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「ラクス・クライン」の版間の差分

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==逸話==
==逸話==
物語上、一貫して'''「平和を訴え続ける歌姫」'''として描かれている。しかし、[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]においてはフリーダムを修理する等の戦前からのクライン派武装組織の編成、核動力MSを初めとした武装の保持、連合、ザフト両陣営に対する数々の武力行使、劇中終盤におけるザフトへの敵対、傷ついたアスランを再び戦に駆り立てるなど、作中で定義されている「平和を訴え続ける歌姫」としての彼女とは大きく逸脱していると判断できる描写が多数存在した。
物語上、一貫して'''「平和を訴え続ける歌姫」'''として描かれている。しかし、[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]においてはフリーダムを修理する等の戦前からのクライン派武装組織の編成、核動力MSを初めとした武装の保持、連合、ザフト両陣営に対する数々の武力行使、劇中終盤におけるザフトへの敵対(追記) (暗殺しようとしたのは議長の方が先であるが) (追記ここまで)、傷ついたアスランを再び戦に駆り立てるなど、作中で定義されている「平和を訴え続ける歌姫」としての彼女とは大きく逸脱していると判断できる描写が多数存在した。


これについて監督である[[福田己津央]]は、『DESTINY』放映終了後のインタビューで 「人類を救うためしなければならないと思ったことを実行して世界を丸く収めようとしたデュランダルを討ったキラ、ラクス側は若干正義から外れている」「デュランダルを悪役のように描いたのは演出上の問題であって自分自身はデュランダルを悪だと思っていない」「アスランはDESTINY終盤ラクス達と行動を共にしたが、彼女らの行いが本当に正しいかどうか常に疑念を抱いていた」といった、キラ、ラクス側が必ずしも絶対的な正義と呼べる存在ではないという旨の発言を行っている。
これについて監督である[[福田己津央]]は、『DESTINY』放映終了後のインタビューで 「人類を救うためしなければならないと思ったことを実行して世界を丸く収めようとしたデュランダルを討ったキラ、ラクス側は若干正義から外れている」「デュランダルを悪役のように描いたのは演出上の問題であって自分自身はデュランダルを悪だと思っていない」「アスランはDESTINY終盤ラクス達と行動を共にしたが、彼女らの行いが本当に正しいかどうか常に疑念を抱いていた」といった、キラ、ラクス側が必ずしも絶対的な正義と呼べる存在ではないという旨の発言を行っている。

2008年2月15日 (金) 13:19時点における版

ラクス・クライン(Lacus Clyne) は、アニメ機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』などのフィクション作品に登場する、架空の人物。(:田中理恵)。

概要

ラクス・クラインはプラント最高評議会議長シーゲル・クラインの一人娘である。
美しい声の歌姫としても有名でありプラントの国民的アイドルとして絶大な人気を集めている。その影響力もあってか、本人の意思とは別にユニウスセブン追悼慰霊団の代表を務めるなど公的行事にも度々参加していた。
プラント国防委員長パトリック・ザラの息子アスラン・ザラの元婚約者でもある。しかしこれは両者の意思ではなく、プラントの婚姻統制と両者の親同士の政治的配慮によるものと思われる。アスランからプレゼントされたハロを今でも大切にしており、特に最初にもらったピンク色のハロがお気に入りのようである(ラクスはそのハロの事を『ピンクちゃん』と呼んでいる)。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


個人データ

矢印右はSEED DESTINY時のデータ。

  • 人種:コーディネイター(二世代目)
  • 生年月日:C.E.55年2月5日
  • 星座:水瓶座
  • 血液型:B型
  • 年齢:16歳⇒18歳
  • 身長:158cm⇒160cm
  • 体重:53kg⇒46kg
  • 髪色:桃
  • 瞳:水色
  • 髪飾り:2枚の三日月
  • 出身:プラント アプリリウス市

衣装

ラクスは作中人物の中では衣装のバリエーションが多く、陣羽織のような和風の衣装も着用する。 オーブでは日本語が使われていることを合わせ、プラントやオーブに日本に近い文化も存在することを窺わせる描写になっている。 OP、EDではカガリと共にドレス着用が多く、二人ともボディラインが見えるほどの薄い物を着ている。

SEED

ラクスはSEEDを持っており、TVシリーズで発動させているシーンもある。
しかしTVシリーズではSEEDは戦闘以外に使われていないものであり、しかもラクスは艦の指揮をバルトフェルドに任せていた。そのうえ何の前振りもなく発動したため「ラクスのSEEDには何の意味や効果があるのか」といった疑問の声があがっている(『SEEDを持つものが世界を救う』というマルキオの言葉から、その一人がラクスである、という解釈が出来ないわけでもない)

