展覧会「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」が、東京のアーティゾン美術館にて、2025年3月1日(土)から6月1日(日)まで開催される。
展覧会「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」は、20世紀前半に活躍したアーティスト・カップル、ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプの二人展だ。約100点の作品を紹介する本展では、ふたりの個々の活動ばかりでなく、互いの影響やデュオとしての協働制作にも着目し、夫妻という関係性の創作の可能性を再考する。
1889年に生まれたゾフィー・トイバー=アルプは、テキスタイル・デザイナーとしてキャリアをスタート。色彩理論と幾何学的抽象の研究を基盤に、緻密な幾何学的形態による構成を、家具デザインや建築設計、絵画など、多方面へと展開した。
一方、1886年生まれのジャン・アルプは、青騎士やダダの活動に参画。1920年代以降は、シュルレアリスムと抽象とを往来しつつ、偶然生まれる形態に基づいて、コラージュやレリーフ、彫刻などを手がけている。
このようにゾフィーとジャンは、それぞれダダやシュルレアリスム、抽象芸術といった前衛芸術シーンで活動する一方、デュオとしての作品も残した。また、1943年にゾフィーがこの世を去ったのちにも、その作品はジャンを触発し続けたという。本展では、カップルという関係性における創作の可能性、当時の女性アーティストの位置や芸術ジャンルのヒエラルキーの捉え方などに光をあててゆく。
また、ゾフィーとジャン、それぞれの創作活動も紹介。ゾフィーは現在、20世紀前半の抽象芸術における高度な達成として評価されている。また、当時女性も携わることができた応用芸術からスタートし、のちに前衛芸術の最前線で活躍するようになったその足跡は、女性のアーティストとしての新しいキャリアを示すことになったといえる。本展では、日本では紹介される機会の少なかったゾフィーの活動を、包括的に紹介する。
一方、ジャンは有機的な造形の彫刻でとりわけ知られているものの、彫刻に取り組むようになったのは、1930年代初頭からであり、創作の起点は絵画と詩にあった。とはいえ、カンヴァスに油彩を描くという従来の絵画からは距離をとり、平面性と立体性をあわせ持ったレリーフを手がけるほか、偶然見出されるイメージやコラージュに目を向けるなど、自由な創作を展開している。会場では、さまざまな前衛の動向を行き来したジャンの、20世紀美術における位置と今日に通ずる意義を再考する。
展覧会「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」
会期:2025年3月1日(土)〜6月1日(日)
会場:アーティゾン美術館 6階展示室
住所:東京都中央区京橋1-7-2
開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20:00閉館)
※(注記)入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(5月5日(月・祝)は開館)、5月7日(水)
観覧料:ウェブ予約チケット 1,800円、窓口販売チケット 2,000円、学生 無料(要ウェブ予約)
※(注記)日時指定予約制(2月12日(水)よりウェブ予約開始)
※(注記)予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケットを販売
※(注記)中学生以下はウェブ予約不要
※(注記)この料金で同時開催の展覧会をすべて観覧可
■しかく同時開催展
・展覧会「硲伊之助展」(5階展示室)
・「石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト」(4階展示室)
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
