組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律新旧対照条文
(傍線部分は改正部分)
○しろまる 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)
改 正 後 | 改 正 前 |
---|---|
(不法収益等による法人等の事業経営の支配を目的と
する行為)
第九条 第二条第二項第一号若しくは第三号の犯罪収益
若しくは薬物犯罪収益(麻薬特例法第二条第二項各号
に掲げる罪の犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行
為の報酬として得た財産に限る。第十三条第一項第三
号及び同条第四項において同じ。)、これらの保有若
しくは処分に基づき得た財産又はこれらの財産とこれ
らの財産以外の財産とが混和した財産(以下「不法収
益等」という。)を用いることにより、法人等(法人
又は法人でない社団若しくは財団をいう。以下この条
において同じ。)の株主等(株主若しくは社員又は発
起人その他の法人等の設立者をいう。以下同じ。)の
地位を取得し、又は第三者に取得させた者が、当該法
人等又はその子法人の事業経営を支配する目的で、そ
の株主等の権限又は当該権限に基づく影響力を行使し
、又は当該第三者に行使させて、次の各号のいずれか
に該当する行為をしたときは、五年以下の懲役若しく
は千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一・二 (略)
2〜4 (略)
(犯罪収益等の没収等)
第十三条 次に掲げる財産は、不動産若しくは動産又は
金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下
同じ。)であるときは、これを没収することができる
。
一・二 (略)
三 第九条第一項の罪に係る株主等の地位に係る株式
又は持分であって、不法収益等(薬物犯罪収益、そ
の保有若しくは処分に基づき得た財産又はこれらの
財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産で
あるもの(第四項において「薬物不法収益等」とい
う。)を除く。以下この項において同じ。)を用い
ることにより取得されたもの
四〜七 (略)
2 (略)
3 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該
当するときは、犯罪被害財産(第一項各号に掲げる財
産の一部が犯罪被害財産である場合における当該部分
を含む。以下この項において同じ。)を没収すること
ができる。
一 前項各号に掲げる罪の犯罪行為が、団体の活動と
して、当該犯罪行為を実行するための組織により行
われたもの、又は第三条第二項に規定する目的で行
われたものであるとき、その他犯罪の性質に照らし
、前項各号に掲げる罪の犯罪行為により受けた被害
の回復に関し、犯人に対する損害賠償請求権その他
の請求権の行使が困難であると認められるとき。
二 当該犯罪被害財産について、その取得若しくは処
分若しくは発生の原因につき事実を仮装し、又は当
該犯罪被害財産を隠匿する行為が行われたとき。
三 当該犯罪被害財産について、情を知って、これを
収受する行為が行われたとき。
4・5 (略)
(犯罪収益等が混和した財産の没収等)
第十四条 前条第一項各号又は第四項各号に掲げる財産
(以下「不法財産」という。)が不法財産以外の財産
と混和した場合において、当該不法財産を没収すべき
ときは、当該混和により生じた財産(次条第一項にお
いて「混和財産」という。)のうち当該不法財産(当
該混和に係る部分に限る。)の額又は数量に相当する
部分を没収することができる。
(追徴)
第十六条 (略)
2 前項ただし書の規定にかかわらず、第十三条第三項
各号のいずれかに該当するときは、その犯罪被害財産
の価額を犯人から追徴することができる。
3 第十三条第四項の規定により没収すべき財産を没収
することができないとき、又は同条第五項の規定によ
りこれを没収しないときは、その価額を犯人から追徴
する。
(第三者の財産の没収手続等)
第十八条 不法財産である債権等(不動産及び動産以外
の財産をいう。第十九条第一項及び第二十一条におい
て同じ。)が被告人以外の者(以下この条において「
