「カリフォルニア大学ロサンゼルス校」の版間の差分
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2008年5月30日 (金) 14:29時点における版
カリフォルニア大学ロサンゼルス校 | |
---|---|
パウウェル図書館 | |
大学設置 | 1919年 |
創立 | 1881年 |
学校種別 | 州立 |
設置者 | Regents of the University of California |
本部所在地 | 米国 カリフォルニア州 ロサンジェルス市 |
学生数 | 44,589、46,000 |
学部 |
経済学部 |
研究科 |
医学大学院 |
ウェブサイト | http://www.ucla.edu/ |
テンプレートを表示 |
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(かりふぉるにあだいがくろさんぜるすこう、英語: University of California, Los Angeles)は、米国 カリフォルニア州 ロサンジェルス市に本部を置くアメリカ合衆国の州立大学。1881年創立、1919年大学設置。大学の略称はUCLA。
カリフォルニア大学校群中カリフォルニア大学バークレー校に次ぐ歴史を誇り、カリフォルニア州最大の学生数を誇る名門総合大学。大学の略称はUCLA。 5つの学部(School)と7つの専門大学院(Professional School)から構成され、2008年現在、約4千人の職員と約3万7千人の学生が在籍している。教育機関、学術研究機関として米国内、世界的に高く評価される大学であり、米国西海岸に於ける有数の学術拠点とされている。また、スポーツ分野での活躍も目覚しく、NCAA(全米大学スポーツ連合)に於いて全米最多の優勝数を誇り、多くの著名なプロ・スポーツ選手を輩出している。学生の出身地は全米50州、世界100カ国以上に渡り、1998年以来、全米で最多の出願者数を誇るなど全国的・世界的に人気の大学とされる。モットーは "Fiat lux"(そこに光あれ/Let There Be Light)。
- カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(California State University, Los Angeles)との混同に注意。UCLAはカリフォルニア大学群の一校で、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校の属するカリフォルニア州立大学とは無関係の完全に異なった機関である。
概観
アイヴィー・リーグ等の名門私立大学、カリフォルニア州内のスタンフォード大学、カリフォルニア工科大学や系列校であるカリフォルニア大学バークレー校と並ぶ研究実績、知名度を誇る名門総合州立大学。卒業生、関係者の各分野での活躍は目覚しく、ノーベル賞、フィールズ賞、ピューリッツァー賞等数々の分野においてその実績、研究は高く評価されている。数々の国内外のランキングで上位に位置し、(ランキング項を参照)世界的な名門大学として知られる。 2008年時点で卒業生・関係者のノーベル賞受賞数は9回。経済学部、政治学部、歴史学部、工学部、物理学部、心理学部、建築学部等が看板学部として知られ、高い学部教育・研究実績を誇る。学部課程への出願数では例年全米最多を誇り、2008年度秋学期には4000人の定員に対し55401人が出願した。学部課程・第1学年への合格率は米国人が約20パーセント、留学生が約15パーセントと他の名門大学と並び入学が難しい大学とされる。合格者の平均GPA(Weighted)は4.34、SAT(Reasoning/Subject)の平均スコアが2100/728・676点と入学には高い学力が求められる。US News、Princeton Review発表の両ランキングどちらに於いても入学難易度は"Most Selective"と、アイヴィー・リーグ等の名門私立と並ぶ最上位の難易度とされている。
沿革
略歴
