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公安調査局長・公安事務所長会議における法務大臣訓示

2014年5月26日 更新

最近の国際情勢を見ますと,北朝鮮に関しましては,日本人拉致問題が未解決のままであることに加え,金正恩第1書記による独裁体制を強めながら,本年2月から3月にかけて日本海に向けてミサイルを発射するなどの国際社会に対する挑発的言動を繰り返しております。

また,我が国周辺におきましては,中国が尖閣諸島周辺海域へ公船を侵入させ,独自の防空識別区を設定するなど,力による現状の変更を試みる動きをみせているほか,北方領土において,ロシアが各種インフラ整備の推進や駐留軍の再編などを進めております。

さらに,昨年1月に「在アルジェリア邦人に対するテロ事件」が発生し,日本人にも犠牲者が出ましたが,その後も世界各地で「アルカイダ」やその関連組織などによるテロが続発するなど,国際テロについては,依然として憂慮すべき状況にあります。

以上のように,我が国を取り巻く国際情勢では,公共の安全に深く影響を及ぼし得る重要な動きが繰り広げられており,重大な関心を払う必要があります。変動する国際情勢を素早く把握し,情報ニーズに的確に対応できるよう,所要の関連情報の収集に万全を期していただきたいと思います。

一方,国内情勢を見ますと,オウム真理教につきましては,主流派,上祐派共に,依然として麻原彰晃こと松本智津夫の影響下にあるなど,現在も本質的な危険性を保持し,組織拡大に向けた活動を活発に展開しております。引き続き,観察処分を適正かつ厳格に実施して,その実態を把握するとともに,関係自治体に対して積極的に情報を提供するなどして,公共の安全の確保と国民の恐怖感・不安感の解消・緩和に努めていただきたいと思います。

公安調査庁は,団体規制機関としてのみならず,情報コミュニティのコアメンバーとして,昨年12月に設置された国家安全保障会議に対する質の高い情報の提供が求められているなど,情報貢献の分野でも大きな期待が寄せられております。皆様には,課せられた使命と職責の重大性に改めて思いを致し,平和で安全な社会を願う国民の負託に応えていただきたいと思います。

以上をもって,私の訓示といたします。

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