コンテンツにスキップ
Wikipedia

アウトメドーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2023年2月22日 (水) 13:34; DragoBot (会話 | 投稿記録) による版 (Bot: 保護テンプレートの除去)(日時は個人設定で未設定ならUTC)

DragoBot (会話 | 投稿記録)による2023年2月22日 (水) 13:34時点の版 (Bot: 保護テンプレートの除去)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
アンリ・ルニョーの1868年の絵画『アウトメドーンとアキレウスの馬』。ボストン美術館所蔵。

アウトメドーン(古希: Αὐτομέδων, Automedon)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してアウトメドンとも表記される。ディオーレースの子[1] [2] アキレウス戦車の御者であり[3] [4] パトロクロスからはアキレウスに次いで大事にされていた。トロイア戦争ではスキューロス島の軍勢10隻を率いて参加した[5]

神話

[編集 ]

アウトメドーンはギリシア軍の窮状を見かねたパトロクロスがアキレウスの武具をまとって出陣する際、アキレウスの不死の馬クサントスバリオス、およびペーダソスを戦車につないだ[6] 。そしてパトロクロスの戦車の御者として出陣し、パトロクロスの数々の戦功を支えた。パトロクロスがヘクトールに討たれた後は不死の馬を御することができずに、馬たちが走るままに戦列を離れたが、そのおかげで追いすがるヘクトールから逃れることができた[7] 。アウトメドーンはアキレウスが討たれたと思って悲しむ馬たちをなかなかなだめることができずにいたが、大神ゼウスが馬たちに力を吹き込んだため、再び戦列に加わって戦った。しかし馬を御しながら槍を振るわなければならなかったため、敵を討つことができなかった。そこにミュルミドーン勢の同僚のアルキメドーンが現れたため、彼に手綱を預けて自ら槍を振るって戦った。ヘクトールとアイネイアースがアキレウスの不死の馬に気づいて奪わんとしたときは、メネラーオス大アイアース小アイアースに呼びかけて守ってもらいつつ、アトレスを討ち取り、ヘクトールの投じた槍を躱してアレトスの武具を奪った[8] 。パトロクロス死後、アウトメドーンはアルキモスとともにアキレウスによって特に重用された[9] 。アキレウスの死後はネオプトレモスの御者を務めた[4]

脚注

[編集 ]
  1. ^ 『イーリアス』17巻429行。
  2. ^ 『イーリアス』17巻474行。
  3. ^ クレータのディクテュス、2巻34。
  4. ^ a b 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.10a。
  5. ^ ヒュギーヌス、97話。
  6. ^ 『イーリアス』16巻145行-154行。
  7. ^ 『イーリアス』16巻862行-867行。
  8. ^ 『イーリアス』17巻474行以下。
  9. ^ 『イーリアス』24巻575行。

参考文献

[編集 ]
ウィキメディア・コモンズには、アウトメドーン に関連するカテゴリがあります。
イーリアスの登場人物
ギリシア軍
総司令官
武将
捕虜
トロイア軍
トロイア王
武将
長老
女性ほか
カテゴリ カテゴリ

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /