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御殿場事件

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御殿場事件(ごてんばじけん)とは、静岡県 御殿場市御殿場駅近くで2001年 9月に発生したとされる集団強姦未遂事件。被害者の証言に不可解な点もあり、被告人側は、強姦事件そのものが存在しない架空の事件であり冤罪であると主張している。

事件の発覚

2001年9月16日の深夜に女子高校生(当時)が帰宅。母親に、遅くなった理由を「強姦された」と説明したため、静岡県警察 御殿場警察署に被害届が提出された。

当初の事件の内容

発生日時
2001年9月16日の午後8時頃。
概要
部活動から帰宅中の女子高校生が、中学時代の同級生(被告人少年ら)に無理矢理手首をつかまれ御殿場駅から公園まで連行された。公園内で1時間ほど話をした後、被告人少年ら(10人)に強姦された。

変更後の事件の内容

発生日時
2001年9月9日
概要
中学時代の同級生(被告人少年ら)に声をかけられ、うれしくてついていった(強制ではない)。
強姦ではなく強姦未遂。

少年審判

逮捕された10人のうち9人(AないしI)に対して、2002年4月、静岡家裁沼津支部(姉川博之裁判長)は、

  • AないしDに対して、検察官送致
  • EないしHに対して、少年院送致
  • Iに対して、試験観察処分

を言い渡した。

残るJは、2004年3月、同支部の別の裁判官により、不処分の審判を言い渡された。

裁判の経緯

少年らのアリバイ

連日の取り調べで、逮捕された被告人少年らは9月16日の夜に犯行に至った事を自白した。しかし、裁判では「自白は強要されたものである」と一転して無罪を主張する。

9月16日の午後8時頃、被告人少年らは、

  • 別の友人たちと飲食店に居た(従業員の証言や、注文伝票による)。
  • アルバイトのタイムカードの記録。

などのアリバイがある事から「犯行は不可能である」と主張した。

女子高校生のアリバイ(デート中)

女子高校生は、犯行があったとされる時間帯には御殿場駅ではなく富士駅におり、別の男性とデートをしていた事が判明した(携帯電話の通話記録から判明)。デートをしていた男性も証人として裁判に出廷している。このことが判明した後、被告人側は保釈を申請し認められた。

事件発生日の変更

女子高校生は、事件があったとされていた2001年9月16日に男性とデートしていた事は認めたが、事件そのものは否定せず同年9月9日に被害に遭ったと主張。

  • 嘘をついた理由は、「親に男性とデートをしていた事を知られたくなかった」ため。

検察側は犯行日そのものを変更するという異例の訴因変更請求を行い、裁判所も請求を認めた。

事件日の変更の問題点

9月9日に犯行日が変更されたことにより、16日に犯行に及んだという被告人少年らの自白調書と矛盾する事になった。

被告人側は、このことは、警察が自白を強要したことを裏づけるものであると主張した。また、女子高校生の新しい供述と被告人少年らの自白調書の内容との矛盾点も多く、この事件は冤罪事件ではないかと見る者もいる(長野智子など)。

事件日(変更後)の天候

9月9日に犯行日が変更されてアリバイを証明できなくなった被告人側は、犯行当日の天候に注目した。 女子高校生は「犯行日は雨も降っておらず着衣も濡れなかった」「傘を差していた記憶もない」と証言していた。しかし、当日は台風が接近して大雨洪水警報が発令中であり、御殿場市周辺では雨が降っていた。「犯行現場の公園だけ雨が降らなかったはずがない」と被告人側は主張した。

  • 事件現場から約500m離れた雨量計は「2mm以上の雨があった」と記録している。
  • 事件現場から約200m離れた場所での交通事故の資料でも「雨が降っていた」と明記されている。

判決

一審(静岡地裁沼津支部)

2005年 10月27日の一審判決では懲役2年の実刑判決が下された。高橋祥子裁判長(定年退官のため姉川博之裁判長が代読)は、「女子高校生は日時について嘘をついていたが、その理由は了解できるものであり、変更後の供述内容は十分信用できる」として女子高校生の証言を全面的に支持。天候の件は、裁判で重要な争点になることはなかった。被告人側は即日控訴し、保釈されている。

二審(東京高裁)

2007年 8月22日控訴審判決では、一審判決を破棄し、改めて懲役1年6月に減刑された実刑判決がなされた。中川武隆裁判長は、被害者の供述について、申告には問題があったが、日付を除いてほぼ一貫しているとして信用性を認め、被告人側の主張は退けられた。天候の件は事件現場周辺の2カ所の雨量計が0ミリであったので、事件現場で雨が降っていたとは言い切れないとした。被告人側は即日上告している。

論争

  • 事件発生日が9月16日から9月9日に変更されたが、調書などの資料は16日の物が使用されている。
  • 裁判が進むにつれて、被害にあったとされる女子高校生の矛盾も見つかっている。
  • 天候を記録していた近隣の店舗や施設(犯行があったとされる公園管理事務所や花屋などはいずれも「雨」と記録)との矛盾も指摘されている。
  • 裁判の証拠として採用された雨量記録のうち、現場付近で雨が降っていない根拠とされた2カ所の雨量記録は、警察の記録間違いで実際は雨が降っていたことが判明し、警察による捏造が疑われている。

関連項目

外部リンク

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