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2019年9月20日 (金) 10:36時点における版
東京湾炎上 | |
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監督 | 石田勝心 |
脚本 |
大野靖子 舛田利雄 |
原作 | 田中光二 『爆発の臨界』 |
製作 |
田中友幸 田中収 |
出演者 |
丹波哲郎 藤岡弘 金沢碧 北村総一朗 |
音楽 | 鏑木創 |
撮影 | 西垣六郎 |
編集 | 小川信夫 |
配給 | 東宝 |
公開 | 日本の旗 1975年7月12日 |
上映時間 | 100分 |
製作国 | 日本の旗 日本 |
言語 | 日本語 |
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『東京湾炎上』(とうきょうわんえんじょう)は、1975年に公開された日本の特撮映画。同時上映は『がんばれ!若大将』。
解説
石油を満載したタンカーをシージャックしたテロリストと乗組員たちの人間模様と、事態を秘密裏に解決するために情報操作を行う政府を描いた、パニック映画である。
劇場公開当時は、『日本沈没』や『ノストラダムスの大予言』などのパニック映画が流行していたうえ、前年に発生した第十雄洋丸事件などの石油タンカー爆発事故が相次いでいたため、これらに影響を受けて制作された。
特撮映画であるがミニチュア撮影のシーンは少なく、炎上する東京湾のシーンは実景にセットで撮影した炎を合成したものである[1] 。一方、メインの舞台となるアラビアンライト号は、特殊美術スタッフの井上泰幸によって全長7.2メートルの巨大なミニチュアが制作され、航行シーンはワイヤーをつけたトラックで牽引している[1] 。また、コンビナートや喜山CTSの爆発シーンでは、特技監督の中野昭慶が粘着性のある爆発にこだわり、石油タンクのセット内にさまざまな化学薬品や火薬を調合して仕込み、派手な大爆発を撮影している[1] 。
アラビアンライト号の甲板・船内シーンの撮影には、山下新日本汽船のタンカー山菱丸と若鶴丸を使用している。シージャッカー襲撃シーンの撮影は石油積載状態で行うと危険であるため、鉱石運搬兼用船の若鶴丸が鉱石のみを積んで停泊している2日間に集中して撮影された[1] 。
予告編では、9年前の東宝映画「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」と同じく「禿山の一夜」が使用された。
あらすじ
原油を満載して帰国の途についたマンモスタンカーのアラビアンライト号[2] は浦賀水道を航行中、石油メジャー排除と資源ナショナリズムを主張するテロ集団にシージャックされる。テロ集団は、日本人のムンクを介してタンカーの原油タンクに時限爆弾を仕掛け、喜山CTS[3] を爆破したうえで、その様子をテレビ中継しなければ、東京湾の中央に停泊させたアラビアンライト号を爆破すると要求する。要求が事実である証拠に、24時間後に石油タンカーのうちの1隻が爆発すると予告する。
もしもアラビアンライト号が爆破されれば、積載された原油の気化で沿岸部のコンビナートも誘爆し、発生した有毒ガスで首都圏の住民はもちろん、行政・産業・交通も全滅する。一方、要求どおりに喜山CTSを爆破した場合は、アラビアンナイト号の数十倍の原油によって鹿児島湾が死の海になると予測される。政府はすべての石油タンカーの洋上退避を指示し、人質解放の交渉のために時間を稼ぐが、その間に脱出を図った乗組員は射殺され、厨長の寺田の死と引き換えにテロ集団のメンバーの一部を拘束に成功する。そんな中、予告どおりに清水港のタンカー「さうじ丸」が爆破される。一向に進行しない事態に、対策本部長の葛城は、現地からの映像に特撮の爆破映像を合成してテロ集団を欺くことを提案する。喜山CTS附近を立ち入り禁止区域にし、映画監督を対策本部に招く。膠着した船内でも、拘束されたメンバーと人質の一部が交換され、テロ集団内に対立が深まりだす。