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(以下、UCLAとする)の起源は1881年3月に、南部カリフォルニア地域に於ける教員養成を目的としてカリフォルニア州議会によって設立された California State Normal Schoolの分校に遡る。1882年8月にThe State Normal School at Los Angelesとして正式に開校し、教員の研修を目的とした小学校が付属する、南部カリフォルニア地域に於ける中心的な教育機関となる。1887年にはLos Angeles State Normal Schoolと改称され施設規模、学生数共により規模の大きなものとなる。1914年にハリウッド地区、ヴェルモント通りに全施設が移設され、教育施設、教育内容充実のために南部カリフォルニア州選出の議会代表員の請願を経て、1919年5月、カリフォルニア大学南部分校として2年制の教養課程を有した大学校へと昇格した。同校は同年の9月に開校し、初年度には1500人の学生が同校の教養課程へ入学した。1925年には100人の女子生徒、25人の男子生徒に文学士号が授与され、同校初の学士が誕生した。1927年に、分校から大学へと格上げされ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California at Los Angeles)へと改称される。(1951年にatがカンマ(,)に置き換えられ現在の校名(University of California, Los Angeles)となる。) 同年、改称と共に現在の大学所在地ウェスト・ウッドに400エーカーの土地を州政府が購入、パウエル・ライブラリーやロイス・ホール等の施設が建設され、大学としての諸整備が行われる。1929年に新たなキャンパスでの授業が開始され、5500人の生徒が学部生として入学する。1933年には卒業生、所属教授、事務関係者、地域関係者からの強い要請に呼応する形で、修士課程が設置され修士号授与許可が下り、36年にはバークレー校の反対を押し切る形で、博士課程を設置、博士号の授与を始める。
カリフォルニア州の急速な発展と共にUCLAも教育・研究機関として急速な発展を遂げ、1950年代には米国を代表する研究機関として名を馳せる。しかし、そうした名声、実績にも拘らず、以前のカリフォルニア大学の一分校としてのイメージが世間には色濃く残っており、大学当局はそうしたイメージを払拭すべく、1951年に独自に学長を置きバークレー校から完全に独立した大学運営を確立しようとする。バークレー校はUCLAの独立した大学運営を快く思わず、大学当局の対立は激化する。しかし1960年に学長に選出されたフランクリン・マーフィーの開明的な運営改革が功を奏し、バークレー校からは完全に独立した大学運営を確立する事に成功する。そして1960年代末には現在のようなバークレー校にも拮抗する一大学としてのイメージが確立する。
この時のフランクリン・マーフィーの改革に対する苦心、UCLAの大学運営完全独立への熱い思いは、以下の回顧に見て取れる。
「私は受話器を取り、大学事務局へ電話を掛けてみた。するとオペレーターは、「カリフォルニア大学です。」と答えた。私は、「バークレー校かね?」と聞くと、彼女は「いいえ、違います。」と答えた。「では、どこへ繋がっているのかね?」と私が問うと、彼女は「UCLAです。」と答えた。すかさず「じゃあ、何故最初からそう言わないのかね?」と聞くと、 「そう言う様に言い付けられているもので・・・。」と答えた。そこで私は翌朝、大学事務局へ赴き、「今日正午よりカリフォルニア大学ではなく、UCLAと電話で受け答えるように 言いつけてくれ。」とメモを認めた。すると彼ら(事務局)は「バークレーは気に入らないでしょうね。」と言った。私は「まあ、様子を見ようじゃないか。私達にだって、バークレーの事務局の許可なしに出来ることだってあるさ。」と答えた。
ランキング
UCLAは各種ランキングに於いて、アイヴィー・リーグ等の名門大学や、カリフォルニア大学バークレー校、ミシガン大学等の名門州立大学と共に上位にランクされ、米国のみならず、世界的に著名な教育・研究機関として名を馳せている。
主要世界大学ランキング
- TIMES世界大学ランキング(総合):第26位(2004年[1])、第37位(2005年[2])、第31位(2006年[3])、第41位(2007年[4])
- TIMES世界大学ランキング(社会科学分野):第18位(2004年[5])、第26位(2005年[6])、第23位(2006年[7])、第15位(2007年[8])
- TIMES世界大学ランキング(科学分野):第22位(2004年[9])、第23位(2005年[10])、第21位(2006年[11])、第14位(2007年[12])
- 上海交通電気大学ランキング:第15位(2003年[13])、第16位(2004年[14])、第14位(2005年[15]、2006年[16])第13位(2007年[17])
- NEWSWEEK世界大学ランキング:第12位(2005年[18])
US NEWS学部課程ランキング
- US NEWS College Ranking: 第25位(2007年) 西海岸第4位/全米州立第3位
US NEWS主要大学院ランキング
- 物理学部:全米第16位