劇中ではSEEDがはじける場面は描かれていないが、スーパーロボット大戦シリーズでは描かれている。

経歴

機動戦士ガンダムSEED

ユニウスセブン追悼式典の準備のため視察に赴いていたところ地球連合軍に遭遇し、諍いから逃れる為緊急避難ポッドで脱出するも、物資補給のためユニウスセブンに寄っていたアークエンジェルに回収されキラ・ヤマトと出会う。その後ザフト軍との戦闘の最中、アークエンジェルの危機に際して人質として利用されるが、その仕打ちに不満を抱いたキラによって秘密裏に連れ出され、ザフト軍のアスラン・ザラに引き渡される。

その後、アスランとの死闘の末に重傷を負ったキラをマルキオ導師から託され、プラントの自邸に匿い、キラに対して看護などを行なう。
ザフト軍のオペレーション・スピットブレイク始動後、地球に戻ることを決意したキラにフリーダムを授ける。しかし監視カメラに捉えられていたラクスはプラント最高評議会議長パトリック・ザラにより国家反逆の罪で指名手配犯にされる。
クライン派の協力によって国民に反戦メッセージを送りつつ逃亡生活を続けるが、その途中父親シーゲル・クラインの訃報を受け取る。また、アスランと再会し、真相を問い質してくる彼に対して逆に何を信じて戦うのかと反問、アスランのザフト離反の契機をなした。

その後アンドリュー・バルトフェルドマーチン・ダコスタ等クライン派と共に高速戦艦 エターナルを奪取、父と訣別したアスランを救出しプラントを脱出する。
ヤキン・ドゥーエ防衛軍に追撃され窮地に陥ったところをフリーダムを駆るキラに救われそのままアークエンジェル、クサナギと合流、プラントでも連合でもない第三勢力としてキラやアスランたちと共に戦争終結のため尽力した。この時結成された部隊に正式名称は存在しないが、俗称として三隻同盟という名称が存在する(なおこの頃、アスラン自身がカガリの『お前の婚約者じゃないのか』という旨の問いに『元...ね』と応えていること、そしてキラに指輪を贈るなどのモーションから婚約は解消されたと思われる。ただし、公式には発表されていないようで、DESTINYの頃でもラクスはアスランの婚約者だと一般市民は思っていたようである)。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY

停戦後はオーブ近海のアカツキ島にあるマルキオの孤児院でキラと共に隠棲生活を送っていた。 ユニウスセブン落下テロによって孤児院を失った後はオノゴロ島にあるアスハ首長家の別邸に移るが、謎のコーディネイターの暗殺部隊に襲撃される。[1] なんとか事なきを得たもののプラントで自らの身代わりを務めるミーア・キャンベルの存在や暗殺未遂の件にギルバート・デュランダルへの疑念を募らせ、アークエンジェルに搭乗しプラントでも連合でもない第三の立場から平和への道を模索する。

プラントの情勢・議長の真意を知るため宇宙へ上がった後は前大戦後から秘匿していた高速戦艦エターナルを及び拠点とし、「ファクトリー」「ターミナル」といったクライン派関連の組織の協力の元、MS(ストライクフリーダムインフィニットジャスティスドムトルーパー)の開発やコロニー・メンデルでの調査活動を指揮。
メンデルの遺伝子科学研究所に残された古い記録からギルバート・デュランダルの真意を推知する。
インフィニットジャスティスに乗り、宇宙からオーブへと大気圏を突き抜け降下。アークエンジェルに合流をして、オーブに戦力を支援する。その後、ラクスを演じるミーアによってカガリの演説が妨害された際、彼女の隣で自らが本物のラクス・クラインである事と、デュランダルとジブリールの考えに賛同していない事を表明する。

宇宙にてキラ、地球でアークエンジェルと合流した後は再び宇宙に上がり、ミーアとの邂逅[2] 、そして別れを経験する[3] 。デュランダルがアルザッヘル基地に向けてレクイエムを使用した事によりラクスは、デュランダルと戦う事を決意。エターナルに乗艦しオーブ、ザフト・クライン派、地球連合による連合艦隊に協力し、終戦までその指揮を執った。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY FINAL PLUS〜選ばれた未来〜

オーブの慰霊碑前でキラとシンの会話を横で見守る。メサイア陥落後オーブ、プラント両国間の仲介をし、停戦協議が合意後プラント最高評議会の招聘を受けてプラントに戻り、イザークらと共に最高評議会議長らしき服装で(映像中では役職は明確に示されてはいない)プラント最高評議会に臨む。

