金の星社
| 金の星社 | |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社金の星社 |
| 英文名称 | KINNO HOSHI SHA CO.,LTD. |
| 前身 |
キンノツノ社(金の船編輯室) →金の船社 |
| 現況 | 事業継続中 |
| 種類 | 株式会社 |
| 市場情報 | 非上場 |
| 出版者記号 | 323 |
| 取次会社 | トーハン,日本出版販売 |
| 取次コード | 1406 |
| 法人番号 | 8010501003022 ウィキデータを編集 |
| 設立日 | 1919年 11月1日 |
| 代表者 | 社長 斎藤健司 |
| 本社郵便番号 | 〒111-0056 |
| 本社所在地 | 東京都 台東区小島1-4-3 |
| 資本金 | 2500万円 |
| 電子書籍 | 有り |
| 得意ジャンル | 子ども向け書籍 |
| 関係する人物 | 斎藤佐次郎 |
| 外部リンク | http://www.kinnohoshi.co.jp/ |
| https://twitter.com/kinnohoshi | |
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株式会社金の星社(きんのほししゃ)は、日本の出版社。主に児童書を出版する。
会社概要
[編集 ]沿革
[編集 ]鈴木三重吉が1918年、『赤い鳥』(赤い鳥社)を創刊するなど、大正期の児童文学運動が興隆していたさなかの1919年、児童文学誌創刊を目指す斎藤佐次郎が、低学年児童向けの絵雑誌『日本の子供』『ナカヨシ』を発行していた「キンノツノ社」(東京市 麹町区 飯田町)の横山寿篤の誘いに応じ、同社の共同出資者として経営参画したことを源流とする[1] 。
斎藤は編集主幹として編集室を本郷区 根津宮永町の自宅に置き、社主の横山を発行人とする体制で1919年11月1日、童謡・童話月刊誌『金の船』が創刊された[2] 。現在の金の星社はこの発行日を自社の創業日としている[3] 。
斎藤は翌1920年には自宅と編集室を東京府 北豊島郡 滝野川町大字田端に移し、『金の船』は創刊当時無名だった詩人、野口雨情作詞の「十五夜お月さん」や「七つの子」、「青い眼の人形」など国民的童謡となった作品を次々と発表し、一気に部数を伸ばした。
しかし1922年、「大正十一年五月号」の発行に前後して、キンノツノ社の経営を巡る斎藤と横山の間の対立が深刻化した[4] 。斎藤は横山と袂を分かち、編集室のある田端の自宅に新たに「金の船社」を設立した[4] 。
金の船社は野口雨情のほか、西条八十や与謝野晶子、三木露風ら『金の船』の主要作家の支持を受け、「大正十一年六月号」には目次にない4ページの社告を表紙直後に追加して雑誌の編集発行を継続したが[4] 、題号『金の船』についてはキンノツノ社に権利を押さえられたため同号より『金の星』に改題した[4] [5] 。このため「金の船社の『金の星』」と「キンノツノ社の『金の船』」が並行して発行される状態が続いたのち、商号を翌1923年 1月の「大正十二年正月号」から現在の「金の星社」に変更した[6] 。
昭和に入って児童文学運動が衰退し、芸術性よりも娯楽性を優先させた[7] 『少年倶楽部』(大日本雄弁会講談社)などの大衆児童誌に主流が移る中、基幹出版物であった『金の星』は1928年、旧キンノツノ社の保有題号で資文堂書店が発行していた『金の船』終刊(昭和三年二月号[8] )直後の「昭和三年四月号」(第十巻第四号、通巻101号)を最後に編集を外部委託化して『少年少女・金の星』と改題したのち、翌1929年の「昭和四年七月号」で終刊した。
その後も引き続き児童書専門出版社として「金の星童話文庫」や「世界童話叢書」、「小学学年別童話」などを刊行し、1932年 6月に株式会社に法人化[3] 。下谷区 下谷二長町を経て1936年 5月に現本社所在地の浅草区 浅草小島町に移転した[3] 。