(第13位:メリーランド大学/ミシガン大学/ペンシルバニア大学/ 同位:カリフォルニア大学サンディエゴ校/テキサス大学オースティン校/ウィスコンシン大学マディソン校)
- 化学部:全米第12位
(第11位:コロンビア大学/ 同位:シカゴ大学/テキサス大学オースティン校/ 第15位:イェール大学)
- 生物学部:全米第23位
(同位:テキサス大学オースティン校/カリフォルニア大学デイヴィス校)
- 工学部:全米第13位
(第11位:カリフォルニア大学サンディエゴ校/テキサス大学オースティン校/ 同位:テキサスA&M大学)
- コンピューター工学:全米第13位
(第11位:カリフォルニア工科大学/ウィスコンシン大学マディソン校/ 同位:メリーランド大学/ミシガン大学/ 第16位:ハーバード大学/コロンビア大学/カリフォルニア大学サンディエゴ校)
- 数学部:全米第12位
(第9位:コロンビア大学/ニューヨーク大学/ミシガン大学/ 第13位:コーネル大学/ 第14位:ブラウン大学)
- 経済学部:全米第11位
(第10位:カリフォルニア大学サンディエゴ校/ 同位:コロンビア大学/ミシガン大学/ウィスコンシン大学マディソン校/ 第15位:ニューヨーク大学/ミネソタ大学)
- 歴史学部:全米第9位
(第7位:コロンビア大学/ミシガン大学/ 同位:ジョンズ・ホプキンス大学/ 第11位:コーネル大学/ウィスコンシン大学マディソン校)
- 政治学部:全米第10位
(第8位;デューク大学/シカゴ大学/ 同位:コロンビア大学/マサチューセッツ工科大学(MIT))
- 心理学部:全米第5位
(第4位:イェール大学/ 同位:ハーバード大学/プリンストン大学/イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校/第9位:カーネギー・メロン大学/ハーバード大学(人間育成プログラム)/ウィスコンシン大学マディソン校)
- 社会学部:全米第8位
(第6位:スタンフォード大学/プリンストン大学/ 同位:ハーバード大学/ 第10位:ペンシルバニア大学/ 第11位:コロンビア大学/インディアナ大学ブルーミントン校/ノースウェスタン大学)
- 英語学部:全米10位
(第8位:コロンビア大学/ジョンズ・ホプキンス大学/ 同位:ペンシルバニア大学/ 第12位:デューク大学/ミシガン大学/ヴァージニア大学)
専門大学院
- 医科大学院:全米第9位
(第8位:スタンフォード大学/ 同位:イェール大学/ 第11位:コロンビア大学/ミシガン大学)
- 法科大学院:全米第16位
(第14位:ジョージタウン大学/ 第15位:ヴァンダービルト大学/ 同位:テキサス大学オースティン校/ 第18位:南カリフォルニア大学)
- 経営学大学院:全米第11位
(第9位:コロンビア大学/ 第10位:ニューヨーク大学/ 第12位:ミシガン大学/ 第13位:イェール大学)
- 教育学大学院:全米第3位
(第1位:スタンフォード大学/第2位:ヴァンダービルト大学/第4位:コロンビア大学)
その他ランキング
UCLAはパブリック・アイビー[19](私立の8名門大学群アイビー・リーグに対して、8つの名門州立大学群を称したもの)とされ、カプラン(Kaplan)により、25のポストアイビー・リーグ校の内の一つとされている[20]。
入学
秋学期新一年入学者統計
2008 | 2007 | 2006 | 2005 | |
---|---|---|---|---|
出願者数(人) | 55,397 | 50,732 | 47,317 | 42,232 |
合格者数(人) | 12,579 | 11,860 | 12,189 | 11,361 |
合格率(%) | 22.70 | 23.38 | 25.76 | 26.90 |
UCLAは全国的に見ても入学が難しい大学として知られ、その合格率はアイヴィー・リーグのコーネル大学や、名門私立大学のシカゴ大学、名門州立大学のカリフォルニア大学バークレー校、ミシガン大学、ヴァージニア大学に比べても低い。
