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大平光代

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大平 光代(おおひら みつよ、1965年 10月18日 - )は日本の弁護士、元大阪市 助役大阪弁護士会所属。

略歴

兵庫県 西宮市生まれ。母方の祖母の実家は浄土真宗本願寺派(西本願寺)で、家には仏壇があった。家の引っ越しにともなって中学1年の7月に転校したことがきっかけになり、いじめに遭う。クラス中から無視されたり、筆箱やお守りなどの私物をゴミ箱に捨てられたり、トイレに入れば上から水をぶちまけられたり、机の上にごみを山盛りにされたりする。中学2年の冬、追い込まれて割腹自殺を図るが未遂に終わり、救命される。その後「学校に戻りたくない」と訴えたが、両親からは「恥ずかしいから学校にだけは行って」と言われる。親と担任から「もう解決したから安心して」と言われ、元の学校に戻ることを強要される。中学3年の新学期に復学すると、それまで以上にいじめられる。

学校にも家庭にも「居場所がない」と感じ、非行に走る。14歳のとき暴走族に入り、しばらくして暴力団の世界に入る。16歳のとき、もう暴力団の世界から出ない、ここで生きていくという覚悟を示すために、彫り師に頼んで"観音様に蛇"の刺青を入れてもらう。その年に組長と結婚し、その後離婚する。21歳のとき、組を離れて大阪・北新地クラブホステスとして働き始める。

しばらくして、父の友人である大平浩三郎と再会する。浩三郎はのちに光代の養父となる。浩三郎の強い勧めで立ち直る決意をし、猛勉強を開始。38歳になるまでの17年間、毎月1人で宝塚市にある清荒神にお参りする。22歳の秋、宅建試験に合格する。その後、司法書士試験に合格。近畿大学法学部通信教育課程に入学。同大学3年の29歳のとき最難関の司法試験に1年間の猛勉強の末一度で合格。弁護士として非行少年の更生に努める。弁護士としてかかわった非行少年は100人を超える。[要出典 ]2000年、波乱の半生を描いた自伝『だから、あなたも生きぬいて』(講談社)を公表する。本書は260万部を超えるミリオンセラーとなる。

2003年12月、市長当選から間もない關淳一大阪市長(当時)から助役就任を要請され、女性初の大阪市助役に就任する。異例の市役所外部からの人事として話題となる。翌年3月まで給料を全額返上して行政の勉強に集中する。その間の睡眠時間は毎日2〜3時間だった。[要出典 ]就任直後から「働いていない職員が裏金から給料を何千万円も取っている」、「職員採用時に一部の市議会議員が口利きをして一人あたり数百万円もらっている」といった内部告発の情報が入ってくる。助役就任中の2004年秋、大平は中央仏教学院通信教育部専修課程(3年制の通信コース)に入学し、その後卒業する。同年12月、大阪市の職員厚遇問題(カラ残業や、ヤミ年金・退職金の積み立て等、不正な金の流用)が発覚し、大々的に報道される。關市長はこの問題を解決するために大阪市福利厚生制度等改革委員会を設置する。市長から電話で委員長への就任を要請され、大平はそれを引き受ける。[1] 大平は市政改革に奔走するが、既得権益を手放したくない職員や議員の反発に遭う。朝出勤したら、机の上に「おまえは何様や」などと書かれた誹謗中傷の文書が置かれていた。「大平助役は水商売のお姉ちゃんもびっくりするような派手な格好で暴力団と密会していた」という内容の怪文書が流れたが、密会していたと言われていた当時は連日深夜まで会議だった。2005年4月1日、都市経営諮問会議を市改革委員会と統合し市政改革本部が発足、大平が本部長代行に就任[2] [3] [4] 。同年10月17日自民党公明党の市議会議員の反発を受け、關市長の辞任にともない助役を辞任。辞任直後、先輩弁護士と再婚する。關は出直し選挙で再選する。2006年 1月6日、大阪市法律 顧問(法令遵守担当)に就任することが市から発表される。それに対し自民党と公明党の市議会議員が反発する。翌7日、大平は就任を辞退。

1月下旬に妊娠していることがわかる。[要出典 ]9月3日、帝王切開で女児を出産。女児はダウン症、肺高血圧症、心臓病(心室中隔欠損症、心房中隔欠損症)、白血病(一過性骨髄異常増殖症)と診断される。出産後、大平は壊疽性膿皮症(えそせいのうひしょう)による高熱が続き、呼吸困難に襲われるなど、起き上がることもできない状態になる。2008年6月、家族と丹波地方の山間の地に移り住む。

2009年4月、龍谷大学客員教授に就任。同年7月27日、竹中ナミとともに「村木厚子さんの完全な名誉回復を願うサイト」を開設する[5]

2013年、「Think Kids(シンクキッズ)こどもの虐待・性犯罪をなくす会」顧問に就任[6]

