フラメンコを再開した頃。スタジオにて
1982年生まれ、沖縄県出身。多数の女性ファッション誌でモデルを務めるほか、TV・ラジオ・CMでも活躍。上智大学を卒業した2006年にはミス・ユニバース世界大会で準グランプリに輝く。07年から国連世界食糧計画(WFP)のオフィシャルサポーターに就任し、国連世界食糧計画(WFP)日本親善大使を務めるなど約15年活動した。12年からは沖縄・慶留間島で子どもたちのための保養キャンプも主催。19年には歌集『はじまりは、恋』を刊行。祖父の家を建て直したいという思いから、京都芸術大学環境デザイン学科を21年卒業。23年4月〜日本テレビ『DayDay.』へ水曜レギュラーとして月1回出演。2児の母。
自然に近いところで子育てもいいねと、次女が生まれたタイミングで海辺の町に移り住んだ、知花くららさん。改めて気付いた海の魅力、海辺の町でやってみたいことや日々感じた思い、家族との時間、海でつながったご縁......。海辺の町での日々の暮らしを、写真とともにつづっていきます。
みなさんは、自分の心と体のメンテナンスのために、日頃どんなことをしてらっしゃいますか?
私は、踊っています。フラメンコという踊りに夢中です。
フラメンコは、ロマ民族が起源とされるスペインの舞踊。
大学時代に始めたものの、以前もこの連載で書いたように、10年のブランクがあって、海辺の町に引っ越してから再開しました。
大人になって舞踊を学ぶのは、若い頃と違ってとても楽しいなと感じています。
思い返せば、若い頃は"こうじゃなきゃいけない"と、どこか緊張していた気がするのだけど、大人になると、いい意味で"まあ、いいか!"と自由にやっている自分がいて。
スペインのフラメンコ歌手、Estrella morente(エストレージャ・モレンテ)が好き。彼女の歌声は力強く、匂い立つよう。
最近はサブスクでフラメンコ音楽を聴くなど、色々なジャンルやスタイルでフラメンコを楽しむことができます。最近はまっているのはRosalía(ロザリア)というクールなアーティスト。気分を上げたい時のドライブミュージックです。
"もっとこうしてみたい"とか"ここはどうしてこうなんだろう"と湧いてくる好奇心が、すごく楽しい。体力的には若い頃の方が良かったなとしみじみ思うのですが......(笑)。
でも、苦しいはずの練習もすごく楽しくて。
何度やってもうまくいかなかったり、下手すぎて本番で失敗したり、なんてたくさんあるけど、それで辞めたいと思ったことは一度もないです。むしろ"明日からまたもっと練習するぞー!"と。
よく"どうしてスペインの舞踊にそんなに夢中なの?"と聞かれるのですが、最近それについて考え中。
フラメンコってどこか、私の故郷の沖縄の民謡や舞踊に似ているなと感じるんです。
漠然と不安になる時や、自分のペースを取り戻したいとき、イヤホンでフラメンコのリズムを聴いていると不思議と心が落ち着いてきて。カチャーシーや、エイサーの太鼓のリズムを聴いている時と同じように。
どこか懐かしくて温かい。2年前、フラメンコを再開したときの、産後から引きずっていた不安定な心も、踊ることで徐々に自分を取り戻していく感覚があって。
無心になる感じというのかな。フラメンコに触れている時は、楽に呼吸をしている自分がいて。それが自分でもすごく不思議なほど。
そういえば、フラメンコがやりたくてスペインにまで引っ越した学生時代。それまで見たことのなかった世界の扉を開ける鍵となってくれました。
フラメンコは今の私にとって、自分らしくいられるお守りみたいなものなのかもしれません。
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