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日本での取り扱いは、[[毒物及び劇物取締法]]、[[労働安全衛生法]]、[[消防法]]、[[高圧ガス保安法]]、[[化学物質排出把握管理促進法]]等の各規制を受ける。
日本での取り扱いは、[[毒物及び劇物取締法]]、[[労働安全衛生法]]、[[消防法]]、[[高圧ガス保安法]]、[[化学物質排出把握管理促進法]]等の各規制を受ける。


容器に貯蔵する際は比重が水より(削除) 重 (削除ここまで)いことを利用し、二硫化炭素の上に注水し揮発を防ぐ水没貯蔵方法が用いられる。
容器に貯蔵する際は(追記) その (追記ここまで)比重が水より(追記) 大き (追記ここまで)いことを利用し、二硫化炭素の上に注水し揮発を防ぐ水没貯蔵方法が用いられる。


[[アルコール]]と[[塩基]]、そして[[ヨードメタン]]と反応して[[キサントゲン酸]]メチルを与える。これは[[シュガエフ脱離]] (Chugaev elimination) の基質であり、全体としてアルコールを[[アルケン]]に変換する手法になる。
[[アルコール]]と[[塩基]]、そして[[ヨードメタン]]と反応して[[キサントゲン酸]]メチルを与える。これは[[シュガエフ脱離]] (Chugaev elimination) の基質であり、全体としてアルコールを[[アルケン]]に変換する手法になる。

2011年7月25日 (月) 08:01時点における版

二硫化炭素
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二硫化炭素

識別情報
CAS登録番号 75-15-0  チェック
PubChem 6348
EC番号 200-843-6
国連/北米番号 1131
KEGG C19033  チェック
RTECS番号 FF6650000
  • S=C=S
特性
化学式 CS2
モル質量 76.139 g/mol
外観 無色液体(低純度のものは黄色がかっている)
密度 1.261 g/cm3
融点

-110.8 °C, 162 K, -167 °F

沸点

46.3 °C, 319 K, 115 °F

への溶解度 0.29 g/100 ml (20 °C)
屈折率 (nD) 1.6295
構造
分子の形 直線形
双極子モーメント 0 D
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 0022
EU分類 強い可燃性 (F)
Repr. Cat. 3
有毒 (T)
刺激性 (Xi)
EU Index 006-003-00-3
NFPA 704
4
3
0
Rフレーズ R11, R36/38, R48/23, R62, R63
Sフレーズ (S1/2), S16, S33, S36/37, S45
引火点 -30 °C
発火点 90 °C
爆発限界 1.3–50 %
半数致死量 LD50 3188 mg/kg
関連する物質
関連物質 二酸化炭素
硫化カルボニル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

二硫化炭素(にりゅうかたんそ、carbon disulfide)は代表的な炭素硫化物で、化学式は CS2溶媒として用いられる無色の液体。 略称は二硫炭。

危険性

日本では消防法で第4類危険物特殊引火物に指定されている。

化学的性質

純度が高いものは芳香を持つ無色の液体だが、保存中に分解しやすく黄色を呈し、悪臭を持つようになる。揮発性が高く、非常に引火しやすい(引火点 -30 °C)ため、危険物第4類特殊引火物に指定されている。発火点は 90 °C。硫黄リンなどを溶かす溶媒として用いられる。きわめて有毒であり、殺虫剤としても使われる。

工業的には木炭硫黄を高温に加熱して得られる。低温で反応させると、一硫化炭素が発生する。

C + 2 S C S 2 {\displaystyle {\rm {C+2S\longrightarrow CS_{2}}}} {\displaystyle {\rm {C+2S\longrightarrow CS_{2}}}}

ゴムの優秀な溶媒であり、また、ビスコースの製造に用いる。

有機化合物を良く溶解してプロトンNMRに検出されないので、 クロロホルムに溶けにくいサンプルで 1H NMR 測定を行う際の溶媒に適している。

引火した場合は大量のによる消火を行う。燃焼により二酸化硫黄を発生するのでそれに対する注意も必要である。

蒸気でなく、皮膚からも吸収されるので取り扱いには注意が必要。誤って皮膚から吸収された場合、急性の二硫化炭素中毒症状は、視覚障害、精神の高揚を伴う興奮発作、次いで意識不明、昏睡、呼吸麻痺として現れる。 度々、より長時間の吸引による慢性の中毒症状は、頭痛、不眠、記憶・視覚・聴覚障害、神経炎、血管障害として現れる。 日本での取り扱いは、毒物及び劇物取締法労働安全衛生法消防法高圧ガス保安法化学物質排出把握管理促進法等の各規制を受ける。

容器に貯蔵する際はその比重が水より大きいことを利用し、二硫化炭素の上に注水し揮発を防ぐ水没貯蔵方法が用いられる。

アルコール塩基、そしてヨードメタンと反応してキサントゲン酸メチルを与える。これはシュガエフ脱離 (Chugaev elimination) の基質であり、全体としてアルコールをアルケンに変換する手法になる。

R-OH + CS2 + CH3I + NaOH → R-OC(=S)SCH3

関連項目

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