各種ゲームにおけるラクス・クライン

ゲームに登場するラクス・クラインは角川小説版やジ・エッジ、ボンボン版などのメディアミックス作品と同じく、作品独自の設定付けが非常に多い。特にラクス自身が自らの考えを露見させることがアニメとの大きな差異であり、特徴でもある。現在のところアニメにおけるラクスと全く同じ描かれ方をしたゲーム作品は存在していない。最もアニメに近い描かれ方をされているのは、アニメを忠実に再現したSDガンダム GGENERATIONシリーズである。ただし、こちらでも言動には多数の変更点がある。

戦争に心痛めるプラントの歌姫。彼女の設定には、テレビシリーズの設定のみが用いられており、ジャンク屋・クライン派などとの協力関係といった部分はこのゲームでは削除されている。また、エターナル、フリーダムの強奪はバルトフェルド他ごくわずかの仲間と共に衝動的に起こした行動とされている。
TVシリーズではSEEDがはじける場面は描かれていないが、このゲームでははじける場面が描かれている。
原作では語らなかった、自分の戦う理由を僅かながらに打ち明けられる。戦争の中でプロパガンダとしてしか歌う事しか出来なかったラクスは、ある時戦場で戦いを止めるために歌を歌う熱気バサラの存在を知り、「自分が誰のために歌うのか、本当に歌いたい世界は何処なのか」と考えた時、戦いに身を投じる決意をしたと語っている。この経緯からラクスはバサラを同じ歌手として尊敬している(バサラからは「歌の艦長」と呼ばれる)。また、ミレーヌ・ジーナスの事も高く評価していた。その他にもプロトデビルンとの決戦にて、歌を歌いαナンバーズを応援したリン・ミンメイの姿を見て「自分の進む道を見つけた」と発言している。
援護用な精神コマンドを多く持つので、サポート能力が高い。SEED技能を持っているが、能力があまり高くないため「バルトフェルドとパイロットを交代して欲しい」という意見が多かった(後述の「スーパーロボット大戦J」にて交代は可能になった)。

原作と役どころは殆ど同じ。

天然気味な性格が強調されており、エターナルで味方と合流した際、ナデシコの名前が「可愛らしい」と発言し、ミスマル・ユリカと意気投合している。
エターナルの初期メインパイロットになっているが、今回はバルトフェルドと交代できる(その場合はサブパイロットとなる)。防御が低く、また戦艦には向かない性格である「冷静」(被弾すると気力が下がる)である。SEEDが発動すれば多くの能力がバルトフェルドよりも上回るが、前述の通り被弾すると気力が下がる事から、コーディネイター技能の気力による能力上昇を上手く発揮しにくいため、結局被弾での気力低下がないバルトフェルドの方が安定していると言える。ただし、ゲームの性質上、スキルパーツを付けたりエターナルを改造したりすれば強くする事はできる。

原作と役どころは殆ど同じ。

今回は火星の後継者に付け狙われており、第二部後半で、フレイ・アルスターを守るために、ラウ・ル・クルーゼの攻撃からエターナルで庇い、その際の混乱で火星の後継者に誘拐されてしまう。演算ユニットに接続されたミスマル・ユリカを安定させるためにその歌を利用されそうになり、当初は拒否していたもののテレサ・テスタロッサ(以下テッサ)の勧めで最終的には歌う事になる。テッサの狙いはラクスの歌で火星の後継者達の戦意を揺さぶり、彼らの部隊の一部を投降させる事であり、それに成功する。その後、ノイ・ヴェルターに合流してエターナルで戦う。
なお、今回はバルトフェルドとの乗り換えが出来ず、性格も変わっていないため、戦闘面ではやや使いづらい。
PS2機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.IIでは、パイロットとして使用可能である。

C.E.73-Extraステージからエターナルに乗艦し戦闘に参加する。その結末は物語の進行によって大きく変化する。ただ、ラクス視点から見るとシナリオのほとんどがバッドエンド。

Extra3c「歌姫達の声」
ミネルバとの戦闘でキラ・ヤマトを失い、キラの仇を討とうとする。ミーアの護衛任務中のミネルバ隊に戦闘を仕掛けるが、乗艦を撃破され死亡。
Extra4a「蘇える光」
最終局面において、ジブリール亡き後のロゴス残党と、月面プトレマイオス基地に向けてネオジェネシスを撃とうとするデュランダル率いるザフトの争いを止めるために、オーブ軍と連合し、戦場に乱入する。しかし、乗艦を撃破されてしまい死亡した。
Extra4b「重なる明日」
ほぼアニメのストーリー通りに行動し、ミネルバと何度も交戦する。最終的に連合・ザフト両軍を止めるためオーブ軍と連合し、戦場に乱入する。このシナリオでは乗艦を撃破されても死亡せず、撤退する。ジブリール艦を撃沈した場合のみ、オーブと共に両軍を調停する。