戦時中は企業整備令を受けて1943年 11月、金の星社、富永興文堂(現・新星出版社)、鈴木仁成堂(現・鈴木出版)、中村書店、綱島書店、大川屋書店、鳥海書店の出版7社が合併して神田区 松枝町に「児童図書出版社」が設立され、斎藤が社長に就任[3] 。1944年の空襲による金の星社事務所(旧本社屋)焼失を経て、終戦で児童図書出版社が解散した1945年 8月に「株式会社金の星社」として復活した[3] 。
以後も数多くの童話や絵本、児童文学書を出版し、1970年には土家由岐雄『かわいそうなぞう』、1977年には高木敏子『ガラスのうさぎ』を世に出してともに社会的に大きな反響を呼んだ。1979年には岩崎書店、童心社、理論社と提携した児童書の協力出版レーベル「フォア文庫」を刊行した[3] 。
2019年 11月1日には創業100周年を記念し、斎藤佐次郎が編集に携わった1919年から1928年までの『金の船』および『金の星』計101号分を全ページ閲覧できる「金の船・金の星デジタルライブラリー」[9] を自社サイトに開設した。
主な出版物
[編集 ]- 児童書(読み物・絵本)
- 『かわいそうなぞう』(土家由岐雄)
- 『ガラスのうさぎ』(高木敏子)
- 『ハッピーバースデー 命かがやく瞬間』(青木和雄)
- 『へんしん』シリーズ(あきやまただし)
- バージェス・アニマル・ブックス
- 児童書(学習・実用)
- 「国語力アップ めざせ!日本語クイズマスター」シリーズ(編集:北原保雄)
- 「考えよう!地球環境 身近なことからエコ活動」シリーズ(監修:環境情報普及センター)
- 「障害を知ろう!みんなちがって、みんないい」シリーズ
- 「まんが 超おもしろ!なんでも百科」シリーズ(監修:米村でんじろうほか)
- 「強くなる! 超カンタン将棋入門」シリーズ(監修:日本将棋連盟 著:川北亮司)
- 「よくつれる! 超カンタンつり入門」シリーズ(監修:矢口高雄)
- 一般書
- 『ガラスのうさぎ』:未来への伝言 平和の語り部 高木敏子の軌跡 DVD付
- 『ハッピーになれる バースデー占い』(著:鏡リュウジ)
- 『ハッピーバースデー』(『ハッピーバースデー 命かがやく瞬間』の一般書版)
- 『わかもとの知恵』(著:筒井康隆 画:きたやまようこ)
- 奥薗壽子の子どものための簡単レシピシリーズ
『金の船』誌・『金の星』誌で発表された作品
[編集 ]金の船
[編集 ]1920年
[編集 ]1921年
[編集 ]金の星
[編集 ]1924年
[編集 ]1925年
[編集 ]脚注
[編集 ]- ^ 小林弘忠「『金の船』ものがたり」毎日新聞社、2002年3月。
- ^ 『金の船』大正八年十一月号、キンノツノ社、1919年11月1日。
- ^ a b c d e f 「子どもの本100年 子ども達のために」『会社案内』株式会社金の星社。
- ^ a b c d 「『金の船』が六月号より『金の星』と変はつた事について読者の皆様に申し上げます」『金の星』大正十一年六月号(ノンブルなし)、金の船社、1922年6月1日。
- ^ その後キンノツノ社の経営は横山の手を離れ、『金の船』誌は越山堂キンノツノ社、越山堂、資文堂書店と発行所が変わり、末期には横山も「横山銀吉」名義で編集に関わった。資文堂書店はのち文芸・趣味実用書の出版社として1930年代半ばまで活動したとみられている。
- ^ 「社名が変りました」『金の星』大正十二年正月号、p.100、金の星社、1923年1月1日。
- ^ 伊藤小穂 「『金の船』にみる大正期児童雑誌の読者像 」 筑波大学情報学群 知識情報・図書館学類 2013年度卒業論文。
- ^ 「編輯室より」『金の星』昭和三年四月号、p.146、金の星社、1928年4月1日。
- ^ ほるぷ出版が1983年に復刻出版したものを国立国会図書館がデジタル化したデータの提供を受けた。
- ^ a b c d e 野口雨情の歌詞