会長あいさつ
第二東京弁護士会会長 福島正義 今年も本格的な夏を迎えました。気象庁によると、30年前の6月から8月の平均気温より2°Cも上がっており、厚労省によると2023年の熱中症による死傷者数は1106名だったようです。本年6月1日から労働安全衛生規則が改正され、労働者を雇用する全ての事業者に対して熱中症対策を義務化しました。熱中症のおそれがある労働者を早期に発見して対処し、医療機関への搬送などの手順などをあらかじめ決めて、職場で周知することを内容とします。エアコンの利用、水分・塩分の摂取や無理のない生活で疲れをためないなどの対策を引き続き取ってまいりたいと思います。これらも地球温暖化が原因とされますが、地球は相互に連関したシステムでもあり、気温の上昇だけではなく、大規模火災、暴風雨、水不足などの問題も発生しております。今いる場所から1つ1つの課題を解決していく積み上げが必要であると思います。
本年8月は日本の終戦、広島と長崎での被爆から80年となります。被爆者の証言や記録を見聞きし、その凄惨さに目を覆うとともに、何人も人類の生存の権利を奪うことはできないものであります。しかし、核兵器廃絶に向けた核軍縮は進まず、むしろウクライナ情勢やイスラエルの侵攻など再び核兵器が使用されかねない危険が高まっております。核兵器に関する条約でも指摘されてもおりますが、一たび核兵器が使用されてしまえば、地球規模で壊滅的かつ非人道的な大惨事をもたらすことになります。昨年、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞し、「核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう」と呼びかけましたが、弁護士会もこれに応えて、永遠に核兵器使用・戦争の決別を訴え、そのための不断の努力を惜しまないことを改めて決意したいと思います。
本年度、創立100周年を迎える第二東京弁護士会の活動に、今後もご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。
2025年(令和7年)8月 第二東京弁護士会会長 福島 正義