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涼宮ハルヒシリーズ/log20090701

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曖昧さ回避 この項目では、ライトノベル「涼宮ハルヒ」シリーズ、およびそれを原作とする漫画作品「涼宮ハルヒの憂鬱」について説明しています。ライトノベル「涼宮ハルヒ」シリーズを原作としたテレビアニメについては「涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)」をご覧ください。

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涼宮ハルヒシリーズ
ジャンル 学園小説SFセカイ系
小説
著者 谷川流
イラスト いとうのいぢ
出版社 角川書店
その他の出版社
中華民国の旗 香港の旗 台湾国際角川書店

大韓民国の旗 テウォンC&Aホールディングス

タイ王国の旗 ボンゴット出版
掲載誌 ザ・スニーカー
レーベル 角川スニーカー文庫
刊行期間 2003年 - 継続中
巻数 既刊9巻
漫画:
涼宮ハルヒの憂鬱
原作・原案など 谷川流
作画 みずのまこと
出版社 角川書店
掲載誌 少年エース
発表期間 2004年5月 - 12月
巻数 全1巻
漫画:
涼宮ハルヒの憂鬱
原作・原案など 谷川流
作画 ツガノガク
出版社 角川書店
その他の出版社
中華民国の旗 香港の旗 台湾国際角川書店

大韓民国の旗 テウォンC&Aホールディングス タイ王国の旗 ボンゴット出版

掲載誌 少年エース
発表期間 2005年 9月26日 - 連載中
巻数 既刊6巻
漫画:
涼宮ハルヒちゃんの憂鬱
原作・原案など 谷川流
作画 ぷよ
出版社 角川書店
掲載誌 少年エース、ザ・スニーカー
発表期間 『月刊少年エース』2007年9月号 - 連載中

『ザ・スニーカー』2007年10月号 - 連載中

巻数 既刊1巻
テンプレート - ノート

涼宮ハルヒシリーズ(すずみやハルヒシリーズ)は、角川スニーカー文庫から刊行されている谷川流ライトノベル。また、これを原作とする漫画アニメ作品である。

原作のイラストいとうのいぢ

概要

女子高生のヒロイン、涼宮ハルヒが、「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」を目的に設立したクラブ「界をいに盛り上げるための宮ハルヒの」(通称:SOS団)のメンバーを中心に展開する、「ビミョーに非日常系学園ストーリー」。

物語は、主人公である男子高校生・キョンの視点から一人称形式で進行する。地の文は、キョンの心の中の言葉である場合とキョンのセリフである場合がある。

第1巻『涼宮ハルヒの憂鬱』は、2003年6月の出版。(著者の文庫デビュー作でもある『学校を出よう!』1巻と同時発売)。電撃小説大賞に『学校を出よう!』の元となる作品を投稿した後、その反省を踏まえて3週間で『涼宮ハルヒの憂鬱』を書きあげ、角川スニーカー大賞に投稿、大賞を受賞[1] 。シリーズ9作で累計500万部(2008年3月現在)の売上げを記録した。また、『このライトノベルがすごい!』2005では作品部門ランキングで第一位を獲得した。

原作は既刊9巻(2008年5月現在)。単行本の表題は『涼宮ハルヒのしろまるしろまる(漢字2文字)』(以下、既出の表題は『しろまるしろまる』と略す)。雑誌『ザ・スニーカー』の連載を初出とする作品と、書き下ろし作品を含む。

2005年9月にはツガノガクによる連載漫画が『月刊少年エース』にて開始された他、2006年4月よりテレビアニメ涼宮ハルヒの憂鬱』が放送された。


注意:以降の記述には涼宮ハルヒシリーズに関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上。」

県立北高校入学早々、このぶっ飛んだ自己紹介をした涼宮ハルヒ。見た目は美少女なのだが、その性格は唯我独尊・傍若無人・猪突猛進であるため、クラスで孤立していった。そんなハルヒに好奇心で話しかけた「一般人」であるキョンという変わったあだ名のクラスメイトとだけは会話をしてしまうようになる。

