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考えれば考えるほど問題解決能力はなくなり不幸が増す終末期の母親の介護中でも幸せを感じられる...20年以上にわたる研究が示した幸せになるたった1つの秘訣

幸福な人は独自の基準がある

私たちがインタビューした幸福な人々はそんなものを気にしていないようでした。「彼女は私よりもはるかに物知りだ。だから私は平凡な人間に違いない」というように、他人の業績が自分の感情に影響を与えるわけではなかったのです。その代わりに、数学を勉強したり、料理をしたり、おしゃべりしたりしているとどれほど楽しいか、などと自分を判断するために、独自の内面的な基準を用いているようでした。

ソニア・リュボミアスキー『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』(日本実業出版社)
ソニア・リュボミアスキー『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』(日本実業出版社)

このような予備調査の結果に興味をそそられ、リーと私は比較について臨床検査をして、研究結果を強固なものにしようと決意しました。それから数年の間に私たちが発見したのは、「最も幸福な人々は他人の成功から喜びを得ることができ、他人の失敗を目の当たりにしたときは心づかいをする」ということでした。

一方で、典型的な不幸な人々からは、まったく異なる人物像が浮かび上がりました。不幸な人々は、同僚の業績や成功を喜ばずに意気消沈し、同僚の失敗や破滅を目の当たりにすると、同情せずに安堵あんどするのです。私は学生たちとさらに多くの実験を行ないましたが、本質的には同じ結果がでました。つまり、人は幸福であればあるほど、まわりの人との比較に関心を払わなくなるということです。またしても、幸せな人たちの習慣から学ぶべき例が研究によってわかりました。じつをいえば、たえず自分と人を比べることは、「考えすぎる」という、より広く行き渡っている習慣の一部なのです。

ソニア・リュボミアスキー
心理学教授

米国カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学教授。社会心理学とポジティブ心理学のコースで教鞭をとっている。ロシア生まれ。ハーバード大学で学士号を取り、スタンフォード大学で博士号を取得した。2002年度のテンプルトン・ポジティブ心理学賞などさまざまな賞を受賞している。また、現在は『ポジティブ心理学ジャーナル』の編集に携わり、米国国立精神衛生研究所から数年にわたって助成金を受けて、「永遠に続く幸福の可能性」について研究を続けている。テレビやラジオの番組にも多く出演し、多数の講演も行なっている。家族とともにカリフォルニア州のサンタモニカに在住。

掲載: PRESIDENT WOMAN Online

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