令和6年7月19日
公正取引委員会
中小企業庁
(1) 我が国がデフレから完全に脱却し、経済の好循環を実現するためには、構造的な賃上げが必要であり、そのためには構造的な賃上げ原資の確保が必要であるところ、我が国の雇用の7割を占める中小企業がその原資を確保できる取引環境の整備が重要である。現在、政府は、新たな商慣習として、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる「構造的な価格転嫁」の実現を図っていくことが必要である、という問題意識の下で、価格転嫁対策に取り組むこととしている(「経済財政運営と改革の基本方針2024」(令和6年6月21日閣議決定))。
(2) その取引環境の整備の一環として、これまで、「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」(令和3年12月27日内閣官房、消費者庁、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、公正取引委員会)に基づき、政府一体となって価格転嫁対策に取り組んできたところである。公正取引委員会においても、同パッケージを踏まえ、「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」を改正し、公正取引委員会のウェブサイトに掲載している「よくある質問コーナー(独占禁止法)」のQ&Aにおいて、協議を経ない取引価格の据置き等の考え方の明確化を行うとともに、特別調査等を通じた独占禁止法や下請法(「下請代金支払遅延等防止法」をいう。以下同じ。)の執行強化に努め、相当数の取引先について協議を経ない取引価格の据置き等が確認された事業者についてその事業者名を公表するなど、従来にない取組を講じてきた。その結果、価格交渉や価格転嫁の動きにも進捗がみられる。
(3) 他方で、公正取引委員会が令和5年度に実施した特別調査の結果、サプライチェーンの取引段階を遡り、2次、3次と階層が深くなるにつれて価格転嫁が滞っていることなどを踏まえると、適切な価格転嫁を我が国の新たな商慣習としてサプライチェーン全体で定着させていくに当たり、取引環境の整備として解決されるべき課題がいまだ残っていると考えられる。
(4) また、下請法の主要な改正が行われてから約20年が経過しており、現在の経済実態への対応や、今後想定される「物価や賃金が構造的に上がっていく経済社会」における取引環境の整備についても検討する必要がある。
(5) このため、適切な価格転嫁を我が国の新たな商慣習としてサプライチェーン全体で定着させていくための取引環境を整備する観点から、優越的地位の濫用規制の在り方について、下請法を中心に検討することを目的として、関係有識者からなる「企業取引研究会」を開催する。
(1) 本検討会は、別紙に掲げる有識者により構成する。
(2) 月1回程度を目途として本検討会を開催する。(初回開催は令和6年7月22日)
(3) 本検討会は、委員による自由闊達な意見交換を促進するために非公開とするが、議事録を速やかに公表する。
(4) 本研究会は、公正取引委員会事務総局と中小企業庁の共催とする。
(5) 本研究会の庶務は、関係部局等の協力を得て、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部企業取引課及び中小企業庁事業環境部取引課が行う。
[五十音順、敬称略、役職は令和6年7月19日現在]
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公正取引委員会事務総局経済取引局取引部企業取引課
電話 03-3581-3373(直通)
中小企業庁事業環境部取引課
電話 03-3501-1669(直通)
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