防弾盾
防弾シールド(ぼうだん - 、Ballistic shields、tactical shields、bulletproof shields)は、防弾盾やバリスティック・シールドとも呼ばれ、警察や準軍事組織、軍隊に配備されていて、それを装備している者に向けて放たれた弾丸やその他の投射物を止めたり、そらしたりするように設計されている保護具である。
また、防弾シールドは深刻な脅威とはなりにくい物が投げられた際にも身体の保護に役立つ。
暴徒鎮圧用のライオットシールドに類似しているが、より高い保護機能を備えている。通常、特殊部隊での使用が想定され、暴徒鎮圧用の盾が十分な保護機能を提供できないような状況でも使用される[1] 。
概要
一人で持てる程度の小さな盾は「パーソナルシールド(personal shields)」と呼ばれ、米国ではパトカーに標準装備されている場合がある。
盾を使用するかどうかは、使用する側の方針や個々の状況によって異なる。盾の使用に関しては、防衛的な状況、例えば周辺を固めて応援を待つような場合に限られる方針を採っている警察もあれば、一方で、リスクの高い検問や危険とみなされる容疑者への接近など攻撃的な状況での使用を許可する場合も警察もある[2] 。
警察用の防弾シールドには、長時間持っていても疲れない機構や、シールドを持ったまま拳銃をリロードでき、片手でも正確に発射できる特徴を備えていることが推奨されている。これは、片手に防弾シールドを持つと、もう片方の手で使える銃器の種類や射撃方法に制限が加えられてしまうからである[2] 。
構造
防弾シールドはボディアーマー内の防護板に似た構造で、超高分子量ポリエチレンかアラミドを原材料とする繊維強化プラスチック複合材料で作られるのが一般的である[3] 。セラミックアーマー (英語版)のように、外表面にセラミック層を設け、鉄芯の徹甲銃弾 (英語版)に対抗できるようにしたものもある。
防弾ベストとは異なり、身体に直接触れないように設計されているため、防弾シールドで阻止できた弾丸がシールドを構える者に外傷や痛みを与えることはない[2] 。
機能・タイプ
防弾ガラス窓や左右どちらでも構えることが可能な持ち手、夜間用スポットライトなどの機能を持ち、手で持つタイプから車輪付きのフレームに装着するタイプまで存在する。
サイズ
また、上半身だけを守るものから全身を守るものまで、大きさもさまざまである[1] 。
関連項目
- SWAT-Bot:Howe & Howe Technologies社が開発・製造している移動式人員防護シールド
- Mobile personnel shield:第一次世界大戦の塹壕戦で実験的に採用された移動式人員シールド。
- 防弾
脚注
- ^ a b Bhatnagar, Ashok (2016). Lightweight Ballistic Composites: Military and Law-Enforcement Applications. Woodhead Publishing. p. 214. ISBN 978-0081004258 . https://books.google.com/books?id=qZPBCQAAQBAJ&pg=PA214
- ^ a b c Armellino, Rick (March 9, 2010). "How to buy personal shields". PoliceOne. 2014年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月6日閲覧。
- ^ Ganor, Jake (2021). Body Armor and Light Ballistic Armor Materials and Systems (1 ed.). Adept Press. ISBN 979-8985020212