大臣就任に当たっての古川法務大臣訓示
大臣就任に当たっての古川法務大臣訓示の様子
令和3年10月5日(火)
この度,法務大臣に就任いたしました古川禎久でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
私は,平成19年8月から約1年間,鳩山邦夫法務大臣の下で法務大臣政務官を務めさせていただきました。
この度,縁あって再び皆さんと一緒に働く立場となり,大変うれしく思っております。
こうして拝見しておりますと,懐かしい顔をいくつも見ることができまして,「法務省に帰ってきたな」と,そういう実感が,徐々に湧いてきているところでございます。
さて,申し上げるまでもなく,法務行政は国家の背骨であります。法務省は,基本法制の維持及び整備,法秩序の維持,国民の権利擁護等,国民生活の安全・安心を守るための法的基盤を整備する重大な使命を帯びています。
今般,岸田総理からは,6つの点について指示がございました。
具体的には,(1)国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けて,司法制度改革を推進する。(2)差別や虐待のない社会の実現を目指し,個別法によるきめ細かな人権救済を推進する。(3)関係大臣と協力し,「世界一安全な国,日本」をつくるため,犯罪被害者の支援,刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援,組織犯罪対策など,社会を明るくするための施策を総合的に推進する。(4)我が国の領土・領海・領空の警戒警備について,関係大臣と緊密に連携し,緊張感を持って,情報収集を行うとともに,事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処する。(5)関係大臣と協力して,一定の専門性,技能を有する外国人材を円滑に受け入れるとともに,在留管理を徹底し,技能実習生の失踪などの不適切事案を防止する。特定技能制度について,技能実習制度の在り方を含めて総合的な検討を行う。共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進める。(6)ポストコロナの時代を見据え,観光立国に相応しい入国管理を実現する。という6点について,しっかりと取り組むよう指示を頂きました。
これらは,いずれも国民生活に深く関わる重要な課題であると認識しています。
私は,かつて法務大臣政務官として,法務行政の諸課題に取り組んだ中で,国民からの信頼が法務行政の基盤であるということを,身をもって実感いたしました。
時代が変化する中,法務行政は,総理からの指示にもありますとおり,現在も様々な課題に直面しています。
こうした課題に取り組むに当たって,最も重要なことは,足元をしっかりと見つめる努力を怠らず,国民の信頼を得ながら,一つ一つ着実に進めていくということであります。
同時に,皆さんに意識していただきたいのは,大きな視点,大局観を持って,課題に取り組む姿勢です。
社会経済の国際化・ボーダレス化が急速に進む中,我が国における共生社会の実現は喫緊の課題です。
この課題を単に外国人施策,また,出入国在留管理庁だけで対応すべき課題と捉えるのは,いささか近視眼的に過ぎ,そうではなく,未来の日本社会を形づくるために向き合うべき課題との大局観を持っていただきたいのです。
例えば,総理指示にあります国民に身近で頼りがいのある司法の実現や,差別や虐待のない社会の実現などの他の課題についても,日本人と外国人が共に暮らす社会という大きな視点の下で,検討・取組を進めていく必要があると考えています。
我が国の課題を考えますとき,「世界の中の日本」という視点を常に念頭に置くことが大切だと考えております。
私自身,若き日に,かの大勲位・中曽根康弘元総理に,「グローバライゼーションのなかで日本はどう生きるべきでしょうか」と大それた質問をしたことがありました。大そうな質問をしたわけですけれども,そのような視点は,今でも常に私の中にあります。
私は,国民からの信頼が法務行政の基盤であることを,改めて肝に銘じ,そして,大局観を失うことなく,法務省職員の皆さんと共に,直面する一つ一つの課題について,国民の声にしっかりと耳を傾け,取り組んでいきたいと考えております。
皆さん,是非,一緒に頑張ってまいりましょう。
以上をもちまして,私の訓示といたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
私は,平成19年8月から約1年間,鳩山邦夫法務大臣の下で法務大臣政務官を務めさせていただきました。
この度,縁あって再び皆さんと一緒に働く立場となり,大変うれしく思っております。
こうして拝見しておりますと,懐かしい顔をいくつも見ることができまして,「法務省に帰ってきたな」と,そういう実感が,徐々に湧いてきているところでございます。
さて,申し上げるまでもなく,法務行政は国家の背骨であります。法務省は,基本法制の維持及び整備,法秩序の維持,国民の権利擁護等,国民生活の安全・安心を守るための法的基盤を整備する重大な使命を帯びています。
今般,岸田総理からは,6つの点について指示がございました。
具体的には,(1)国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けて,司法制度改革を推進する。(2)差別や虐待のない社会の実現を目指し,個別法によるきめ細かな人権救済を推進する。(3)関係大臣と協力し,「世界一安全な国,日本」をつくるため,犯罪被害者の支援,刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援,組織犯罪対策など,社会を明るくするための施策を総合的に推進する。(4)我が国の領土・領海・領空の警戒警備について,関係大臣と緊密に連携し,緊張感を持って,情報収集を行うとともに,事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処する。(5)関係大臣と協力して,一定の専門性,技能を有する外国人材を円滑に受け入れるとともに,在留管理を徹底し,技能実習生の失踪などの不適切事案を防止する。特定技能制度について,技能実習制度の在り方を含めて総合的な検討を行う。共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進める。(6)ポストコロナの時代を見据え,観光立国に相応しい入国管理を実現する。という6点について,しっかりと取り組むよう指示を頂きました。
これらは,いずれも国民生活に深く関わる重要な課題であると認識しています。
私は,かつて法務大臣政務官として,法務行政の諸課題に取り組んだ中で,国民からの信頼が法務行政の基盤であるということを,身をもって実感いたしました。
時代が変化する中,法務行政は,総理からの指示にもありますとおり,現在も様々な課題に直面しています。
こうした課題に取り組むに当たって,最も重要なことは,足元をしっかりと見つめる努力を怠らず,国民の信頼を得ながら,一つ一つ着実に進めていくということであります。
同時に,皆さんに意識していただきたいのは,大きな視点,大局観を持って,課題に取り組む姿勢です。
社会経済の国際化・ボーダレス化が急速に進む中,我が国における共生社会の実現は喫緊の課題です。
この課題を単に外国人施策,また,出入国在留管理庁だけで対応すべき課題と捉えるのは,いささか近視眼的に過ぎ,そうではなく,未来の日本社会を形づくるために向き合うべき課題との大局観を持っていただきたいのです。
例えば,総理指示にあります国民に身近で頼りがいのある司法の実現や,差別や虐待のない社会の実現などの他の課題についても,日本人と外国人が共に暮らす社会という大きな視点の下で,検討・取組を進めていく必要があると考えています。
我が国の課題を考えますとき,「世界の中の日本」という視点を常に念頭に置くことが大切だと考えております。
私自身,若き日に,かの大勲位・中曽根康弘元総理に,「グローバライゼーションのなかで日本はどう生きるべきでしょうか」と大それた質問をしたことがありました。大そうな質問をしたわけですけれども,そのような視点は,今でも常に私の中にあります。
私は,国民からの信頼が法務行政の基盤であることを,改めて肝に銘じ,そして,大局観を失うことなく,法務省職員の皆さんと共に,直面する一つ一つの課題について,国民の声にしっかりと耳を傾け,取り組んでいきたいと考えております。
皆さん,是非,一緒に頑張ってまいりましょう。
以上をもちまして,私の訓示といたします。
(以上)