ゴールデンウィークも過ぎたある日、校内に自分が楽しめるクラブがないことを嘆いていたハルヒは、キョンの発言により自分で新しい部活を作ることを思いつく。キョンを引き連れて文芸部部室を占領し、また唯一の文芸部員であった長門有希を巻き込み、メイド兼マスコットとして上級生の朝比奈みくるを「任意同行」と称し拉致。さらにハルヒ曰く「謎の転校生」の古泉一樹を加入させ、「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」を目的とした新クラブ「SOS団」を発足させる。

ところが、ハルヒが適当に集めた長門有希・朝比奈みくる・古泉一樹の3人は、それぞれ本物の宇宙人・未来人・超能力者で、それぞれの属する組織から送り込まれて来たのであった。彼らの目的は、ハルヒが無自覚に持つ能力「世界を思い通りに改変し、望んだとおりの出来事を発生させる能力」の観察、監視。キョンはハルヒに選ばれた人物であり、ハルヒにとっての「鍵」であると言う。

漫画のような話をキョンはにわかに信じられなかったが、キョンやSOS団の周辺に異常な出来事が起こるようになり、キョンも数々の体験をしていく中で3人の話を信じざるを得なくなった。ハルヒだけが気付かないまま、キョン達SOS団メンバーは異常事態の処理やハルヒの退屈しのぎのために日々奔走する。

登場人物

(SOS団における肩書きは、第1巻『憂鬱』時のもの)
キョン
本作の主人公。本名は不明。物語の語り手。SOS団団員。一般人
涼宮 ハルヒ(すずみや ハルヒ)
本作のヒロイン。SOS団団長。
長門 有希(ながと ゆき)
SOS団団員。文芸部員。宇宙人
朝比奈 みくる(あさひな みくる)
SOS団団員。元書道部員。未来人
古泉 一樹(こいずみ いつき)
SOS団団員。謎の転校生。超能力者

用語

SOS団(エスオーエスだん)
正式名称は「界をいに盛り上げるための宮ハルヒの」。涼宮ハルヒが結成した同好会未満の集団で、目的は「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」。主な活動内容は市内の不思議探索や非常識的な事件の相談などだが、ハルヒの思い付きで行動することが多く、学校行事の他に町内でのイベントの参加・アルバイトなど多岐に渡る。活動がない放課後やハルヒ不在時でも団員は集合することがあり、その際は各々の趣味などで時間を過ごしている。
正式な部室はなく、文化部の部室棟三階にある文芸部室を占拠している。備品のほとんどはハルヒがどこからか調達(強奪)してきた物や、団員の私物である。なお、キョンが同好会申請をした(その際の正式名称は「徒社会を援する界造りのための奉仕体」とした)が、学校の認可は下りていない。
古泉曰く、SOS団の部室は異空間化されているが、「何種類もの様々な要素や力場がせめぎ合い、打ち消し合って飽和状態にある」ので、はた目には通常空間と何ら変わりはないらしい。
SOS団のウェブサイトもある(ハルヒがキョンに作らせたもの)。そこにはハルヒのデザインしたシンボルマークがあり、本作のマルチメディア展開でもよく使用されている。これに関しても非日常的な騒動が持ち上がったため、密かに長門が描き直して、現在は「ZOZ団」となっている。この事件は第3巻『退屈』収録の「ミステリックサイン」で語られている。
「世界を - 」のくだりは、3年前の七夕に、第4巻『消失』の改変世界から脱出してきたキョンが、東中の校庭に謎の幾何学模様を描き終えて帰宅する3年前のハルヒに向かって遠くから叫んだ、「世界を大いに盛り上げるためのジョン・スミスをよろしく!」という台詞から来ている(この謎の幾何学模様は、第3巻『退屈』収録の「笹の葉ラプソディ」でみくると共にやって来たキョンが一緒に描いたもの。このとき、彼は「ジョン・スミス」と名乗った)。
『「涼宮ハルヒの憂鬱SOS団ラジオ支部」番外編CD Vol.2』ではSOSは「カンドアルバムのープニングでサービスしてセールスに貢献するための宮ハルヒの」とされ、『「涼宮ハルヒの憂鬱SOS団ラジオ支部」番外編CD Vol.3』では「ングルベルをいに盛り上げて寂しさもろとも冥王星ごとっとばせの」とされるなど、あいうえお作文のキャッチフレーズとして使われている。

