校長室より

秋の初陣を飾る(野球部秋季大会地区予選)

投稿日時 : 09/08 学校管理者

本日9月8日(月)越谷市民球場において、令和7年度秋季高等学校野球大会東部地区予選が開催され、本校野球部が出場しました。本日は過日行われた文化祭の代休日であったため、部員たちの初陣を現地で見ることができました。

この大会は、夏の甲子園大会の県予選で敗退して3年生が引退した後、新チームになって最初の県大会につながる大会で、東西南北4地区でそれぞれ2回戦のブロックトーナメントを行い、勝者となったチーム(東部地区では10チーム)が秋の県大会に出場するレギュレーションとなっています。

また、秋の県大会は春の全国選抜大会出場校の選考を兼ねた関東大会の県予選を兼ねており、まだ夏が終わり新チームになったばかりでありながらも、全国の高校生球児たちが選抜大会への出場を夢見て戦う重要な真剣勝負の場でもあります。

本校は東部地区Jブロックに割り当てられ、本日の初戦は宮代高校との対戦となりました。会場が使い慣れた地元越谷市民球場であり、会場への移動も容易なことから、若干のアドバンテージはあるものの、どのチームも新チームになって僅か2か月余りしか経過しておらず、まだまだチームの完成度としては決して高くない「伸びしろしかない」チーム同士の対戦となりました。

試合は午前9時にプレートアンパイアのコールとともに開始され、後攻の本校は1回表の守備から試合に臨むことになりました。この時期のチームは、どのチームも未完成なところがある分、どちらのチームが先に試合の流れを掴むのかが勝敗のカギとなりますが、本校は先発した左腕が幸先よく三者凡退に打ち取り、絶好のスタートを切りました。

迎えた1回裏の攻撃では、先頭打者が芯で捉えるもショートライナーに倒れ、やはり簡単ではないなと感じた矢先、続く2番打者がショートへの内野安打、クリーンナップに打順が回ると3番打者が左中間を破るタイムリー三塁打で早々に先制点をGETしました。更に主砲の4番打者のセンターへの犠牲フライで追加点を奪い幸先よくリードを2点と広げました。

守備では、打たれはするものの各ポジションの選手が堅実なフィールディングを見せ、四球1つを与えながらも、1回表、2回表、3回表と3回連続でノーヒットに抑え凡退に打ち取るパーフェクトな展開で、一気に本校に流れを引き寄せました。

本校は2回裏の攻撃で、先頭打者がライトフライに打ち取られた後、8番打者が四球を選んで出塁、ツーアウトとなったあと2盗を決めてツーアウト二塁のチャンスを迎えました。このチャンスに1番打者がサードへの内野安打を放ちツーアウト1、3塁に、更に1塁走者が2盗を決めツーアウト2、3塁とチャンスを広げましたが、センターフライに打ち取られ得点することはできませんでした。しかし、1回、2回と立て続けに三塁まで進塁し、相手チームに大きなプレッシャーを与え、完全に試合の流れを掴みました。

3回裏には先頭打者がライトオーバーの二塁打で出塁し、ワンアウトを取られた後、5番打者がライト前に運んでワンアウト1、3塁のチャンスを迎えました。どうしても追加点がほしい本校は、ここでパワーヒッターの2年生を代打に送ります。相手ピッチャーは打者の体格に圧倒されている間に1塁走者が2盗を決め、ワンアウト2、3塁とビッグチャンスとなりました。そして、代打で出た打者がヒットエンドランの場面で体勢を崩されながらもサード強襲のゴロを放ち、1塁でアウトとなる間に三塁走者が生還して待望の追加点を奪いました。

4回表には、相手の3番打者に初ヒットを許し、四球もあってワンアウト1、2塁とされましたが、続く打者に対しては打者勝負に徹して凡退させ事なきを得ました。

続く4回裏本校の攻撃では、先頭打者が四球を選んで出塁すると、バントとワイルドピッチの間に三塁まで進塁し、2番打者がセーフティバントを試み内野安打となる間に三塁走者が生還し4点目を奪いました。

