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仕事でも家庭でもストレス増、新年度の環境変化がダメ押し降格や休職につながる...中高年の「五月病」が若者よりも複雑で深刻な理由

入学や入社したばかりの若者がなるイメージの強い「五月病」だが、実は中高年がかかることも多い。精神科医で、産業医も務める井上智介さんは「同じ五月病でも、若者より中高年の方が原因となるストレスが複雑。日頃から仕事でも家庭でも大きな負担を抱えているところに、新年度の環境変化が重なって心身の不調をきたしてしまう」という――。
2022年5月のカレンダー
写真=iStock.com/niphon
(注記)写真はイメージです

五月病の正体は「適応障害」

5月のゴールデンウイークを過ぎたあたりから増える心身の不調を俗に「五月病」といいます。4月に新年度が始まり、新入社や人事異動などで環境が変わったあと、5月になってもなかなか新しい環境に適応できないために起きます。

ただ、「五月病」とは通称で、正式な病名は「適応障害」です。俳優の深田恭子さんが適応障害で一時休養されたことで広く知られましたが、落ち込んで元気が出ない、何をするにも意欲が出ない、強い倦怠けんたい感や息苦しさ、頭痛、腹痛など、心身ともに、いろいろな症状が出てくる疾患です。

症状はうつ病と似ていますが、うつ病と大きく異なるのは、原因がはっきりしていること。この原因をとり除くことが、治療の中心になります。

新入社員や若い人が五月病になる場合、その原因の大半は仕事のストレスです。若い人は、社会人経験が浅いこともあり、新しい環境になると、対人関係や仕事の内容でストレスを抱えることが非常に多い。はたから見ると、それほど大変でないようなことも、本人からすると、その対処法がわからず、しんどくなるわけです。

特に今の20代はゆとり教育の影響もありますし、比較的ストレスのかからない生活を送ってきたことから、社会の荒波を余計にきつく感じることもあるといわれます。

その点、中高年の人たちは、それなりに経験を積んで、ストレスの対処法を身に付けているため、仕事のストレスからすぐに五月病になるとは考えられにくく、4月に異動などで職場の環境が変わっても、慣れているのですぐに変化にも対応できると思われがちです。しかし、実は五月病になる中高年は意外に多いのです。

掲載: PRESIDENT WOMAN Online

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