「南の風」を感じ合った大切なひと時(各学年の遠足)
昨日5月23日(金)、前日まで行われた今年度初めての定期考査を無事に終了して生徒の心が解放感に満たされる中、本校では春の恒例行事である遠足をすべての学年で一斉に実施しました。GW明けから真夏を思わせるように一気に気温が上がり、前日まで続いた蒸し暑い日々から一転、比較的過ごしやすい気候の中、1年生はクラスの親睦を深め、新たな人間関係を構築するために茨城県へのバス旅行で共同作業(カレー作り)、2年生は修学旅行を意識した班別行動による都内散策、3年生は過酷な受験に向かう前の思い出づくりとしてTDL(東京ディズニーランド)班別行動を実施しました。
1年生は、朝から学校に集合してクラスごとにバスに乗り込み一路茨城県へ向かいました。入学して1か月半が経過し、新たな友達もできて、だいぶ高校生活に慣れるとともに初めての考査も経験し、高校生としての自覚が芽生えてきたところで経験する入学後初めてのお楽しみ行事で、共同作業を通じたクラスの親睦と人間関係の深化が最大の目的となっています。高速道路に乗るまでは朝の交通渋滞に巻き込まれながらも、そうした時間ですら楽しい思い出に変えてくれるクラス全員でのバス旅行。予定どおりに目的地である「こもれび森のイバライド」に到着しました。
「こもれび森のイバライド」は茨城県稲敷市に所在する都市型農業公園で、1999年に江戸崎農業公園ポティロンの森として開業し、2016年に現在の名称としてリニューアルオープンした農業にフォーカスしたテーマパークで、BBQや飯盒炊爨などの昼食づくりに全天候型で対応してくれる高1遠足の定番施設です。
生徒は6人から8人程度の班を作り、到着直後からカレー作りに挑戦しました。料理はおろか包丁を持ったことがない男子生徒も、ここぞとばかりに果敢にチャレンジしたり、女子生徒たちは傍若無人に振る舞う男子生徒を上手にリードしつつ手際よく調理する姿が見られ、どのグループもほのぼのとした雰囲気の中で、少しずつ互いの距離感を縮めていきました。出来上がりは、不揃いな野菜や水気量もバラバラで個性的なビジュアルなもののありましたが、みんなで一緒に作ったカレーライスの味はお店では味わえない特別なものとなりました。
2年生は、12月に控える長崎県への修学旅行の予行を兼ね、羽田空港の出発ロビーに班ごとに集合したのち、あらかじめ計画した目的地を巡り、仲間との親睦を深めました。それぞれの班が訪問する目的地には「学び」を求め、楽しむことだけではなく、知識や経験として今後の自己実現の一助となる学習活動にも取り組みました。
人気スポットは品川のアクアパークや浅草寺界隈、お台場や築地場外市場などで、横浜まで足を延ばしたグループも散見されました。中には日本科学未来館に赴き、最先端の科学に触れたグループもあり、どの班も楽しみながらもしっかりと「学び」を得られていたようでした。広範囲での散策となったため、時間的にはじっくりと腰を据えた楽しみ方はできませんでしたが、上野公園内での点呼にはすべての班が帰着し、無事に現地解散しました。
3年生は、これからすべての行事が高校生活最後の経験となる中、苦しい受験が本格化する前の束の間の思い出づくりに、3学年恒例のTDLに行きました。家族や仲良しのメンバーで行くことはあっても、日常生活を共にするクラスメイトと一緒に過ごすTDLはまた違った楽しみがあります。舞浜駅に降り立った生徒たちは、入場ゲート前に陣取った先生方のもとに集合し、注意事項や日程を確認した後、チケットを手にあらかじめ計画したアトラクションに向かって一目散に消えていきました。平日とはいえ一年中激混みのTDLですが、特にこの時期は遠足の目的地とする学校が大挙して訪れるのが慣例で、県内の高校もSeaとLandに分かれて多数の高校が来場しており、中学校の同級生に遭遇する生徒も多く見受けられました。
パーク内では班ごとにアトラクションを巡ったり食事をしたり、おそろいのカチューシャや被り物でプチ仮装したりと、特別なシチュエーションの中で思い思いの時間を過ごして、クラスメイトとの大切な思い出を育んでいました。
夕方の点呼時には両手いっぱいにお土産を買いこみ、最高の笑顔で担任のもとに現れ、楽しい時間を過ごせたのだと実感できる1日となりました。中には解散後に夢の続きを見るべく再入場していく生徒たちも散見され、高校生たちにとっての夢の世界の魅力を改めて感じることとなりました。
総じて言えることは、3学年とも数名の遅刻者はいましたが、すべての行程の中で「南の風」の一員として求められるモラルを十分に認識し、節度ある楽しみ方を体現していたことです。そして、ただ楽しむのだけでなく、仲間を感じ、仲間を想い、仲間との友情を確認し合える大切なひと時となったようです。
どの学年の生徒たちも、昨日の1日を過ごし、また一歩大人への階段を登ったように感じました。引率した教職員も一様にそうした手ごたえを感じ、学校では味わえない生徒との大切な時間を過ごすことができました。
週明け以降は、また現実の学校生活が始まります。遠足で得られた学びや人間関係の深化を大切にしつつも、しっかりとけじめをつけて次なる目標に向かってほしいと願います。来週末の5月29日(金)には体育祭が予定されています。こちらも1年を通じて最大級のイベントです。皆さんの「絆」の深さを思い切り表現してほしいと思います。
頑張れ、越南生!頑張れ、南の風!