宇宙人関連

情報統合思念体
全宇宙に広がる情報系の海から発生した、非常に高度な知性を持つ情報生命体。実体を持たず、いかなる光学的手段でも観測することは不可能。有機生命体と直接コミュニケーションできないため、長門有希、朝倉涼子、喜緑江美里のような対人間用インターフェースを作った。自律進化を遂げる手がかりとして涼宮ハルヒを観察している。
「統合」思念体といってもその意志は一つではなく、様々な思惑が交錯しているらしい。そのため、様々な派閥が存在する。長門有希が属する「主流派(中道派)」、朝倉涼子が属する「急進派」、喜緑江美里が属する(と思われる)「穏健派」などがある。
対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース
人間などの有機生命体と直接的にコミュニケートするために情報統合思念体や天蓋領域が創造した有機アンドロイド。長門有希、朝倉涼子、喜緑江美里、周防九曜などが確認されている。
TFEI端末(ティーエフイーアイたんまつ)
長門、朝倉、喜緑のような情報統合思念体の対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースに「機関」が付けた略称。端的に言えば、「宇宙人が作ったアンドロイド」。TFEIが何の略称であるかは不明。
広域帯宇宙存在
情報統合思念体とは起源を異にする存在。思考プロセスが完全に違い、通常手段での相互理解は不可能。そのため、長門達と同等の機能を持つTFEIを生み出して接触を図ると思われており、実際に第9巻『分裂』にて周防九曜を遣わした。第5巻『暴走』収録の「雪山症候群」で、SOS団を閉じ込めた謎の洋館の建つ空間の主。
天蓋領域(てんがいりょういき)
広域帯宇宙存在に、情報統合思念体が暫定的につけた名称。
情報爆発
朝倉涼子によるキョンの殺害計画実行後、ハルヒの急変によって観測されると思われる現象。殺害計画が失敗し、詳細は不明。全てが始まったとされる3年前に観測されている。
無限ライオン
漫画のぷよ版のみに登場する地球外生命。
長門特製ナノマシン
長門が対象に噛み付く(甘噛み程度)ことで対象に様々な効果を持つナノマシンを注入できる。なお、名称は第4巻『消失』のキョンの地の文から。

未来人関連

未来人
「未来」から来た調査員。朝比奈みくる、藤原など(ただし、みくると藤原の未来は別)。いくつにも分岐する未来のうち、自分達の属する未来へと向かうように歴史を調整することを目的としている。
TPDD
「タイム(Time)・プレーン(Plane)・デストロイド(Destroyed)・デバイス(Device)」の略。「時間平面破壊装置」。航時機とも呼ばれ、みくる達「未来人」が時間移動の際に使用する。平たく言えばタイムマシンにあたり、デバイスと言っても物理的な装置ではなく、概念的な存在であるというが、第3巻『退屈』収録の「笹の葉ラプソディ」ではみくる(小)が一度「紛失」している。
異時間同位体
異なる複数の時系列において、同一のものとして存在する個体に長門がつけた呼称。朝比奈みくる(小)、(大)、(みちる)などが挙げられる。
既定事項
未来人が使用する用語。単に(未来人からみて)過去に起こった出来事を指すものではなく、各未来人派閥にとって有益な結果に繋がる行動が「既定」事項とされる。
禁則事項
主に未来人が使用する用語。単に「禁則」とも呼ばれる。未来に関する情報や現代では未到達な知識など、過去の人間には教えてはいけないことを指す(その情報を知っている人間には話せる)。未来人は、航時機に乗る際に強力な精神操作を受け、禁則事項は口にできないようになっている。キョンが朝比奈みくるに質問することのほとんどが禁則事項に該当するため、この物語での時空設定は、非常に厳しいものと言える。
時間平面理論
時間は連続性のあるものではなく、その時間毎に区切られたもの(アニメーションを構成する静止画の集まりのようなニュアンス)であるとする未来の理論。大元の基礎概念は、ハルヒが気まぐれに書いた理論に基づく。
時間震動
時空震とも呼ばれる。時間平面に力が加えられて変異する際に発生する、時空の揺れのような現象であると推測される。ハルヒの中学1年時に発生した大きな時間震動はハルヒが起こしたと考えられているが、1人の人間が時間平面に干渉するということは通常では考えられず、詳細は謎である。長門がハルヒの力を利用して時空改変・再改変した際にも強力な時空震が発生した。