2008年秋学期より1年生としてUCLAに入学する学生の平均加重GPA(Weighted GPA)は4.34(通常GPAは4.00満点だが、大学レベルの授業や優秀者選抜クラスの授業をとる事で4.00を超えるGPAをとることが可能)、通常GPAは3.85(4.00満点)、SAT(Reasoning)の平均スコアは2001点(2400点満点)。 UCLAはプリンストン・レヴュー誌による入学難易度指標でハーバード大学、イェール大学、プリンストン大学等のアイヴィー・リーグの大学やスタンフォード、MIT等の名門私立大学と並ぶ最高入学難易度である "Most Selective"を与えられ, 入学難易度指数では全米の州立大学中最高の98(最高99)を与えられている。バロンズ教育誌による入学難易度指標も同様に"Most Selective"となっている。2008年度秋学期への出願者数は55,397人に上り、1998年度以来全米中で最高の出願者数を誇る。2008-09年度には12,579人に入学許可が下り、合格率は22.7%であった。この合格率はカリフォルニア大学バークレー校を抜き、全米の州立大学の中で最も低い値となっている。入学者の9割以上を占めるカリフォルニア州民の合格率は22.1%で、カリフォルニア大学群の中で最も低い値となっている。2005年度から2008年度の間に出願者は13165人、31%も増加しておりこの間の合格率は4.2%下がるなど、年々入学競争は熾烈さを増している。 大学当局は、今後しばらくこういった傾向は続くであろうと予想している。
編入学
他の米国の大学同様、カリフォルニア大学に於いても、編入学は盛んである。例年UCLAでは、5400程度を編入枠として用意している。2008年度秋学期には 15,231人が出願し、5,455人に合格許可が下りた。合格率は35.82%で、合格者の平均GPAは3.62となっている。合格者の91%がカリフォルニア州内のコミュニティー・カレッジ出身者となっている。一年生入学と同様、例年出願者数は増加傾向にあり、2005-2008年度の間に出願者は1,910人増加し、14.3%(対2005年度比)の増加となった。 合格率も前年比で4.45%下がった。(2007年度合格率:40.27%/2008年度合格率:35.82%)
非州民生の入学
州立大学であるため明確な入学優先順位が存在し、カリフォルニア州民学生の入学が最優先となる。その為、州外生、外国籍学生の入学はカリフォルニア州民よりも厳しいものとなり、必然的にカリフォルニア州民学生よりも高いテスト成績、GPA、課外活動歴等が必要となる。出願した他の有名私立大学全てに合格したにも拘らず、カリフォルニア大学に落ちると言う事も珍しくない。編入学に於いても同様で、州外、外国籍学生はカリフォルニア州民学生よりも高いGPA(平均合格GPAよりも0.2-0.3程度高いGPA)が必要とされる。
キャンパス
キャンパス内施設
UCLAが現在のウェストウッドの地に移設された際には、4つの施設しか存在しなかったが、現在では419エーカーの敷地内に163の施設が存在する。 キャンパスは、ロサンゼルス市の西部、ウェストウッド商業地区の北部、有名なサンセット大通りの南部に位置し、 ブレントウッド、ビバリーヒルズ、ベル・エアー等の高級住宅街に隣接する。
移設時に建設された4施設は、地元の建築事務所Allison & Allisonによって設計され、ロマネスク様式で統一されていた。1950年までに建設された施設は同様式 で統一されていたが、建築事務所・設計者がWelton Becketに変わった事から、ミニマリズムがベースの建物がキャンパス拡張と共に多くなった。 キャンパスは北部と南部にわかれていて、移設時に大学施設の中心であった北部キャンパスにはロマネスク様式の建物が多く存在し、人文科学、社会科学、芸術系学部、 法科大学院、ビジネス・スクール関連施設が存在する。南部キャンパスは生命科学、物理化学、数学、心理学部の施設そしてUCLAメディカル・センターをはじめとする 健康科学関連の施設が存在する。キャンパス内の施設が常に改築や建設中の状態にあり、生徒間では「Under Construction Like Always(UCLA:いつも工事中)」と揶揄されている。
大学のキャンパス内には芝生、銅像庭園、噴水、博物館等が多く点在し、最高の学習・研究環境を提供してくれる。銅像庭園は全米でも有数の美しさを誇る庭園と評されている。その美しい景観から観光名所として世界各国からの訪問が多くあり、学生による観光客向けのキャンパス・ツアーも実施されている。ハリウッドに近いと言う地理的理由から 映画の撮影としても使われることも多い。UCLAのキャンパスで撮影された主な映画は「エリン・ブロコビッチ」、「アメリカン・パイ2」、「オールド・スクール」、「キューティ・ブロンド」(ハーバード・ロー・スクールが舞台だが撮影場所はUCLA)等がある。
2007年に起きたヴァージニア工科大学の銃乱射事件の影響を受け、現在大学当局によって学内のセキュリティー強化が実施されている。学生寮の1つ、リーバー・ホール(Rieber Hall)や各図書館への入館には学生証であるブルーインズ・カード(Bruins Card)の提示が求められる。ブルーインズ・カードは学内のカフェテリアを利用する際にも必要である。
