硫化鉄
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硫化鉄(りゅうかてつ、iron sulfide)は鉄と硫黄の化合物。数種類が存在する。
硫化鉄(II)
組成式 FeS。硫化第二鉄とも呼ばれる。純粋なものは無色または淡褐色の結晶だが、硫化水素発生用の市販品や化学的に合成するものは灰黒色の塊状。加熱すると硫黄と鉄に分解する。
中学校の理科の実験で硫黄と鉄粉を混ぜ合わせたものを試験管に入れて加熱すると反応して硫化鉄(II) を得るという実験が行われることが多い。
- {\displaystyle {\rm {Fe+S\longrightarrow FeS}}}
- {\displaystyle {\rm {FeS+2HCl\longrightarrow H_{2}S+FeCl_{2}}}}
- {\displaystyle {\rm {FeS+H_{2}SO_{4}\longrightarrow H_{2}S+FeSO_{4}}}}
硫化鉄を作るときの実験で発生する気体は有毒なので、深く吸い込むと危険である。
硫化鉄(III)
組成式は Fe2S3。硫化第三鉄とも呼ばれる、黒色の粉末である。湿った空気中で容易に酸化され、酸化鉄水和物と硫黄になる。空気を断って加熱すると、硫化鉄(II) と二硫化鉄との混合物になる。
二硫化鉄
組成式は FeS2 と表される。天然には黄鉄鉱 (pyrite)、白鉄鉱 (marcasite) として産出するが、産出量は黄鉄鉱が圧倒的に多い。黄鉄鉱は安定だが、白鉄鉱は水分と反応して分解しやすい。
磁硫鉄鉱
磁硫鉄鉱 (pyrrhotite) と呼ばれる鉱物として産出する。鉄と硫黄の割合が整数比でなく、また一定でない。組成式で表すと Fe1−xS (x = 0.090.17) となる。大半が顕著な磁性を持つ。