を確認している。川崎と会津で(物理的には)離れているが、頻繁にやりとりしているので(心理的な)距離はあまり感じておらず、近い存在でお互いに協力し合っている」
―従業員から寄せられた改善提案に対する表彰を年2回実施しています。
「各部から優れたアイデアを出してもらい、金賞・銀賞・銅賞の入賞者を決めている。ベテランは今までのやり方の方が慣れているから良いと思いがちだが、若い人たちは?フィルター?をかけない状態で工程を見てくれる。そうした人々のアイデアをどんどん吸い上げる中で、生産性向上に寄与してくれていると感じる」
―カメラには高い加工精度が求められます。
「例えば『マイクロメートル(マイクロは100万分の1)単位の公差の中でもプラス側に仕上げて』といった要望が当たり前にある。当社でないとできない加工を極められれば、製品のバラつきが少なくなり、お客さまに喜んでいただける。どのレンズを買っても満足していただける製品を作っていく。カメラは部品一つひとつが性能を決めていくところがある。加工精度を極限まで追求しつつ生産性も高い工場を目指す」
(2024年9月18日 12:00)
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