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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ギリシア文字 | |||
---|---|---|---|
Αα | アルファ | Νν | ニュー |
Ββ | ベータ | Ξξ | クサイ |
Γγ | ガンマ | Οο | オミクロン |
Δδ | デルタ | Ππ | パイ |
Εε | エプシロン | Ρρ | ロー |
Ζζ | ゼータ | Σσς | シグマ |
Ηη | イータ | Ττ | タウ |
Θθ | シータ | Υυ | ウプシロン |
Ιι | イオタ | Φφ | ファイ |
Κκ | カッパ | Χχ | カイ |
Λλ | ラムダ | Ψψ | プサイ |
Μμ | ミュー | Ωω | オメガ |
使われなくなった文字 | |||
( ) |
ディガンマ | サン | |
ヘータ | ショー | ||
ギリシアの数字 | |||
スティグマ | ( ) |
サンピ | |
( ) |
コッパ |
Π, π(パイ、ピー、古代ギリシア語: πεῖ ペー、ギリシア語: πι ピ、英語: pi [paɪ] パイ)は、ギリシア文字の第16番目の文字。/p/音を表す。数価は80。
ラテン文字の P 、キリル文字の П はこの文字に由来する。
音価
[編集 ]通常 [p] 音を表す。また現代ギリシア語で μπ の組み合わせは 、/b/ (語頭において)または /mb/ (その他の場所において)を表す。
起源
[編集 ]フェニキア文字 𐤐 (ペー)に由来する。
文字名称も古くはセム語名に由来するペーだったが、紀元前4世紀末ごろに[eː]から[iː]への変化が起きたためにπῖ(ピー)と呼ばれるようになった[1] 。
記号としての用法
[編集 ]- 一般に小文字で書いて円周率 を表す。ギリシア語 περίμετρος[2] [3] [4] (ペリメトロス)あるいは περιφέρεια[5] (ペリペレイア、ペリフェーリア)の頭文字から取られた[注 1] 。いずれも周辺・円周・周などを意味する。
- 基点付き空間 (X, x) の n 次ホモトピー群を πn(X, x) と表す。
- 数学で、π(N) のように書いて、素数計数関数を表し、N 以下の素数の個数を示す。
- 数学で、大文字で用いて集合族の直積 や数列の積 (product) を表す。 例:
- {\displaystyle \prod _{i=1}^{n}a_{i}=a_{1}\times a_{2}\times \cdots \times a_{n}}
- 大文字でルート系の単純ルートの集合。
- 数学で、p進体の素元を表す。
- 数学で、保型表現を表す。
- 素粒子物理学で、パイ中間子 を表す。
- 場の理論(場の古典論、場の量子論)では、場に共役な運動量を表す。
- 化学で、浸透圧 を表す。
- 「π結合 」(化学)
- 数文字としては、80 を表す。
- ミクロ経済学で、Πは利潤関数などで利潤を表す。
- マクロ経済学で、πはフィッシャー方程式などで期待インフレ率を表す。
なお、直径を表す記号⌀( )(まる)の代用記号で一般に「パイ」と呼称されている記号には Φ が用いられているため、混用に注意する必要がある(「パイ」は「ファイ」の転訛)。
異字体
[編集 ]π の異字体 {\displaystyle \varpi } (TeX では \varpi
) は、以下のような値を表す記号として使われる。
符号位置
[編集 ]大文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 小文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Π | U+03A0
|
1-6-16
|
Π Π Π
|
π | U+03C0
|
1-6-48
|
π π π
|
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
ϖ | U+03D6 |
- |
ϖ ϖ ϖ |
GREEK PI SYMBOL |
∏ | U+220F |
- |
∏ ∏ ∏ |
(数学記号) |
脚注
[編集 ][脚注の使い方]
注釈
出典
- ^ Allen (1987) p.170
- ^ 日本数学会 2007, pp. 94–95.
- ^ Boeing, Niels (14 March 2016). "Die Welt ist Pi" (ドイツ語). Zeit Online. http://www.zeit.de/zeit-wissen/2016/02/pi-tag-mathematik-pi-kreiszahl .
- ^ 世界大百科事典 第2版『円周率』 - コトバンク。2016年6月19日閲覧。
- ^ Simon Singh The Simpsons and Their Mathematical Secrets
- ^ "πの文字使用について". 円周率.jp. 2016年6月18日閲覧。
参考文献
[編集 ]- W. Sidney Allen (1987) [1968]. Vox Graeca (3rd ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521335558