UCLAのカフェテリアは味、種類の両方に於いて大変評価が高く、不評な事が多い大学のカフェテリアには珍しく生徒の満足度も高い。カフェテリアでは世界各国の料理が楽しむ事ができ、様々な学生の要求にこたえられるよう様々な工夫が施されている。一例として、菜食主義者、非菜食主義者どちらも満足の行く食事ができるよう菜食主義者用の食事と非菜食主義者の2種類が用意されている。また、昼食の際の広大なキャンパス間の移動の手間を省くため昼食用にセルフ・サービスでサンドイッチを作るコーナーも用意されている。大学生協にあたるUCLAストアの2階にはTSUNAMIという日本食(主に寿司)と日本製のゲーム機を提供する一画があり、日本人学生には概して好評である。また、Rieber Hallの後方にある小規模の売店Hilltopにもアボカド入りの寿司やいなり寿司が売られているため、日本人にとっては非常に済みやすい環境が整えられている。
学部・研究科
UCLAには学部課程に5つの学部(School)、研究課程に7つの専門大学院がある。また、健康科学研究機関としてこれら関係分野に4つの専門大学院が付設されている。 2008年現在、学部課程に25000人、研究過程(大学院)に11000人の学生が在籍している。学部課程、研究過程に在籍する学生の大半が下記の教養学部(The College of Letters and Science)に所属している。
1923年に創設されて以来、UCLAの中心的学部となっている教養学部(The College of Letters and Science)には34の学科があり、129の学部課程専攻分野で900人の教授が教鞭をとっている。教養学部で提供されるプログラムは下記の5分野に大別される:
- 人文科学(Humanities)
- 社会科学(Social Sciences)
- 生命科学(Life Sciences)
- 物理科学(Physical Sciences)
- 国際機関(The International Institution)
図書館
UCLAの図書館群には800万冊以上の蔵書があり、その蔵書数は全米中の全ての教育・研究機関中11位にランクされる。 学内最古の図書館であるユニバーシティー・ライブラリー(通称パウエル図書館)は1884年に建設され、パウエル図書館の名前は1944年に図書館長に任命されたローレンス・パウエルに因んで名付けられた。1973年に図書館長に任命されたページ・アッカーマンは、UCLA級の巨大図書館の館長に任命された全米初の女性となった。現在の図書館長は、2003年8月に着任したゲーリー・ストロング。
UCLAのシンボルであり、図書館群の中心的存在である、パウエル図書館は学生の勉強、研究の場として幅広く利用されている。定期試験期間中には開館時間が延長され、深夜でも利用が可能である。試験期間中は学生が図書館に、毛布や枕を持って泊り込む姿が多く見られ、無料のコーヒー・サービスもある。 パウエル図書館内部へは北側の入口のみからの入館となっており、キャンパスの南部で生活する理系学部所属学生から不満の声が聞かれることもある。入館にはID(ブルイン・カード)が必要。
医療研究機関
UCLAにはデイヴィッド・ゲフィン医科大学院(David Geffen School of Medicine)をはじめとする4つの健康科学分野の専門大学院が付設されている。 各大学院共に全米トップクラスの研究・教育実績を誇り、米国のみならず世界的な医療研究の拠点となっている。2005年には、カリフォルニア州政府によってUCLA内に 新たに幹細胞研究機関を設置する5カ年計画が発表され、この分野に於いても、世界的研究拠点になる事が期待されている。 主要な研究機関の一つであるカリフォルニア・ナノシステム研究所(The California NanoSystems Institute)はナノテクノロジー分野での先駆的研究を目標として、 カリフォルニア大学サンタバーバラ校の協力の下共同設置された。
UCLAメディカル・センターはサンタモニカ市内とロサンゼルス市内に主要医療施設を有し、ハーバーUCLAメディカル・センター(Harbor-UCLA Medical Center),オリーブ・ヴューUCLAメディカル・センターそして西海岸最大の非営利私立病院、セダーズ・サイナイ・メディカル・センターにて医療教育を行っている。1981年にUCLAのメディカル・センターの准教授、マイケル・ゴットリーブが世界で初めて、後にAIDSと命名され世界中に知られる事となる症状を診断し世界にその名を轟かせた。UCLAはPETスキャンによる脳機能研究に於いても先駆的研究機関として知られる。
