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土系舗装

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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土系舗装の施工例
(参考)施工前の状態

土系舗装(どけいほそう)とは、天然のと、それらの粒子を結合する結合剤との混合物により構成される舗装。一般的なコンクリートアスファルトを主とした舗装とは異なる特性を持つ。

特徴

土系舗装は天然の土壌が持つ弾力性や保水性を残しており、衝撃の吸収や路面温度の安定化に寄与する舗装である。特に路面温度の上昇を抑える効果が高く、ヒートアイランド現象の対策として注目されている。また周囲の自然環境に調和しやすいため、公園遊歩道、歴史的建造物の周囲など景観を重視する用途でも採用されている。

使用される土および砂と結合剤の組み合わせにより、用途に応じて様々な種類がある。土は他所から持ち込まれる(客土)場合と、現地で採掘されたものが使われる場合とがある。使われる土は真砂土などである[1] [2] 。また、産業廃棄物リサイクル素材から作られているものもある[3] 。結合材としてはセメント系、アスファルト系、石灰系、樹脂系の他、酸化マグネシウムなども使われる[4] ゼオライトを混合して強度を調節する場合もある[2]

利点・欠点

土系舗装の利点は、前述の特徴の通り衝撃吸収性が高く、歩行者に優しいことである。自然環境にも調和し、舗装に要するコストも低い[5] [6] 。硬化速度が速く、30分程度で硬化するものもあり、施工後の養生日数を短縮できる[3] 。施工や後の維持管理に要求される技術レベルも比較的低い[3]

欠点としては、舗装面の強度がコンクリートやアスファルト等に比べて劣るため磨耗しやすく、環境変化や経年変化に弱い点が挙げられる[5] 。特に舗装面の剥離が起こると、利用者の心理的要素も含めて歩き心地が大幅に低下する[5] 。強度上の理由から、一般に土系舗装は車両の通行には適さない[3] [1] [2] 。また豪雪地帯や、頻繁に路面が凍結する地方では土系舗装が向かない場合がある[2] 。これは舗装の透水性が高く、間隙水凍結の影響を受けやすいためである。

施工時の注意点としては、雨天や降雪を避けること[3] [2] 、凍結するほどの低温では施工に支障をきたすこと[1] [2] 、施工できる法面の面積や斜度に限界があること[1] [2] などがある。

用途

整地や雑草対策を目的として使われる[注 1] 。公園や遊歩道の舗装の他、運動場競技場サイクリングロードなど屋外のスポーツ施設の整備にも利用される。防草目的では道路の中央分離帯にも使われる。またガーデニングDIYの一環として、個人宅の庭や周囲に施工されることもある[7] 。個人用途のものは「固まる土」などの名称で販売されている。

脚注

注釈

  1. ^ ただし草種によっては防げない。

出典

  1. ^ a b c d NETIS TH-040023
  2. ^ a b c d e f g NETIS QS-070010
  3. ^ a b c d e NETIS HR-060005
  4. ^ 小松崎孝志、松田豊「酸化マグネシウム系固化材による土系舗装」『地盤工学会誌』第58巻第4号、2010年、34-5頁。  CiNii
  5. ^ a b c 佐藤ら(2002)
  6. ^ 川上・久保(2008)
  7. ^ 住まい自分流 庭まわりスッキリ 固まる土 - NHKアーカイブス

参考文献

関連項目

外部リンク

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