超能力者関連

超能力者
作中における「超能力」は、古泉の他、世界でもわずかな人間だけが持っている。涼宮ハルヒの発生させる閉鎖空間に侵入し、赤い球体に変化して神人を攻撃できるのが主な能力。普段はふつうの人間と変わりない。
橘の所属する団体の超能力者は佐々木の閉鎖空間へ侵入できるが、佐々木の閉鎖空間には神人がおらず、攻撃能力を発動できるかは不明。
「機関」
閉鎖空間に現われる神人を倒し、またハルヒの活動を監視するために結成された組織。涼宮ハルヒがこの世界の神のような存在だと考えている。古泉一樹らが所属する。
閉鎖空間
ハルヒの精神状態が不安定になると、神人とともに出現する空間。出現する頻度も場所も不定。現実の空間と構成するものは同じだが、全体に灰色がかっている。通常、物理的な手段では侵入できない。特殊な能力を持つもの、もしくは特定の条件にあるものだけがそこに存在できる。放っておくとどんどん拡大し、最終的には現実世界と入れ替わってしまうとされている。「機関」の超能力者はこの空間の発生を察知でき、この空間でしか力を発揮できない(橘の所属する団体の超能力者は干渉不可)。
佐々木も閉鎖空間を持ち、ハルヒのものとは「常に発生しっぱなし」、「神人がいない」、「『機関』の超能力者ではなく橘の団体の超能力者が干渉できる」「灰色ではなくクリーム色」などの違いがある。
神人(しんじん)
閉鎖空間に出現する青い巨人。自重で立つことも困難なはずの巨体だが、平気で歩き街を破壊して回っている。ハルヒの精神的ストレスが具現化したものと考えられ、彼女の心のわだかまりが限界に達すると出現する。超能力者たちが神人を消滅させると、閉鎖空間も消滅する。一連の現象はハルヒのストレス解消の役割を負っているというが、現実世界でストレスの原因を取り除かない限り発生自体を阻止することはできない。そのため、「機関」はしばしば彼女の気を紛らわせるためのイベントを用意している。

その他

異世界人
涼宮ハルヒが自己紹介で挙げた4つの属性のうち、唯一詳細が不明な属性。
局地的非侵食性融合異時空間
第3巻『退屈』の「ミステリックサイン」において長門が唱えた、閉鎖空間と似て非なる空間。ハルヒが直接創造したものでなく、彼女の作ったSOS団のエンブレムがたまたま莫大な情報量(原作では約436TB(テラバイト)、アニメ版では約436PT(ペタバイト))をもち、それがある種の情報体を目覚めさせ、同情報体が創造した空間であると長門は語っている。そのため、SOS団のエンブレムは長門に修正され、「ZOZ団」となっている。
『退屈』で長門は8人中3人が北高生でないと発言しているが、原作ではそれが誰なのかは判明しなかった。ツガノガク版『涼宮ハルヒの憂鬱』ではその3人の内の1人がキョンの祖母であった。
珪素構造生命体共生型情報生命素子
『憤慨』の「ワンダリング・シャドウ」で登場した、珪素に宿り、意思を持つ情報生命体。宇宙から飛来し、宿主である珪素生命体が燃え尽きたため、阪中家のルソーなどの犬に取り憑いた。その後長門によって圧縮、封印され、現在シャミセンに入れられている。情報統合思念体にとって有益な存在であり、情報統合思念体を人間に例えるとウイルスにあたる存在。
非物質拡散性振動型感知音波
ドラマCD「サウンドアラウンド」において、ハルヒが曲作りに熱を入れすぎたために発生した。この音楽を聞いた人の脳細胞にメロディーが永劫回帰するサーキットが作られるという現象を産む音のつながり。媒体を持たないので、厳密には音とは言えないとされている。
非対称性変動型不協和音
ドラマCD「サウンドアラウンド」において、秩序立った音の連なりで構成されているサウンドウォームに対し、有効なダメージを与えることのできる音の連なり。今回の場合、みくるによる下手な歌がいい例である。
非物質拡散性振動型感知身体言語
ドラマCD「サウンドアラウンド」において、エピローグでハルヒが思いついたダンスが発生源となると長門が予想している、非物質拡散性振動型感知音波のダンスバージョン。ダンスを見た人が永遠に踊り続けるという現象を生むと思われる。
県立北高等学校
通称「北高」。キョンたちが通う高校で、本作の舞台。SOS団が占拠している文芸部は部室棟にある。
『退屈』でエアコンなどの設備がないことが判明した。
コンピュータ研究部(コンピ研)
文芸部室の二つ隣にある文化系クラブ。部長以下4名が在籍。SOS団にパソコンやその他通信に必要な機器、各種サービスを提供させられている。
東中学校
通称「東中」。谷口とハルヒの母校。3年前の七夕の夜にキョンが当時中学1年生のハルヒと会った場所で、校庭に謎の幾何学模様を描かされた場所。
光陽園学院
周防九曜が通うお嬢様学校。『消失』では世界改変によって共学となり、北高1年9組の生徒たち+ハルヒが"入学"させられた。尚、それに伴って制服のデザインも変化した。
IFF
敵味方識別装置(Identification Friend or Foe)の略。『分裂』より。
バレルロール(barrel roll)
『分裂』より。上記と同様、軍事用語である。

