拘禁反応
拘禁反応(こうきんはんのう)とは、刑務所や、拘置所など、強制的に自由を疎外される環境下で見られる人格反応を指す。
強制収容所や、捕虜収容所にも見られる。
種類
1・拘禁性神経症
2・精神身体疾患
a・パロール神経症 ※(注記)1
b・拘禁性無月経症 ※(注記)2
3・原始反応
a・爆発反応
b・短絡反応→衝動的自殺傷
c・レッケの拘禁混迷
4・反応性朦朧状態
a・的外れ応答 ※(注記)3→ガンゼル症状群とも称する。
b・ヒステリー ※(注記)4
5・反応性気分変調
a・鬱状態
b・死刑確定囚の気紛れ状態※(注記)5
c・不機嫌状態
6・反応性抑鬱状態
a・心気症
b・確信犯的自殺傷
7・反応性妄想状態
a・闘争妄想群:好訴妄想
無罪妄想
b・願望妄想群:赦免妄想
革命妄想※(注記)6
c・被害妄想群:ビルンバウムの妄想様構想
被毒妄想
注察妄想
d・その他 :否定妄想
空想妄想
8・詐病 ※(注記)7
9・その他 (カンゴク太郎 ※(注記)8、処遇困難者)
拘禁反応の明確な分類や種類は精神医学診断の権威であるDSM(アメリカ精神医学会による精神障害の診断と統計の手引き)にも記載がなく、専門書などにも公式な分類は記載されていないので、各専門書を総覧し拾い出したものであることを付記しておく。その分類は投稿者によるものである。
【参考文献】
※(注記)1 栗原徹郎『中野刑務所における仮釈神経症について』矯正医学12巻特別号10頁:1963年
※(注記)2 高沢勝英ほか『環境の変化が月経に及ぼす影響・第4報』矯正医学10巻特別号100頁:1961年
※(注記)3 中田修『的はずれ応答とスネル』犯罪学雑誌39巻156頁:1973年
※(注記)4 野村章恒『心因性精神病、殊ニ拘禁性精神病ニ関スル臨床的知見』精神神経学雑誌41巻3号1頁:1937年
※(注記)5 小木貞孝『拘禁状況の精神病理』異常心理学講座第V巻 みすず書房 東京 1974年
※(注記)6 中田修『奇跡を信ずる死刑囚』犯罪学雑誌25巻146頁:1959年
※(注記)7 佐藤愛『詐病の心理ー拘禁場面に於ける問題としてー』矯正医学6巻4号61頁:1957年
※(注記)8 樋口幸吉『パネルディスカッション「拘禁」』矯正医学9巻特別号29頁:1960年
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