学習方法

集中力を高める方法

大平は、次の方法で集中力を高め、計画を達成していると述べている[7]

  1. あれもこれも一度にしようと思わない。
  2. したいと思うことを全部紙に書き出す。
  3. 書き出したものに優先順位をつける。
  4. いちばんしたいことが決まったら、それをするためにはどうすればよいのかを考え、紙に書き出す。
  5. それをするのに必要なものだけをそろえる。
  6. 必要なもの以外、目にはいるところには置かない。
  7. すべてにおいて無理な計画は立てない。

暗記のために必要最低限のこと

大平は、暗記のために必要最低限のことは次の2つだと述べている[8]

  1. 繰り返す。
  2. 関連づけて覚える。

効率良く勉強する一番のコツ

大平は効率良く勉強する一番のコツについて、「遠回りのように見えても、基礎をきっちり学ぶほうが知識が定着し、応用もきくので効率がいい」、「何と言っても最初に基礎をきちんと身につけることです」と述べている[9]

愚痴道

大平は弁護士時代に飲み友達と次の作法で「そりゃあ、わかるわ」「むかつくわ」などと共感し合い、愚痴ることでストレスを解消していた[10]

  1. やってはいけないのは、愚痴っている人の言い分を否定すること。
  2. 常識はずれの意見であったとしても否定はせず、「そうやろうなあ、わかるわ」といったん肯定。
  3. そのうえで「でも、会社としてはどうなんやろうなあ」とやんわり別の角度からの言葉をはさむ。

雑誌連載

婦人公論

連載タイトル 掲載
今日を生きる 2008年3月22日号 - 2009年3月7日号
陽だまりの時間 2009年5月7日号 - 2010年8月22日号
大平光代の論語的生活 2011年3月7日号 - 2012年2月22日号

大乗

連載タイトル 掲載
ひかりの中で 0- 2011年3月

著書

単著

  • 『だから、あなたも生きぬいて』講談社、2000年2月。ISBN 9784062100588 
  • 『あなたはひとりじゃない ― 悩める母たちへ子供たちへ』光文社、2001年5月。ISBN 9784334972981 
  • 『応援します、あなたの旅立ち―大平流「独学」のすすめ』講談社、2002年2月。ISBN 9784062111386 
    • 『働く女性の人生を変える英語勉強法―欲ばって自分の夢をかなえる!』三笠書房〈知的生きかた文庫―わたしの時間シリーズ〉、2011年8月。ISBN 9784837979555  - 『応援します、あなたの旅立ち』を再編集のうえ改題したもの。
  • 『今日を生きる』中央公論新社、2009年7月。ISBN 9784120040399 
    • 『今日を生きる』中央公論新社〈中公文庫〉、2012年7月。ISBN 9784122056640 
  • 『ひかりのなかで―私の子育て・仏教・田舎暮らし』本願寺出版社、2010年6月。ISBN 9784894167162 
  • 『陽だまりの時間』中央公論新社、2010年9月。ISBN 9784120041532 
  • 『大平光代のくじけない生き方―"自分らしい"幸せをつかむ75のヒント』三笠書房、2012年4月。ISBN 9784837924388 
  • 『大平光代の"子育てに効く"論語』中央公論新社、2012年7月。ISBN 9784120044045 

共著

絵本

  • 『はるちゃんのいただきます』村上祐喜子 絵、本願寺出版社、2010年6月。ISBN 9784894167179 
  • 『ひかりの里のハル』おおひら みつよ ステンドグラス制作・撮影・文、本願寺出版社、2010年10月。ISBN 9784894167186 

漫画原作

  • 『あなたなら、どうする』高里むつる 漫画、講談社、2004年4月。ISBN 9784062123570 

脚注

  1. ^ 大阪市市政 大阪市福利厚生制度等改革委員会
  2. ^ 共同通信 2005年3月31日
  3. ^ 大阪市内.pdf
  4. ^ 毎日新聞 9月28日
  5. ^ 障害者団体向け割引郵便制度悪用事件」を参照。
  6. ^ 児童虐待防止訴えシンポジウム 現状と課題探る 神戸新聞 2013年2月3日
  7. ^ 『働く女性の人生を変える英語勉強法』三笠書房〈知的生きかた文庫―わたしの時間シリーズ〉、2011年、9および168 - 170頁
  8. ^ 『働く女性の人生を変える英語勉強法』三笠書房〈知的生きかた文庫―わたしの時間シリーズ〉、2011年、126-128頁
  9. ^ 『大平光代のくじけない生き方―"自分らしい"幸せをつかむ75のヒント』2012年、181 - 182頁
  10. ^ 『今日を生きる』中央公論新社〈中公文庫〉、2012年、92 - 93頁

参考

映像

外部リンク

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