第三者」という。)に帰属する場合において、当該第
三者が被告事件の手続への参加を許されていないとき
は、没収の裁判をすることができない。
2〜6 (略)
(犯罪被害財産の没収手続等)
第十八条の二 裁判所は、第十三条第三項の規定により
犯罪被害財産を没収し、又は第十六条第二項の規定に
より犯罪被害財産の価額を追徴するときは、その言渡
しと同時に、没収すべき財産が犯罪被害財産である旨
又は追徴すべき価額が犯罪被害財産の価額である旨を
示さなければならない。
2 第十三条第三項の規定により没収した犯罪被害財産
及び第十六条第二項の規定により追徴した犯罪被害財
産の価額に相当する金銭は、犯罪被害財産等による被
害回復給付金の支給に関する法律(平成十八年法律第
八十七号)に定めるところによる被害回復給付金の支
給に充てるものとする。
(起訴前の追徴保全命令)
第四十三条 裁判官は、第十六条第三項の規定により追
徴すべき場合に当たると思料するに足りる相当な理由
がある場合において、前条第一項に規定する必要があ
ると認めるときは、公訴が提起される前であっても、
検察官の請求により、同項に規定する処分をすること
ができる。
2 (略)
(要請国への執行財産等の譲与等)
第六十四条の二 没収又は追徴の確定裁判の執行の共助
の要請をした外国(第三項において「執行共助の要請
国」という。)から、当該共助の実施に係る財産又は
その価額に相当する金銭(以下この条において「執行
財産等」という。)の譲与の要請があったときは、そ
の全部又は一部を譲与することができる。
2 法務大臣は、執行財産等の全部又は一部を譲与する
ことが相当であると認めるときは、没収又は追徴の確
定裁判の執行の共助に必要な措置を命じた地方検察庁
の検事正に対し、当該執行財産等の譲与のための保管
を命ずるものとする。
3 法務大臣は、執行財産等について、次の各号のいず
れかに該当する場合には、前項に規定する検事正に対
し、当該執行財産等の全部又は一部を仮に保管するこ
とを命ずることができる。
一 執行共助の要請国から執行財産等の譲与の要請が
あった場合において、これに応ずるか否かの判断を
するために必要があると認めるとき。
二 執行共助の要請国から執行財産等の譲与の要請が
されると思料する場合において、必要があると認め
るとき。
(準用)
第七十三条 (略)
2 第六十四条の二第一項に規定する譲与の要請の受理
及び当該要請を受理した場合における措置については
、国際捜査共助等に関する法律第三条、第四条、第十
四条第一項前段、第五項及び第六項並びに第十六条第
一項の規定を準用する。この場合において、同法第三
条の見出し中「証拠の送付」とあるのは「執行財産等
の引渡し」と、同条第一項中「証拠の送付」とあるの
は「執行財産等(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の
規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)
第六十四条の二第一項に規定する執行財産等をいう。
以下同じ。)の引渡し」と、同条第二項中「証拠の送
付」とあるのは「執行財産等の引渡し」と、同法第四
条中「共助要請書」とあるのは「譲与要請書」と、同
法第十四条第一項前段中「証拠の収集を終えた」とあ
るのは「執行財産等を保管するに至つた」と、「収集
した証拠」とあるのは「当該執行財産等」と、「送付
しなければ」とあるのは「引き渡さなければ」と、同
条第五項中「第一項、第三項又は前項の規定による送
付」とあるのは「第一項の規定による引渡し」と、「
証拠」とあるのは「執行財産等」と、「返還」とある
のは「処分」と読み替えるものとする。
|
(不法収益等による法人等の事業経営の支配を目的と
する行為)
第九条 第二条第二項第一号若しくは第三号の犯罪収益
若しくは薬物犯罪収益(麻薬特例法第二条第二項各号
に掲げる罪の犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行
為の報酬として得た財産に限る。第十三条第一項第三
号及び同条第三項において同じ。)、これらの保有若
しくは処分に基づき得た財産又はこれらの財産とこれ
らの財産以外の財産とが混和した財産(以下「不法収
益等」という。)を用いることにより、法人等(法人
