公安調査局長・公安事務所長会議における法務大臣訓示
2013年4月24日 更新
公安調査局長・公安調査事務所長会議における谷垣法務大臣訓示
最近の国際情勢を見ますと,北朝鮮に関しましては,国際社会による度重なる非難にもかかわらず,昨年4月及び12月のミサイル発射や本年2月の核実験を強行し,核兵器保有及びその強化の方針を明らかにしているほか,日本人拉致問題が未解決のままとなっており,引き続き重大な関心を払うべきことは言うまでもありません。
また,我が国周辺におきましては,中国による尖閣諸島周辺海域への恒常的な公船派遣及び我が国領空侵犯・領海侵入のほか,ロシアによる我が国北方領土におけるインフラ整備の推進などの動きがあり,引き続き注視する必要があります。
国際テロに関しましては,本年1月,邦人10名の死亡という深刻な被害をもたらした「在アルジェリア邦人拘束事件」が発生したほか,我が国を再三テロの対象に名指ししている「アルカイダ」やその関連組織などによるテロが引き続き発生するなどしており,依然として憂慮すべき状況にあります。
また,日本時間今月16日未明には,米国・ボストンで3名が死亡する爆弾事件が発生しており,国際テロ組織との関連性の有無等について注視していく必要があります。
こうした我が国を取り巻く厳しい情勢を踏まえ,変化する情報ニーズに迅速かつ的確に対応し,関連情報の収集と分析に万全を期していただきたいと思います。
一方,国内情勢を見ますと,オウム真理教につきましては,依然として麻原彰晃こと松本智津夫の影響下にあり,本質的な危険性を保持しつつ,新たに多数の信徒を獲得するなど,活発に活動しております。引き続き,観察処分を適正かつ厳格に実施し,関係自治体に対して適時適切に情報を提供するなどして,公共の安全の確保と国民の不安解消に尽力していただきたいと思います。
公安調査庁には情報コミュニティのコアメンバーとして,また,団体規制機関として大きな期待が寄せられております。皆様には,公安調査庁に課せられた責務の重大性に改めて思いを致し,なお一層職務に精励していただきたいと思います。
以上をもって,私の訓示といたします。