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Vol.72, No.6 2024年

生分解性プラスチックの新しい展開

プラスチックごみ削減が叫ばれる中,生分解性プラスチックはその切り札の1 つとして期待されている。このような生分解性プラスチックは従来,微生物が多く存在する土壌中での分解を想定して開発されてきたが,近年の海洋プラスチックごみ問題の顕在化を受けて,海水によって分解反応のスイッチが入るように設計された「海洋生分解性プラスチック」の研究開発が盛んである。これらは,通常は高い強度と耐久性を示し,海洋に出てはじめて分解するため,生分解性プラスチックが従来もっていたジレンマを解消することができる。このように特定の環境中で特異的に分解するよう設計された生分解性プラスチックの仕組みなどを含め,生分解性プラスチックの現状と今後必要となる技術について,化学的視点から解説する。化学の有用性と面白さを高校の教育現場へお伝えしたい。

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