校長室より

関東の分厚い壁に屈す(男子ハンドボール部関東大会)

投稿日時 : 05/31 学校管理者

本日5月31日(土)群馬県立富岡高等学校にて関東高等学校ハンドボール大会が開催され、先に行われた県予選で埼玉県代表の座を獲得していた本校男子ハンドボール部が初戦に望みました。

本校男子ハンドボール部は、昨日のうちにバスで現地入りし、午後に行われた開会式に出席したあと高崎市内に宿泊し、コンディションを整えて本日の試合に臨んでいました。

会場となった富岡高校は、群馬県の第1代表校で、ハンドボールが盛んな学校ですが、県立高校のため本校と同様にコート1面を確保するのがやっとの体育館サイズで、コートサイドに設置された応援席は、応援に駆けつけていただいた保護者の皆さまと本校男女ハンドボール部員であっという間に埋め尽くされました。

本日の対戦相手は強豪ひしめく千葉県第2代表の二松學舍大学付属柏高等学校で、試合前のアップを見ても身長や体重などのボディーサイズが本校選手たちより一回り大きな印象で、試合前から厳しい試合となりそうな予感がしました。

試合は予定どおり午前9時30分ちょうどに本校のスローオフで始まり、開始直後の最初の攻防は、両者ともに正確性を欠いて得点には至りませんでしたが、相手の攻撃をブロックした本校は、電光石火のカウンターを仕掛け、幸先よく先制点を奪うことに成功しました。

しかし、相手も流石に千葉県の決勝を戦ったチームらしく、180cmはあろうかと思われる体格にも関わらずアジリティ(俊敏性)も高く、巧みなパス交換からダイナミックなシュートシーンを作り出し、本校ディフェンスを揺さぶります。本校は、スイッチの入った相手の豪快な攻撃の前に3連続の失点を喫しあっさりと逆転を許してしまいました。

奮起した本校は、壁のように立ちはだかる相手ディフェンスの前に攻撃に苦しんでいましたが、エースフローターのシュートフェイントからのポストプレーに相手はたまらず悪質なファールを犯し、2分間の退場となった上でPS(ペナルティースロー)を獲得することに成功しました。

このチャンスにPSを投じたのは本校キャプテン。しかし、緊張していたのか投じたシュートはゴールの枠の上に外れ得点につなげることができませんでした。惜しくも得点を逃した本校でしたが、相手が1人少ないパワープレーの時間を有効に使って同点に追いつき、試合を振り出しに戻しました。

同点で迎えた場面で再び相手反則によりPSを獲得し、逆転のチャンスが訪れますが、このPSも枠を捉えられず絶好のチャンスをモノにできずにいると、ペナルティが明けて人数が揃った相手は一気にギアを上げて猛攻に転じます。

高さのある中央からの攻撃に加え、複雑なポジションチェンジとパス交換でディフェンスの的を絞らせない攻撃に連続失点を許し、一気に4点差に点差を広げられてしまいました。本校は必死に食らいつくも、相手のリズムを崩せずにゲームの流れを引き寄せられないまま、7-11の4点差で前半を終えました。

ハーフタイムには、コートサイドで円陣を組んで監督やコーチからの指示を確認し、逆転するべく気合を入れ直して後半のコートに飛び出していきました。

しかし、後半開始直後の最初のディフェンスシーンで本校選手に反則があって2分間の退場が命じられ、いきなり1人少ない大ピンチとなりました。本校選手は体を張ったプレーで必死に対応するも、流石に相手もパワープレーのチャンスを見逃すはずもなく、速いパス交換から豪快なシュートシーンを作り出し、次々と得点を重ねます。

あっという間に6点のビハインドとなる中でペナルティが明けて人数が揃うと、本校もあらかじめ用意していたセットプレーなどから得点し、反撃の狼煙を上げますが、百戦錬磨の相手も動じることなく本校のフォーメーションにアジャストしてきて、良い体制でのシュートシーンを作ることができなくなりました。

相手は、本校の勢いが弱まったことを見逃さず、フレッシュなメンバーに交代しながらスピードを上げて次々とシュートシーンを作り出します。本校ディフェンスも体を張った守備を見せますが、サイズの大きい相手のパワフルな攻撃を阻止できず、失点を重ねてしまいます。残り10分を切ったところで堪らずタイムアウトを取り、劣勢な流れを切ろうと試みますが、波に乗る相手の勢いを止めることができずに失点を重ね、16-24の8点差で試合終了のブザーを聞くこととなりました。

初戦を突破し、全国チャンピオンに挑戦することを目指していた本校は、残念ながら初戦で大会を終える結果となりました。怪我によるメンバーチェンジや滑るボールなど不運な面もありましたが、相手のパワーとスピード、高さに押し切られたことも事実です。

何より悔しいのは、自分たちのストロングポイントを十分に発揮できないまま試合が終わってしまったことです。確かに相手は強かったですが、自軍が流れを掴むチャンスは幾度となくありましたし、そうした場面でミスが出て流れを掴むことができなかったことが本日の敗因であるとも言えます。

一方で、そうした中でも、越南生らしく準備してきた闘い方に果敢にチャレンジして全力を尽くしたこともまた事実です。強豪校が集う関東大会という高い壁に挑み、それを乗り越えるための自分たちの新たな課題を肌で感じたことだと思います。選手たちには負けた悔しさだけに思考を向けずに、苦しい場面やミスの後にどのように自分たちの力で試合の流れを引き寄せるかということに目を向けて、大会を振り返ってほしいと願います。埼玉県の代表として関東大会に出場したことは紛れもない事実であり、そうした自信とともに、本日の敗戦を糧にしてインターハイ予選に挑んでほしいと願います。

本日は、雨の中、また遠方にも関わらず、多くの保護者の皆さまにご来場いただくとともに、ご声援を賜り、心より感謝申し上げます。残念ながら初戦突破は果たせませんでしたが、本日の闘いが彼らをまた一回りたくましくしてくれたと信じています。次なる戦いの場はインターハイ予選。必ずやこの悔しさを晴らすべく素晴らしい戦いを見せてくれることを、皆さんとともに期待したいと思います。今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

頑張れ、越南生!頑張れ、男子ハンドボール部!