2007年のUSニューズ&ワールド・レポート誌によるランキングでは、UCLAメディカル・センターは西海岸で最良の医療研究機関とされ、メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)、クリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)、マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)、ジョンズ・ホプキンス大付属病院(Johns Hopkins Hospital)と並び全米で3本の指に入る病院施設と評価されている。
経済的影響
UCLAのロサンゼルス市・地域に与える経済的影響は大きく、ロサンゼルス郡ではロサンゼルス郡、LAUSD(ロサンゼルス公立学校連盟)、連邦政府に次いで4番目に大きい雇用機関であり、地域規模では7番目に位置する。2005年-2006年度には36億円の運営予算が給付され、内17.4%がカリフォルニア州政府から支出されている。
UCLAブランド
UCLAブランドの衣服やアクセサリーは国外でも広く販売されており、人気を博している。これはUCLAの学問・スポーツ両分野での名声、そして自由や一年中を通して降り注ぐ日差しに代表されるような南カリフォルニアのライフ・スタイルを強く喚起する、というのが理由とされる。UCLAブランド製品に対する高い人気は東アジアに於けるUCLAブランド・ストアの拡大に繋がり、1980年より、15店のUCLAストアが韓国で、43店が中国本土で営業している。メキシコ、シンガポール、ヨーロッパにも支店が開店しており、商標・ブランド管理部門のマネージャーであるシンディー・ホルムス女史の発表によるとUCLAブランドへ、海外から支払われるライセンス料は年間40万ドルに上ると言う。
学生・生活
州立大学の為、学生の大部分がカリフォルニア州民である。2001年-2005年の入学者統計では平均して92.6%の学生がカリフォルニア州民となっている。 しかし、他州出身者も多く在籍し出身州は米国全50州に渡り、外国籍学生の出身国も世界100カ国に上る。 入学選考に於いては、明確な入学優先順位が存在しカリフォルニア州民が最優先とされる。従って、他州出身者や留学生は州民よりも高い学業成績、課外活動履歴などが 求めらる。また州立大学のため、州民と州外生では学費が異なり、州外生に求められる学費は年間約2万5000ドルとなっている。(慢性的なカリフォルニア州財政悪化の為 年々、学費は増加傾向にある。)
(カッコ内は全学生数に占める割合) 学部課程 研究課程
(永住権取得者も含む)
1075人(4.1%) 1695人(15%)UCLAの名物・伝統的な行事の一つにアンディ・ラン(Undie Run)がある。これは1950年代に生徒間で自然発生的に始まった行事で期末テスト終了後、ストレス発散のために 下着だけを身に着けて叫びながらキャンパス内を走り抜けるイベントである。
ハリウッドに近いと言う地理的な要因から、キャンパスに隣接するウェストウッドでは映画の プレミアム試写会が頻繁に行われる。レッドカーペットの上を歩くハリウッドスター達を間近で見る事ができることは、UCLA生の特典と言えよう。
スポーツ
カレッジ・スポーツ分野に於けるUCLAの活躍は学問分野における活躍と同様に目覚しく、全米中で各チームが強豪として知られる。UCLAのマスコットはブルーインズと呼ばれる熊で、チーム・カラーは"True Blue"と呼ばれる青と金(このカラーは全カリフォルニア大学群の大学に共通)。パシフィック・テン・カンファレンス(西部4州による大学スポーツ連盟)に属する。
UCLA男子フットボール・チームは、パサデナ市内のローズ・ボールを活動本拠地として有し、男子・女子バスケットボール・チーム、バレーボール・チーム、女子体操チームはキャンパス内施設、ポーレー・パヴィリオンを活動拠点としている。その他にもUCLAは男子・女子クロス・カントリー、サッカー、漕艇、ゴルフ、テニス、水球チームを有する。
大学マスコットは熊(Bruins)のジョーとジョセフィーンで公式応援歌は"Sons of Westwood"、"Mighty Bruins"、校歌は"Hail to the Hills of Westwood"とされている。公式応援歌である"Mighty Bruins"は1984年に発表され、同年の対スタンフォード戦より応援歌として使用されている。歌詞は卒業生・在校生より募集され、2人の在校生の 詞が採用された。作曲はアカデミー音楽賞受賞者である、ビル・コンティが担当し、先述の対スタンフォード戦に於けるお披露目ではコンティ自身が指揮した。
先述の通り、UCLAの各チームは全国的強豪として知られ、これまでの全米大学選手権に於ける優勝数は123回に上る。この優勝数の内NCAA(全米大学競技協会)優勝数は102回で、この数は全米大学チーム中最多を誇る。2008年には女子・水球チームが全米選手権において、昨年に続いて優勝し、史上最多の優勝数である101回目の優勝を飾った。