作品舞台

舞台は、作者である谷川の出身地・現住所である兵庫県 西宮市とされる。ハルヒやキョン達が通う県立北高等学校(北高)も、長い坂を登った山の上にあるという描写などやはり谷川の出身高校である兵庫県立西宮北高等学校がモデルで、その他の風景も西宮市(特に阪急線沿線)を中心とする阪神間の風景を基に描かれているため、この地を訪ねるファンも多い(俗に「オタクの聖地巡礼」と呼ばれる)。

しかし、原作で実在の地名が使用されたことはなく、キャラクターに地域の訛り(関西弁)もなく、地理描写が西宮市周辺の地理と一致する以外は特定の地域を意識した描写はない。席替えのくじを入れた空き缶も、関西ではあまり馴染みのない鳩サブレーのものであった(アニメ版では神戸風月堂のゴーフルに変更されている)。アニメには、甲陽園駅を模した駅(陽園駅)や西宮北口駅を模した北口駅、阪急電車を模した列車、夙川(祝川)沿いの桜並木など、沿線の場所がふんだんに登場する。

時系列

涼宮ハルヒシリーズは、原作もアニメも時系列がばらばらに刊行、放送されている。主だった作品タイトル順に並べると以下のようになる。学年は作品内での涼宮ハルヒの学年。

学年 時期 タイトル 収録巻
中学1年 7月 笹の葉ラプソディ(時間遡航時) 3巻『退屈』
涼宮ハルヒの消失(時間遡航時) 4巻『消失』
中学3年 3月 編集長★一直線!(キョンの小説) 8巻『憤慨』
高校1年 4 - 5月 涼宮ハルヒの憂鬱 1巻『憂鬱』
6月 涼宮ハルヒの退屈 3巻『退屈』
7月 ノウィング・ミー、ノウィング・ユー 漫画3巻
(漫画オリジナルストーリー)
笹の葉ラプソディ 3巻『退屈』
ミステリックサイン
孤島症候群
8月 ミステリックサインおかわり 漫画4巻
(漫画オリジナルストーリー)
エンドレスエイト 5巻『暴走』
野良猫シャミセンの人生観 漫画5巻
(漫画オリジナルストーリー)
10月 ゲット・イン・ザ・リング
11月 涼宮ハルヒの溜息 2巻『溜息』
涼宮ハルヒの約束 PSPゲーム『約束』
(ゲームオリジナルストーリー)
朝比奈ミクルの冒険 Episode 00 6巻『動揺』
ショー・マスト・ゴ・オン 漫画6巻
(漫画オリジナルストーリー)
ライブアライブ 6巻『動揺』
サウンドアラウンド ドラマCD
『サウンドアラウンド』
テイルズ・フロム・ザ・サウザンド・レイクス 漫画6巻
(漫画オリジナルストーリー)
射手座の日 5巻『暴走』
サムデイ イン ザ レイン アニメオリジナルストーリー
12月 涼宮ハルヒの消失 4巻『消失』
ヒトメボレLOVER 6巻『動揺』
雪山症候群 5巻『暴走』
猫はどこにいった? 6巻『動揺』
1月 朝比奈みくるの憂鬱
2月 涼宮ハルヒの陰謀 7巻『陰謀』
3月 編集長★一直線! 8巻『憤慨』
ワンダリング・シャドウ
高校2年 4月 涼宮ハルヒの分裂 9巻『分裂』
不明 10巻『驚愕』
番外編 不明 涼宮ハルヒ劇場 未収録
帰ってきた涼宮ハルヒ劇場
涼宮ハルヒの戸惑 PS2ゲーム『戸惑』
(ゲームオリジナルストーリー)
(注記)作中のキョンのモノローグより
「涼宮ハルヒの陰謀」以降の話となる

以上で涼宮ハルヒシリーズに関する核心部分の記述は終わりです。


既刊一覧

  1. 涼宮ハルヒの憂鬱(2003年6月10日初版発行、ISBN 4044292019)
  2. 涼宮ハルヒの溜息(2003年10月1日初版発行、ISBN 4044292027)
  3. 涼宮ハルヒの退屈(2004年1月1日初版発行、ISBN 4044292035)
  4. 涼宮ハルヒの消失(2004年8月1日初版発行、ISBN 4044292043)
  5. 涼宮ハルヒの暴走(2004年10月1日初版発行、ISBN 4044292051)
  6. 涼宮ハルヒの動揺(2005年4月1日初版発行、ISBN 404429206X)
  7. 涼宮ハルヒの陰謀(2005年9月1日初版発行、ISBN 4044292078)
  8. 涼宮ハルヒの憤慨(2006年5月1日初版発行、ISBN 4044292086)
  9. 涼宮ハルヒの分裂(2007年4月1日発売、ISBN 9784044292096)
  10. 涼宮ハルヒの驚愕(発売日未定。当初2007年6月に発行予定だったが延期されている)
    • 角川グループ株主向け中間事業報告書には2008年初春発売予定と記載されていた[2] が、その後の新たな予定は発表されていない。
長編書き下ろし作品
1巻『憂鬱』、2巻『溜息』、4巻『消失』、7巻『陰謀』、9巻『分裂』、10巻『驚愕』
中・短編集
3巻『退屈』、5巻『暴走』、6巻『動揺』、8巻『憤慨』
(『ザ・スニーカー』不定期連載『涼宮ハルヒの退屈』に書き下ろしを加えたものからなる)
文庫本未収録作品
ハルヒ劇場(『ザ・スニーカー』2004年8月号掲載)
SOS団の5人がファンタジー(RPG)な世界でハルヒが勇者、キョンが剣士、長門が盗賊、みくるが魔法使い、古泉が吟遊詩人となって魔王に連れ去られた王子と姫を助ける短編。
ハルヒ劇場 act.2(『ザ・スニーカー』2006年6月号掲載)
ハルヒ劇場の続き。SF風な世界で宇宙警察となってまたも王子と王妃を助ける冒険(珍道中)を描いた短編。ハルヒ劇場とハルヒ劇場act.2は第5巻『暴走』や第6巻『動揺』などにそれらの話の存在を示唆する内容が含まれている。
サムデイ イン ザ レイン(『ザ・スニーカー』2006年8月号掲載)
原作者書き下ろしのアニメ脚本
ファンブック
オフィシャルファンブック 涼宮ハルヒの公式(2006年8月25日 ISBN 4-04-853991-4)

ドラマCD

サウンドアラウンド(2007年 1月24日発売 ランティス LACA-5585)
アニメ12話(原作6巻『動揺』)の「ライブアライブ」後日談にあたる谷川流原案のドラマCD。脚本はアニメ本編でも脚本を務めた志茂文彦。 声優のキャストもアニメ版と同じ。キャラクター設定なども原作小説よりアニメ版の設定を強く引き継いでいる。

アニメ

→詳細は「涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)」を参照

2006年4月から7月にかけて、『涼宮ハルヒの憂鬱』(全14話)と題して放映された。原作の『憂鬱』のほか、『退屈』『暴走』『動揺』の一部、およびオリジナル・ストーリー(「サムデイ イン ザ レイン」)から構成される。

