令和6年1月23日
公正取引委員会
公正取引委員会は、株式会社メタルテック(以下「メタルテック」という。)に対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する行為が認められたので、本日、下請法第7条第2項の規定に基づき、同社に対し勧告を行った。
(1) メタルテックは、資本金の額が3億円以下の法人たる事業者に対し、自動車製造業者等から製造を請け負う自動車部品の製造を委託している(これらの事業者を以下「下請事業者」という。)。
(2) メタルテックは、令和4年5月から令和5年6月までの間、「屑(くず)費」(注)を下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じていた。減額した金額は、総額6193万7555円である(下請事業者5名)。
(注)下請事業者が購入した原材料を加工する際に生じる鉄スクラップ(打ち抜き屑)について、メタルテックは、下請事業者が鉄スクラップを売却すれば得られるであろう対価の一部を、「屑費」と称して、下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引いていた。
(1) メタルテックは、下請事業者に対し、前記2(2)の行為により減額した金額を速やかに支払うこと。
(2) メタルテックは、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
ア 前記2(2)の行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること。
イ 今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じないこと。
(3) メタルテックは、今後、下請法第4条第1項第3号の規定に違反する行為を行うことがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。
(4) メタルテックは、前記(1)から(3)までに基づいて採った措置を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
(5) メタルテックは、前記(1)から(4)までに基づいて採った措置を取引先下請事業者に通知すること。
(6) メタルテックは、前記(1)から(5)までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
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