数あるUCLAスポーツ・チームの中でも男子バスケット・チームの活躍は目覚しく、UCLAのカレッジ・スポーツを代表するチームと言っても過言ではない。 UCLAのスポーツ史を振り返る際に忘れてはならない人物がUCLAバスケット・ボール黄金時代を築き、20世紀最高の指導者とうたわれたジョン・ウドゥンコーチである。彼がUCLAで指導した13年間で、UCLA男子バスケットボール・チームは10回の全米優勝を飾り、内1964年から1975年(66年、74年を除く)までの連続7回の優勝は、伝説とまで言われている。また、1971-1974年には前人未到の88回の連続優勝記録打ちたて、UCLA男子バスケット・ボール・チームの名を不動のものとした。NBA史上最高のセンターと言われるマジック・ジョンソンと共にLAレイカーズ黄金期を築いたカリーム・アブドゥル・ジャバーは当時のチーム在籍者である。
UCLAは数多くのオリンピックに選手を送り込み、参加した全オリンピックにてメダルを獲得している。2004年アテネ・オリンピックでは全米で最多となる56人の選手を送り込み、合計19のメダルを獲得した。
またUCLAのカレッジ・スポーツに於いて切っても切り離せない存在がUSC(南カリフォルニア大学)とのライバル関係である。両校は同じロサンゼルス市内、同じカンファレンスに属し、過去数々の名勝負を繰り広げてきた。NCAAでの全米優勝回数ランキングに於いても、1位のUCLAに次ぐ優勝回数をUSCは誇り、UCLA最良のライバルとされる。このライバル関係はカレッジ・スポーツの枠を超えた、オリンピック選手輩出数でも見られ、メダル獲得数がUCLA、213個、USC、234個と接戦を繰り広げる。
主な著名人
卒業生は幅広い分野で活躍しており、以下一部を紹介する。 詳細な卒業生リスト[21]
卒業生
【ノーベル賞受賞者】
- ウィリアム・シャープ(経済学者/ノーベル経済学賞受賞:1955年B.A/1956年M.A)
- グレン・シーボーグ(化学者/ノーベル化学賞受賞:1934年B.S)
- ロバート・メリフィールド(化学者/ノーベル化学賞受賞:1944年B.S/1949年M.S)
- ラルフ・バンシュ(政治学者・外交官/ノーベル平和賞受賞:1927年B.A-Summa Cum Laude)
【学会・科学・工学分野】
- トーマス・ユージーン・エバーハート(物理学者/カリフォルニア工科大学元学長:1955年M.S)
- スティーブン・ミュラー(ジョンズ・ホプキンス大学学長)
- ヒラリー・パトナム(哲学者/ハーヴァード大学教授)
- マイク・デイヴィス(都市社会学者/カリフォルニア大学アーバイン校教授)
- エリザベス・ロフタス(認知心理学者/カリフォルニア大学アーバイン校教授:1966年:B.A & B.S)
- ジェフリー・マーシー(天文学者/太陽系外惑星の観測の第一人者:1976年B.S)
- デイビッド・パターソン(計算機科学者/カリフォルニア大学バークレー校教授:1969年B.A)
- デイヴィッド・ホー(外科医/AIDS研究者:MD)
- チェールス・E・ヤング(前UCLA学長)
- フレッド・ホイップル(天文学者:1927年B.S)
- フレッド・アンダーソン(アップル・コンピューターCFO:M.B.A)
- ポール・バラン(情報工学者:分散型コミュニケーション・ネットワーク)
- ジョン・ポステル(コンピューター科学者(インターネットの神との異名を取る)/1966年B.S/1968年M.S/1974年Ph.D)
- ヴィントン・サーフ(情報工学者(インターネットの父の一人))
- トム・アンダーソン(MySpace(SNS)創設者:M.A)
- ヘンリ・サミュエリ(電気工学者/ブロードコム設立者:1975年B.S/1976年M.S/1980年Ph.D)
【宇宙飛行士】
- ウォルター・カニンガム(NASA宇宙飛行士:1960年B.A/1961年M.S)
- ストーリー・マスグレイブ(NASA宇宙飛行士)
- エリオット・シー(NASA宇宙飛行士)
- ジョン・L・フィリップス(NASA宇宙飛行士:1984年M.S/1987年Ph.D)
- テイラー・ワン(NASA宇宙飛行士:1968年B.S/1969年M.S/1971年Ph.D)
- アナ・フィッシャー(NASA宇宙飛行士:1971年B.S/1976年M.D)
【芸術・文学分野】
- キャサリン・アサロ(SF小説家:B.S)
- ジェームス・ロバート・ベイカー(小説家)
- ジョナサン・ケラーマン(臨床心理学者/作家:B.A)
- ハリイ・タートルダヴ(作家:Ph.D)
- ジュディ・シカゴ(フェミニスト/作家:M.A)