クライン派

三隻同盟を併せて参照

クライン派とはSEEDの物語中では、彼女の父シーゲル・クラインとその支持派を中心とした穏健派のことだった。しかしシーゲルが暗殺された事により、クライン派は「ラクス・クラインの支持者」という意味に近くなっている。シーゲル・クライン暗殺後、ラクス・クラインに協力した者たちの中には、機密情報の横流し、情報操作などプラントへの敵対行為を行ったものも多数存在する。これによってザフト軍に多大な損害を与えた事から、ザフトには敵視している人物もいる。SEED以降ではラクス・クラインに協力し、秘密組織「ターミナル」や「ファクトリー」への機密情報や機体の横流し、情報操作、隠蔽工作などを積極的に行う過激派がその中核を担うようになる。このため本来の意味でのクライン派は表舞台から姿を消すこととなった。

DESTINYの劇中ではエターナルの隠匿、支援組織の「ターミナル」や「ファクトリー」によるストライクフリーダムガンダムインフィニットジャスティスガンダムドムトルーパーなどモビルスーツの密造、ミネルバが地球軍から奪還したガイアガンダムの横流しを行っている(アークエンジェルとフリーダムガンダムの隠匿と修理、改修はオーブの力を借りて行っていた)。また、ヒルダ、マーズ、ヘルベルトの3人組といった、ラクスの行動こそが世界を平和に導く唯一無二の方法と考え行動するラクス至上主義者も登場した。

これらクライン派の詳しい設定はアニメ雑誌や設定資料集、外伝作品でしか描かれておらず、[4] テレビシリーズではラクス・クラインに協力する謎の組織として描かれている。

逸話

物語上、一貫して「平和を訴え続ける歌姫」として描かれている。しかし、機動戦士ガンダムSEED DESTINYにおいてはフリーダムを修理する等の戦前からのクライン派武装組織の編成、核動力MSを初めとした武装の保持、連合、ザフト両陣営に対する数々の武力行使、劇中終盤におけるザフトへの敵対(暗殺しようとしたのは議長の方が先であるが)、傷ついたアスランを再び戦に駆り立てるなど、作中で定義されている「平和を訴え続ける歌姫」としての彼女とは大きく逸脱していると判断できる描写が多数存在した。

これについて監督である福田己津央は、『DESTINY』放映終了後のインタビューで 「人類を救うためしなければならないと思ったことを実行して世界を丸く収めようとしたデュランダルを討ったキラ、ラクス側は若干正義から外れている」「デュランダルを悪役のように描いたのは演出上の問題であって自分自身はデュランダルを悪だと思っていない」「アスランはDESTINY終盤ラクス達と行動を共にしたが、彼女らの行いが本当に正しいかどうか常に疑念を抱いていた」といった、キラ、ラクス側が必ずしも絶対的な正義と呼べる存在ではないという旨の発言を行っている。

アニメ雑誌の人気投票ではヒロインとして人気でもあるが、悪役としてキラと共に上位にランクインした事もある[5]

余談

脚注

  1. ^ 本編終了後に、デュランダル議長が背後で操作していたと(直接命令を出していたのか間接的にそうなるよう仕向けたのか、どちらにも受け取れる)、監督からのコメントがある。
  2. ^ これに先立ったコペルニクスでの外出時に、一般市民もいる店舗内で被っていたフードを取り素顔をさらしていたが、誰もラクスに気付かず、騒ぎにもならなかった。
  3. ^ 小説版『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY』(角川スニーカー文庫)ではミーアがデュランダルに利用され、結果的に死んでしまったのは自分が力を持っていながらそれを行使せずにキラと共に隠棲生活に入ったためだと後悔する一幕がある。(隠棲生活に入ったもう一つの理由してあげられているのは、大戦で自身も精神的な傷を負ったこともあるとされている。)
  4. ^ アニメージュ、機動戦士ガンダムSEED ASTRAYシリーズ、機動戦士ガンダムSEED DESTINY OFFICIAL FILE、機動戦士ガンダムSEED(角川スニーカー文庫)機動戦士ガンダムSEEDDESTINY(角川スニーカー文庫)
  5. ^ ガンダムエース、アニメージュ、アニメディア、コミックボンボン

関連項目

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