コンテンツにスキップ
Wikipedia

近似アルゴリズム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(近似度から転送)

近似アルゴリズム(きんじアルゴリズム、: approximation algorithm)とは、組合せ最適化問題の近似解を得るためのアルゴリズムを言う[1] [2] [3] [4] 。近似解とは、実行可能解(かつ問題の何らかの制約を満たす解)ではあるが、正解(厳密解)ではないものを言う。これは組合せ最適化問題の正解(すなわち最適解)であることが(厳密には)保証されないところの解を得るものである。なお、問題を変形した近似問題に対する正解を得るアルゴリズムも、元の問題に対する近似アルゴリズムと言える。

概要

[編集 ]

近似アルゴリズムの中でも、そのアルゴリズムの出力する解の目的関数値と最適解の目的関数値の比(近似度)がある範囲内に収まることが保証されているもののことを特に、精度保証付き近似アルゴリズムと呼ぶ。そのような保証のないアルゴリズムは発見的手法(ヒューリスティクス)と呼ばれる。前者と後者を区別し、前者のみを近似アルゴリズムと呼ぶ場合もある。

近似アルゴリズムは、主に多項式時間で厳密に解くことが難しいNP困難問題に対して考えられるが、多項式時間で計算可能な問題に対しても、より早い計算時間で解を求めるという目的で用いられることもある。アルゴリズム理論の分野においては近年の中心的話題のひとつで、さまざまな問題に対する近似アルゴリズムが考案されている。また、可能な近似度の下界値を示す近似不可能性に関する結果も多く得られており、PCP定理などが有名。

例えば、最小頂点被覆問題には近似度2の単純なアルゴリズムが存在するが、近似度が定数の多項式時間アルゴリズムがないと考えられている問題もある。

関連項目

[編集 ]

参照

[編集 ]
  1. ^ David P. Williamson; David B. Shmoys (2011). The Design of Approximation Algorithms. ISBN 978-0521195270  
  2. ^ V.V.ヴァジラーニ:「近似アルゴリズム」、丸善出版 (2012年7月17日)
  3. ^ J. ホロムコヴィッチ:「計算困難問題に対するアルゴリズム理論: 組合せ最適化・ランダマイゼ-ション・近似・ヒュ-リスティクス」、丸善出版 (2016年1月10日)
  4. ^ 浅野孝夫:「近似アルゴリズム: 離散最適化問題への効果的アプローチ」、共立出版 (2019年6月27日)
非線形(無制約)
... 関数
勾配法
収束性
準ニュートン法
その他の求解法
... ヘッセ行列
非線形(制約付き)
一般
微分可能
凸最適化
凸縮小化
線型 および
二次
内点法
ベイズ- 交換
組合せ最適化
系列範例
(Paradigms)
グラフ理論
最小全域木
最大フロー問題
メタヒューリスティクス
ソート
比較ソート
線形時間ソート
並行ソート
非効率的
グラフ
探索
リスト
グラフ
文字列
最短経路問題
最小全域木
最大フロー問題
最小カット問題
線型計画問題
順序統計量
計算幾何学
種類
その他
カテゴリ

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /