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JavaScript Object Notation

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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JSON(ジェイソン、JavaScript Object Notation)は、JavaScriptにおけるオブジェクトの表記法をベースとした軽量なデータ記述言語である。

特徴

JSONはウェブブラウザなどでよく使われているECMA-262, revision 3準拠のJavaScript[1] (ECMAScript)をベースとしている。2006年 7月RFC 4627で仕様が規定され、MIMEタイプapplication/json拡張子はjsonとされた。 JSONはJavaScriptにおけるオブジェクト表記法のサブセットであるが、JavaScriptでの利用に限られたものではない。

JSONは単純であるので、特にAjaxの分野で利用が広がりつつある。JavaScriptでJSONをパースして読み込むには、文字列をJavaScriptのコードとして解釈させるeval()関数を作用させるだけでよい[2] 。このように、広く普及しているウェブブラウザ搭載言語であるJavaScriptで簡単に読み込めるが故に、Ajaxの開発者達から注目を浴びることになった。

JavaScript言語以外でのほとんどの言語において、JSONは単純な処理で書き出しや読み込むことができる。また、実装されたプログラミング言語数はYAMLより多いと言われる。そのため、JSONは異なるプログラミング言語の間でのデータの受渡しには能率的である。ウェブアプリケーションの場合において、ウェブクライアントでのJavaScriptとのデータの受渡しなどはその最たる活用例と言える。プロセス間通信、マシン間通信においても、疎結合にするため、JSONで情報を受け渡しすることもある。

表記方法

JSONで表現するデータ型は以下の通りで、これらを組み合わせてデータを記述する。true,false,nullなどは全て小文字でなくてはいけない。

  • 数値(整数浮動小数点数)
  • 文字列(バックスケープ記法を含む、ダブルクォーテーションで括った文字列)
  • 真偽値(truefalse)
  • 配列(データのシーケンス)
  • オブジェクト(キーと値のペアの集まり。JSONではハッシュと等価)
  • null

数値は10進法表記に限り、8進、16進法表記などはできない。また浮動小数点数としては1.0e-10といった指数表記もできる。

文字列はJavaScriptやJavaなどで用いられている表記法で、バックスラッシュをエスケープシーケンスとして利用するUnicodeの文字列表現である。

配列はゼロ個以上の値をコンマで区切って、角括弧でくくることで表現する。例えば以下のように表現する:

["milk", "bread", "eggs"]

オブジェクト(ハッシュ)はキーと値のペアをコロンで対にして、これらの対をコンマで区切ってゼロ個以上列挙し、全体を中括弧でくくることで表現する。例えば以下のように表現する:

{"name": "John Smith", "age": 33}

ここで注意することはキーとして使うデータ型は文字列に限ることである。したがって、

{name: "John Smith", age: 33}

という表記は許されない。この後者の表記はJavaScriptのオブジェクトの表記法としては正しいが、JSONとしては不正な表記である。

エンコーディング

JSONテキストはUnicodeでエンコードするとされている(SHALL)。デフォルトのエンコーディングはUTF-8である。なお、単独の文字列でない限り最初の2文字は必ずASCII文字であるので、最初の4バイトを見ることにより、UTF-8、UTF-16LE、UTF-16BE、UTF-32LE、UTF-32BEのいずれの形式でエンコードされているか判別できる。

AjaxにおけるJSONの利用

AjaxにおいてXMLHttpRequestで非同期にJSONでのデータを受け取る例を示す:

varthe_object;
http_request.open("GET",url,true);
http_request.onreadystatechange=function(){
if(http_request.readyState==4){
if(http_request.status==200){
the_object=eval("("+http_request.responseText+")");
}else{
alert("There was a problem with the URL.");
}
}
http_request=null;
};
http_request.send(null);

ここでhttp_requestXMLHttpRequestオブジェクトであり、それをurlにアクセスして返ってきたJSONで記述されたデータをthe_objectに格納される。いま、XMLHttpRequestを用いて実装をしたが、iframeなどの他の実装方法もある。また、JavaScript ライブラリprototype.jsではHTTPX-JSONヘッダを利用して簡単にJSONデータの受渡しができる。

他のデータ記述法との関係

XML
JSONはXMLと違ってマークアップ言語ではない。ウェブブラウザから利用できるという点では共通している。また両者とも巨大なバイナリデータを扱う仕組みがないことが共通している。
YAML
JSONはYAMLのサブセットと見なしてよい[1]。YAMLにはブロック形式とインライン形式(フロー形式)の表記法があるが、JSONは後者にさらに制約を加えたものと捉えることができる。例えばRubyでは以下のようにしてJSONをYAMLとして読み込むことができる:
the_object = YAML.load('{"name": "John Smith", "age": 33}')
但し、厳密にはJSONはYAMLのサブセットではない[3] 。具体的には配列とハッシュの区切りをそれぞれ, のようにカンマ+スペースの形にしたときにのみYAMLのサブセットとなる。したがって、YAML.loadといったYAMLのルーチンを流用してJSONデータを読み込む場合は、予め区切りの文字をYAMLと互換性を保つようにしておく必要がある。

実装

JSONは多くのプログラミング言語で利用可能である。例えば、ActionScript, C, C++, C#, ColdFusion, Common Lisp, Curl (プログラミング言語), D言語, Delphi, E, Erlang, Haskell, Java, JavaScript (ECMAScript), Lisp, Lua, ML, Objective CAML, Perl, PHP, Python, Rebol, Ruby, Scala, Squeakなど。

関連項目

  1. ^ "Introducing JSON". json.org. 2008年4月19日閲覧。
  2. ^ ただし不正なデータに対する耐性から、JavaScriptでもJSON専用のパース関数が作成されている。
  3. ^ "the ryan king » YAML compatible JSON". 2008年4月19日閲覧。

外部リンク

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