5回表の守備ではサード強襲の内野安打を許すも、他の打者をしっかりと打ち取り、相手に付け入る隙を与えない素晴らしい試合展開となりました。

5回裏の攻撃では、先頭打者がセンター前にクリーンヒットを放ち、すかさず盗塁してノーアウト二塁のチャンスを迎えると、2者連続で三遊間ヒットを放ち5点目を奪って、相手投手をノックアウトしました。相手投手が交代となった後も本校は攻撃の手を緩めず、スクイズで手堅く追加点を挙げ6点差としました。

しかし、6回表の守備の場面で本校選手たちは、試合の流れは些細なことで変わる怖さを知ることになります。これまで完璧に抑えていた左腕が先頭打者に四球を与えると、2盗とショートへの内野安打で無死1、2塁のピンチを迎え、続く4番打者に対する暴投の間に無死2、3塁へと進塁されます。このピンチの場面で打者をショートゴロに打ち取る間に1点を失うと、続く5番打者にセンターへの犠牲フライを打たれ2点目を献上してしまいました。

嫌なムードが漂う6回裏の攻撃では、悪い流れを断ち切るがごとく選手同士がしっかりと声を掛け合ってチームを引き締めました。すると、先頭打者がレフト前ヒットで出塁し、2番打者がセーフティバントを決めて無死1、2塁のチャンスを掴みます。続くクリーンアップの3番、4番打者がセンター前、ライト前にきれいに運び8-2とリードを広げます。更に無死1、3塁から2盗を決め無死2、3塁とすると、センターへの犠牲フライで7回コールド勝利の目安となる9点目(7点差)を奪い、試合の流れを引き戻します。

コールド勝利がかかった7回表の守備では、ここまで力投してきた左腕から球速のある左腕が継投し、試合を締めくくりに行きました。しかし、先頭打者をセンターフライに打ち取りワンアウトを奪ったものの続く打者には苦戦してしまいます。球速はあるものの、コールドゲームのプレッシャーからか制球が定まらず四球を与えワンアウト一塁と出塁を許します。続く打者は球威で抑えてファーストのファールフライに打ち取りましたが、次の打者にも四球を与えツーアウト1、2塁と一打失点の場面を迎えました。しかし、こうした緊張感MAXの場面でも大きく崩れないチーム力を発揮できるのが本校選手たちの強みで、最後はこの日初めての三振を奪ってゲームセットとなりました。

序盤は安泰かと思われた試合で一時は2点を失うなど反省の材料を残しながらも、終わってみれば9-2の7回コールド勝利となりました。選手たちは、大事な初戦を勝利で飾り、大きな自信を持ったに違いありません。次戦は本日同時刻に行われている春日部高校と杉戸高校の勝者との対戦となり、十数年ぶりの春夏連続県大会出場を目指して戦うこととなります。

私は、本校への校長就任以来、野球部の部員たちが来る日も来る日もグラウンドに立ち、仲間たちと切磋琢磨しながら青春を賭して野球に打ち込んできたことをこの目でずっと見てきました。いつでも礼儀正しく爽やかで、本校生徒たちの模範でもある選手たちには、日頃から泥だらけになりながらも直向きに技術練習に取り組み、コツコツと努力を積み重ねてきたことにプライドを持って次戦に臨んでほしいと願います。皆さんなら、必ず県大会への切符を手にすることができると信じています。

本日は、平日にもかかわらず、また季節外れの猛暑の中、たくさんの保護者の皆さまに球場にお運びいただくとともに、熱い声援を賜り、心より感謝申し上げます。スタンドからの皆さまの声が選手たちの活力となり、本日の流れを引き寄せたのだと確信しています。次戦はどちらのチームとの対戦になるにせよ、本日より更に厳しい試合となることが予想されます。しかし、最後はきっと本校の選手たちが勝ち名乗りを挙げてくれることを信じて、皆さまとともに期待して待ちたいと思います。今後とも、変らぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

頑張れ、越南生!頑張れ、野球部!