そして、ついに要求どおりに喜山CTS爆破の特別番組の放送が始まり、現地からの映像でも戦闘機の爆撃で石油タンクが次々と爆発していく。それは既存のパニック映画の映像を現地からの映像に合成した放送であり、葛城は作戦の成功を確信するが、現地で雨が降り出したことから、映像が合成であることがテロ集団に知られてしまう。リーダーのシンバは時限爆弾を起動させ、乗組員たちに退船するよう命じる。ところが、日本人に両親を虐殺されたメンバーが反発し、メンバー同士の銃撃戦になる。その最中に乗組員たちは反乱を起こし、テロ集団を全滅させる。
シンバが必死に隠滅しようとしたメモから、乗組員たちは仕掛けられた時限爆弾を撤去していくが、1個だけが外れて原油タンク内に落ちてしまったことが判明する。そこへ、万一に備えて液体内で行動できる特殊潜水服とソナーを持ち込んでいた、海上自衛隊の特殊部隊が乗船してくる。潜水服を着た館は原油タンク内に潜り、時限爆弾を探し始める。残された時間は10分。はたして時限爆弾は見つかるのか。
スタッフ
- 製作:田中友幸、田中収
- 監督:石田勝心
- 原作:田中光二『爆発の臨界』(1974年、祥伝社)
- 脚本:大野靖子、舛田利雄
- 撮影:西垣六郎
- 特技監督:中野昭慶
- 編集:小川信夫
- 合成:松田博
- 光学撮影:宮西武史
- 音楽:鏑木創
- 操演:松本光司
- 特殊効果:渡辺忠昭
- 録音:渡会伸
- スクリプター:中尾孝
- 照明:高島利雄
- 美術:村木与四郎
- 特撮助監督:川北紘一
- 協力:(株)大阪商船三井船舶
- 東宝映画 = 東宝映像提携作品
キャスト
- 宗方船長:丹波哲郎
- 館次郎(地質学者):藤岡弘
- 未知子:金沢碧
- 江原一等航海士:北村総一朗
- 南二等航海士:小笠原剛
- 井上三等航海士:潮哲也
- 初山船医:金井大
- 寺田司厨長:下川辰平
- 小佐井機関長:宍戸錠
- 五十嵐無線局長:久野四郎
- 草下通信士:青山一也
- 原(ボーイ):伊藤敏孝
- 田村操舵士:剛達人
- 坂田機関士:小原秀明
- 片岡機関士:富川澈夫
- 西沢甲板長:内田良平
- ムンク(ゲリラの日本人メンバー):水谷豊
- キファル(ゲリラのメンバー):ケン・サンダース
- 葛城対策本部長(大臣クラスの政府高官):鈴木瑞穂
- 中園対策本部員:久遠利三
- 瀬木運輸大臣:河村弘二
- 村松自治大臣:神山勝
- 防衛庁長官:入江正徳
- 有島海上保安庁長官:高杉哲平
- 担当官:加藤和夫
- 岩動達也(毎朝新聞記者)渡辺文雄
- 映画カメラマン梅津栄
- 林パイロット:佐々木勝彦
- 鹿児島の記者:佐原健二
- 深見久(テレビ・ディレクター):佐藤慶
- 若林進(特撮監督):佐竹明夫
- 関根ダイバー隊長:笠達也
- 特別番組キャスター:中江真司
- 新聞記者:加地健太郎、オスマン・ユセフ
- 鹿児島県警警察官:渡部猛
- 三菅本部職員:加藤茂雄
- 三菅本部通信士:門脇三郎
- 中継社内の局員:勝部義夫
- テレビ局・技師:武藤章生
- 岩動を捕まえる刑事:三重街恒二
- プロジェクトメンバーの一員:長沢大
- シンバ(ゲリラのリーダー):ケイ・アモア
- ザンバ(ゲリラのメンバー):ウイリー・ドーシー
- テンボ(ゲリラのメンバー):マスド・ラシド・ローン
- ムボゴ(ゲリラのメンバー):イクバル・ハニフ
映像ソフト
- 2005年11月25日、DVDが発売された。
- 2013年11月8日、<期間限定プライス版>として再発売された。
- 2015年8月19日、<東宝DVD名作セレクション>として再発売された。
サウンドトラック
関連項目
- 『ゴジラvsキングギドラ』・『×ばつメカゴジラ">×ばつメカゴジラ』・『ゴジラ FINAL WARS』 - 石油コンビナートの爆発シーンが流用されている。
脚注
- ^ a b c d 『東宝特撮映画大全集』ヴィレッジブックス、2012年、188 - 191頁。ISBN 9784864910132。
- ^ 本来は国際石油市場における中東産軽質原油のブランド名。
- ^ モデルとなったのは鹿児島県 喜入町(現・鹿児島市)にある日本石油基地。
外部リンク
- 東京湾炎上 - allcinema
- 東京湾炎上 - KINENOTE
- 東京湾炎上 - MOVIE WALKER PRESS
- 東京湾炎上 東宝WEBSITE
- 東京湾炎上 - 日本映画データベース
- Tôkyô-wan enjô - IMDb (英語)
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