- ロバート・A・ハインライン(SF作家(世界SF界のビッグ・スリーの一人)
- ビリー・ツィン(建築家:M.Arch)
【映画・TV分野】
- ジェームス・ディーン(俳優)
- フランシス・フォード・コッポラ(映画監督)
- ショーン・アスティン(俳優:B.A)
- エリザベス・バークレー(女優:B.A)
- ゴア・ヴァービンスキー(映画監督(パイレーツ・オブ・カリビアン監督))
- ポール・シュレイダー(映画監督)
- ジーン・ロッデンベリー(映画プロデューサー(「スタートレック」の生みの親)
- ガブリエル・ユニオン(女優)
- ジョージ・タケイ(俳優:B.A)
- ジョエル・サーノウ(映画プロデューサー(「24」脚本作家))
- ベン・スティラー(俳優:退学)
- チャーリー・シーン(俳優)
- ジェームズ・フランコ(俳優)
- スティーヴ・マーティン(俳優)
【政治分野】
- トム・ブラッドレー(元ロサンゼルス市長:B.A)
- ハリー・ロビンス・ハルデマン(実業家/ウォーターゲート事件の中心人物)
- ジョン・アーリックマン(リチャード・ニクソン大統領顧問:B.A)
- ロベルト・マドラゾ(2006年メキシコ大統領選候補)
- ダニエル・ワトソン(米国下院議員:B.A)
- ヘンリー・ワックスマン(米国下院議員:B.A}
- ジョン・キャンベル(米国下院議員:B.A)
- ブラッド・シャーマン(米国下院議員:B.A)
- クリステン・ギリブランド(米国下院議員:J.D)
- ジェリー・ルイス(米国下院議員:B.A)
- ウィリアム・スミス(第74代米国司法長官:B.A)
【その他分野】
- カルロス・カスタネダ(作家/1962年B.A/1971年Ph.D)
- ウボンラット(タイ王国王女)
- チャートリーチャルーム・ユコン(タイ王国王子・映画監督:B.S)
- ジョナサン・ゴールド(ピューリッツァー賞受賞者)
- スティーフェン・ボーレンバック(ヒルトン・ホテル・グループ元CEO)
- イヴァ・トグリ・ダキノ(太平洋戦争中のラジオ・アナウンサー/通称・東京ローズ:B.S)
【日本人卒業生】
- 大串博志(政治家/衆議院議員(民主党):1991年M.B.A)
- 永田寿康(政治家/元衆議院議員(民主党):1995年M.B.A)
- 斉藤淳(政治家/衆議院議員(民主党):1997年政治学研究科入学)
- 野口悠紀雄(経済学者/一橋大学名誉教授:1968年M.A)
- 佐治信忠(実業家/サントリー代表取締役社長:1971年M.B.A)
- 堤猶二(実業家/東京テアトル取締役/元プリンスホテル社長:1965年B.A)
- 林瑞祥(実業家/ヒューマックシネマ会長)
- 村井勝(実業家/コンパック初代会長:1962年M.B.A)
- 湯浅卓(外国法弁護士・タレント:1984年LL.M)
- 田谷禎三(経済学者/元日本銀行政策委員会審議委員:1973年M.A/1976年Ph.D)
- 河東泰之(数学者/東京大学教授:1986年M.S/1989年Ph.D)
- 山崎養世(経済評論家/元ゴールドマン・サックス投信代表取締役社長:1988年M.B.A)
- 鄭大均(社会学者/立教大学教授:1978年M.A)
著名教員(過去の在籍者も含む)
- ポール・ボイヤー(生化学者/ノーベル化学賞受賞)
- ドナルド・クラム(化学者/ノーベル化学賞受賞)
- ルイ・イグナロ(薬理学者/ノーベル生理学・医学賞受賞]
- ウィラード・リビー(化学者/ノーベル化学賞受賞)
- バートランド・ラッセル(論理学者・数学者・哲学者/ノーベル文学賞受賞)
- ジュリアン・シュウィンガー(理論物理学者/ノーベル物理学賞受賞)
- トム・メイン(建築家/プリツカー賞受賞)
- ニール・ディナーリ(建築家)
- グレッグ・リン(建築家)
- ルドルフ・カルナップ(哲学者)
- アロンゾ・チャーチ(数学者)
- ジャレド・ダイアモンド(進化生理学者)
- アルノルト・シェーンベルク(作曲家)
- ハンス・ライヘンバッハ(科学哲学者)
- カルロ・ギンズブルグ(歴史学者)
- アラン・ケイ(計算機学者)
- テレンス・タオ(数学者/フィールズ賞受賞者)
- ウォーレン・クリストファー(元米国国務長官)
- マイケル・デュカキス(元マサチューセッツ州知事/1988年大統領選民主党候補)
- 大前研一(経営コンサルタント)
- 阿部仁史(建築家/日本建築学会賞受賞)
外部リンク
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- ^ "Enrollment Summary, Fall 2007". UCLA Office of Analysis and Information Management. 2008年4月1日閲覧。