令和7年11月27日
公正取引委員会
公正取引委員会は、福岡ダイハツ販売株式会社(以下「福岡ダイハツ販売」という。)に対して調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する事実が認められたので、本日、下請法第7条第3項の規定に基づき、福岡ダイハツ販売に対して勧告を行った。
(1) 福岡ダイハツ販売は、個人又は資本金の額が1000万円以下の法人たる事業者に対し、顧客から請け負う自動車の板金塗装等の修理業務を委託している(以下この受託事業者を「下請事業者」という。)。
(2) 福岡ダイハツ販売は、遅くとも令和4年8月から令和7年4月まで、自社が請け負う自動車の修理の顧客に代車として貸し出すために、下請事業者に対し、合計76台の自動車を自己のために無償で提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害していた(下請事業者24名)。
(3) 前記(2)の福岡ダイハツ販売の行為により下請事業者が被った不利益の額は、総額1739万5598円である。
なお、この不利益の額は、カーリースにより賃借した自動車を提供する場合のリース料金、任意保険の料金及び軽自動車税の額、カーローンにより購入した自動車を提供する場合の任意保険の料金、軽自動車税及び自動車の償却費並びに自社が所有する自動車を提供する場合の自賠責保険の料金、任意保険の料金、軽自動車税、自動車重量税、車検費用、自動車の償却費及びその他経費(注)の額の合計である。
(注)「その他経費」とは、オイル交換やタイヤ交換などの自動車の維持管理に掛かる費用である。
(4) 福岡ダイハツ販売は、令和7年9月25日までに、下請事業者に対し、前記(3)の額を支払っている。
(1) 福岡ダイハツ販売は、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
ア 前記2(2)の行為が下請法第4条第2項第3号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反するものであること
イ 今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害さないこと
(2) 福岡ダイハツ販売は、今後、下請法第4条第2項第3号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する行為を行うことがないよう、自社の営業担当者等に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。
(3) 福岡ダイハツ販売は、次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
ア 前記2(4)の対応を採ったこと
イ 前記(1)及び(2)に基づいて採った措置
(4) 福岡ダイハツ販売は、次の事項を取引先下請事業者に通知すること。
ア 前記2(4)の対応を採ったこと
イ 前記(1)から(3)までに基づいて採った措置
(5) 福岡ダイハツ販売は、前記(1)から(4)までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
公正取引委員会事務総局九州事務所下請課
電話 092-431-6032(直通)
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部下請取引調査室
電話 03-3581-3374(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/