企画展「ライトアップ木島櫻谷 ─ 四季連作大屏風と沁みる『生写し』」が、六本木の泉屋博古館東京にて、2024年3月16日(土)から5月12日(日)まで開催される。
近代京都画壇を代表する日本画家、木島櫻谷(このしま おうこく)。円山派の伝統に学んで写生を重視し、動物画で名声を博した櫻谷は、大正時代中期、大阪・茶臼山の住友家本邸のために、4双の金屏風「四季連作屏風」を手がけている。
「四季連作屏風」は、縦180cm、幅720cmを超える大画面に、四季折々のモチーフを描いた金屏風だ。大正時代には琳派が流行し、「四季連作屏風」もまた装飾的な琳派の作風を彷彿とさせる。しかし、油彩画のように立体的な筆触を残したり、写生を生かしつつモチーフを大胆に切り取る狩野派のような画面構成で仕上げたりと、同作には櫻谷ならではの斬新な試みを随所に見て取ることができる。
企画展「ライトアップ木島櫻谷 ─ 四季連作大屏風と沁みる『生写し』」では、櫻谷が手がけた「四季連作屏風」全点を一挙公開。《柳桜図》や《燕子花図》など、金地の大屏風が並ぶ空間を展開する。
ところで、櫻谷がその伝統を受け継いだ円山四条派は、江戸時代京都の絵師・円山応挙を祖としている。応挙は、中国画や西洋画の技法を取り入れつつ、対象をありのままに描く「生写し(写生)」の方法を生みだした。目の前のものを見ながら描く写生は、当時きわめて斬新なものであり、近代にいたるまで大きな影響を与えることになった。本展では、櫻谷の動物画に着目し、応挙以来の写生に基づく動物画と比較しつつ、その特徴を紹介する。
若き日の櫻谷は、日本画にリアリティーと色彩感が求められる明治時代にあって、円山四条派の写生を基礎に自己の作風を確立し、さらには西洋画に学んだ写実をさまざまに試みていった。櫻谷の真骨頂はしかし、その写実性にはおさまらず、古典的な画題を近代的な感覚で描き、時として動物に人間的な感情をも吹き込んでいったのだ。会場では、このように櫻谷ならではの動物表現に光をあててゆく。
企画展「ライトアップ木島櫻谷 ─ 四季連作大屏風と沁みる『生写し』」
会期:2024年3月16日(土)〜5月12日(日)
会場:泉屋博古館東京
住所:東京都港区六本木1-5-1
開館時間:11:00〜18:00(金曜日は19:00まで開館)
※(注記)入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(4月29日(月・祝)、5月6日(祝・振)は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
入館料:一般 1,000円(800円)、高校・大学生 600円(500円)、中学生以下 無料
※(注記)20名以上の団体は( )内の割引料金
※(注記)障がい者手帳などの提示者本人および同伴者1名までは無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
