建築史料の展示 〜建築の近代化〜
明治政府によって策定された官庁集中計画の一環として建てられた建物のうち、残存する唯一のものであり、我が国の建築の近代化を象徴する文化遺産となっている赤れんが棟の建築技術に関する史料などを展示しています。
赤れんが棟の誕生
エンデ&ベックマン建築事務所員
エンデ&ベックマン建築事務所の所員が写った写真を基に描かれたもので、ドイツに留学した河合浩蔵などの日本人建築家の姿も見えます。
赤れんが棟に使われた建築技術
赤れんが棟に使われた建築技術
ここのれんが壁は、内部のれんがの構造を知っていただくため、表面を仕上げないで、そのままにしています。壁には、配管の溝の跡、 仕上材の下地を取り付けるための木れんが、型枠調整用金物などがみられます。れんがは、ホフマン式輪焼窯で作られたもので、創建当時のままです。 赤れんが棟は、碇聯鉄構法(各階の床下約10cmのれんが壁内に平鋼と丸鋼を埋め込む方法)による補強をはじめ、木梁や外壁飾り石をれんがと定着するための金具を使用することなどによって、関東大震災にも耐えることができました。
赤れんが棟の模型など
赤れんが棟 飾り金物(突針)
昭和の改修後の赤れんが棟と平成に復原された赤れんが棟の模型を展示しており、両方を見比べることができます。 また、赤れんが棟の屋根の四隅にある飾り金物(突針)は、実物大のものを身近に見ることができます。この突針は、復原工事当初には意匠の資料がありませんでしたが、着工後に見つかった写真に基づいて意匠を決定したものです。