新テレビシリーズの放映が決まっている。

漫画

『涼宮ハルヒの憂鬱』のタイトルでみずのまこと版とツガノガク版が、『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』のタイトルでぷよ版が存在する。

『涼宮ハルヒの憂鬱』(みずのまこと版)

月刊少年エース』2004年5月号より連載されたが12月号で打ち切りとなった。9月号掲載分までは単行本となったが残りは発行されないとみずの本人がブログで公言している。打ち切りの理由は角川書店側の公式発表が無いため諸説ある。全1巻。新たにツガノガク版が連載中であり、角川書店のHPにみずのまこと版に関する記述がいっさいないため、公式に発表はされていないものの絶版であると思われる。

  • 『涼宮ハルヒの憂鬱』1巻 2004年9月1日発売、ISBN 4047136581
    • 巻末には谷川流といとうのいぢの漫画化を期待している旨のコメントが収録されている。

『涼宮ハルヒの憂鬱』(ツガノガク版)

みずのが既に漫画化した部分も含む、完全仕切り直しで『月刊少年エース』2005年11月号から連載開始。原作やアニメ版とは異なり、ほぼ時系列順に話が展開されている。なお、アニメ版でのオリジナル脚色が取り入れられているエピソードがあるほか、漫画オリジナルのストーリーも展開されている。既刊6巻で、累計250万部を突破している[3]

第2巻「涼宮ハルヒの憂鬱 IX」以降とそれ以前では絵柄が異なる。

『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』

「公式ギャグ漫画」と銘打たれ4コマ漫画と通常の漫画がセットになっている。『月刊少年エース』2007年9月号から連載開始。また、『ザ・スニーカー』でも2007年10月号から連載開始、『増刊エースアサルト』にも読切の形で掲載されている。作品の性質上、原作のキャラとは性格や設定を異なったものにしている。ストーリーもほとんどの主要キャラが出揃った秋以降の話からスタートしていて、基本的には原作のストーリー設定を取り入れているものの、ほぼオリジナル展開で構成されている。原作のストーリーに即した物語という形式は取っていない、いわゆるパロディギャグ漫画である。

ゲーム

コンピュータゲーム

この節は、発売前あるいは配信・稼働開始前のコンピュータゲームを扱っています。
情報が解禁されていくに従い、この項目の内容も大きく変化することがありますのでご注意ください。 投稿者は推測や予想を加えないようにしてください。投稿の際は脚注などを用いて随時その記述の根拠となる情報源明記することを忘れないでください。
プレイステーション・ポータブル用、バンダイナムコゲームス(バンダイレーベル)、2007年12月27日発売。ジャンルはアドベンチャーゲーム [4]
プレイステーション2用、バンプレスト、2008年1月31日発売。ジャンルはシミュレーション・アドベンチャーゲーム[5]
  • 『涼宮ハルヒの激動』
Wii用、角川書店、2008年11月27日発売予定[6]

イベント

  • 涼宮ハルヒの激奏 - 開催日:2007年3月18日 / 場所:大宮ソニックシティ / 出演:平野綾、茅原実里、後藤邑子、杉田智和、小野大輔、松岡由貴、桑谷夏子、あおきさやか、白石稔、白鳥由里、松元恵

関連項目

脚注

  1. ^ このライトノベルがすごい!2005. 宝島社. (2004). ISBN 4-7966-4388-5  
  2. ^ 角川グループホールディングス 第54期 中間事業報告書」 2008年2月14日閲覧。
  3. ^ 月刊ニュータイプ6月号191ページ
  4. ^ ミニアルバム、[涼宮ハルヒの約束]のテーマソング、世界が夢見るユメノナカが2008年1月23日発売予定。 [1]バンダイナムコゲームス、ハルヒシリーズ初ゲーム化決定GAME Watch、2007年6月22日。
  5. ^ SOS団がゲーム製作に挑戦! 『涼宮ハルヒの戸惑』ファミ通.com、2007年6月29日。
  6. ^ 涼宮ハルヒが世界最強(?)のダンスチームを結成 涼宮ハルヒの憂鬱(仮題)ファミ通.com、2008年5月10日。

外部リンク

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