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2008年3月21日 (金) 18:52時点における版
コミュニケーション (英Communication) とは、複数の人間や動物などが、感情、意思、情報などを、受け取りあうこと、あるいは伝えあうこと。
概説
コミュニケーションの定義は多種多様であるが、広義には、記号などの何らかの因子の移動を伴う、ある分けられる事象間の相互作用の過程を意味している。
コミュニケーションを発信と応答という観点から見た場合、ある個体のアクションに応じて別の個体にリアクションが生じた場合、両者の間にコミュニケーションが成立していることになる[1] 。コミュニケーション行動の機能は、たんに情報の伝達にとどまらず、情動的な共感、さらには相手の行動の制御をも幅広く含んでいる[2] 。
コミュニケーションは、記号を介して成立する。これは、形のないものを伝えるためには、その形のないものを指し示すような、形のあるもの(記号)を介することが必要となるためである。典型的な記号は、言語であるが、非言語的な媒体も、それらがたとえば、ボディ・ランゲージというように、解読すべき言語に議せられていることからもわかるように、他のものを指し示す記号として機能する[3] 。
コミュニケーションの成立は、そのための適切な発信行動が取られたというだけではなく、受け手が適切なシグナル・媒体に注意を向け情報を受信した上で、さらに的確な理解をしているかどうか、という点にもかかっている。記号の解釈にあたっては、相補的関係にあるコンテクスト(非言語的な文脈)とコード(言語的な約束)とが参照される[4] 。定められたコードを参照するだけでは、メッセージが解読できないとき(たとえば子供のコミュニケーション)、コンテクストが参照され、受信者による推定が加わる事になる[5] 。
コミュニケーションによって、受け取られる/伝えられる 情報の種類は、感情、意思、思考、知識など、様々である。受け取る/伝える ための媒体としては、言葉、表情、ジェスチャー、鳴き声、分泌物質(フェロモン等)などが用いられている。動物の媒体[6] と人間の媒体を比較すると、人間の媒体には(身体の動作、表情、フェロモンなどの動物と共通の媒体に加えて)言語がある、という点が異なっている。
コミュニケーションは、その相互作用の結果として、ある種の等質性や共通性をもたらすことも少なくない。[7] 人間の場合は特に、他者に対して自分の心の状態を伝えることで働きかけるだけでなく、他者から受け取った情報により、相手の心の状態を読み取ったり共感したりすることも含まれる(他者理解)[8] 。
尚「コミニュケーション」「コミニケーション」という表記は誤字であるが、カタカナ語表記にはつづりと発音という二面性を持つため統一が難しく、表記がゆれることも多い。
分類
コミュニケーションは様々に分類が可能である。一例として、言語の使用/不使用 で分類するならば以下のような分類も可能である。
語源
- 英語:communication = ラテン語:communis ( common, public, 共通の) communio(交わり, comm共に unio一致)+ munitare(舗装する, 通行可能にする)
関連理論
関連項目
参考文献・脚注
- ^ 『心理学』東京大学出版会 ISBN 4130120417
- ^ 『心理学』東京大学出版会 ISBN 4130120417
- ^ 池上嘉彦『記号論への招待』岩波書店
- ^ 池上嘉彦ほか『文化記号論への招待』有斐閣1983 ISBN 464102345X
- ^ 脳科学では、言語的な理解を主に担っている左大脳半球に障害を負ったウェルニッケ失語症の人々は、語られたことの意味を理解できない反面、それがどのように 語られたかという非言語的な理解(またそれによる他者の感情の理解)では、障害を負っていない人々よりも優れた理解を示す。これは、右大脳半球が主に非言語的な理解を担っていることによると考えられている。
- ^ 動物行動学では、相手の本能行動に影響を与えるための特定の信号は「リリーサー」ないし「解発刺激」と呼ばれ、コミュニケーションの手段として機能するP.J.B. スレーター(1994)『動物行動学入門』岩波書店。
- ^ そもそもコミュニケーション(Communication)という語は、ラテン語のコムニカチオ(communicatio)に由来し、「分かち合うこと」を意味するものである。
- ^ 他者理解の困難な自閉症の子どもは、ポテトチップスの筒の中にアイスバーが入っていることを知らされても、他の子どもであればその筒の中にはポテトチップスが入っていると答えるはずだ、ということが推測できないことがある(サリー・アン課題も参照)。
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