又は法人でない社団若しくは財団をいう。以下この条
において同じ。)の株主等(株主若しくは社員又は発
起人その他の法人等の設立者をいう。以下同じ。)の
地位を取得し、又は第三者に取得させた者が、当該法
人等又はその子法人の事業経営を支配する目的で、そ
の株主等の権限又は当該権限に基づく影響力を行使し
、又は当該第三者に行使させて、次の各号のいずれか
に該当する行為をしたときは、五年以下の懲役若しく
は千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一・二 (略)
2〜4 (略)
(犯罪収益等の没収等)
第十三条 次に掲げる財産は、不動産若しくは動産又は
金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下
同じ。)であるときは、これを没収することができる
。
一・二 (略)
三 第九条第一項の罪に係る株主等の地位に係る株式
又は持分であって、不法収益等(薬物犯罪収益、そ
の保有若しくは処分に基づき得た財産又はこれらの
財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産で
あるもの(第三項において「薬物不法収益等」とい
う。)を除く。以下この項において同じ。)を用い
ることにより取得されたもの
四〜七 (略)
2 (略)
(新設)
3・4 (略)
(犯罪収益等が混和した財産の没収等)
第十四条 前条第一項各号又は第三項各号に掲げる財産
(以下「不法財産」という。)が不法財産以外の財産
と混和した場合において、当該不法財産を没収すべき
ときは、当該混和により生じた財産(次条第一項にお
いて「混和財産」という。)のうち当該不法財産(当
該混和に係る部分に限る。)の額又は数量に相当する
部分を没収することができる。
(追徴)
第十六条 (略)
(新設)
2 第十三条第三項の規定により没収すべき財産を没収
することができないとき、又は同条第四項の規定によ
りこれを没収しないときは、その価額を犯人から追徴
する。
(第三者の財産の没収手続等)
第十八条 不法財産である債権等(不動産及び動産以外
の財産をいう。次条第一項及び第二十一条において同
じ。)が被告人以外の者(以下この条において「第三
者」という。)に帰属する場合において、当該第三者
が被告事件の手続への参加を許されていないときは、
没収の裁判をすることができない。
2〜6 (略)
(新設)
(起訴前の追徴保全命令)
第四十三条 裁判官は、第十六条第二項の規定により追
徴すべき場合に当たると思料するに足りる相当な理由
がある場合において、前条第一項に規定する必要があ
ると認めるときは、公訴が提起される前であっても、
検察官の請求により、同項に規定する処分をすること
ができる。
2 (略)
(新設)
(準用)
第七十三条 (略)
(新設)
|
(傍線部分は改正部分)
○しろまる 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九十四号)
改 正 後 | 改 正 前 |
---|---|
目次
第一章〜第五章 (略)
第六章 没収及び追徴の裁判の執行及び保全について
の国際共助手続等(第二十一条―第二十三条
)
第七章 (略)
附則
第六章 没収及び追徴の裁判の執行及び保全につ
いての国際共助手続等
(要請国への共助の実施に係る財産等の譲与)
第二十二条の二 第二十一条に規定する没収又は追徴の
確定裁判の執行の共助の要請をした外国から、当該共
助の実施に係る財産又はその価額に相当する金銭の譲
与の要請があったときは、その全部又は一部を譲与す
ることができる。
(組織的犯罪処罰法による共助等の例)
第二十三条 前三条に定めるもののほか、第二十一条の
規定による共助及び前条の規定による譲与については
、組織的犯罪処罰法第六章の規定による共助及び譲与
の例による。
|
目次
第一章〜第五章 (略)
第六章 没収及び追徴の裁判の執行及び保全について
の国際共助手続(第二十一条―第二十三条)
第七章 (略)
附則
第六章 没収及び追徴の裁判の執行及び保全につ
いての国際共助手続
(新設)
(組織的犯罪処罰法による共助の例)
第二十三条 前二条に定めるもののほか、第二十一条の
規定による共助については、組織的犯罪処罰法第六章
の規定による共助の例による。
|