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「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
この協定の主要骨格は、第1条、第2条、および、第3条である。
この協定の第2条1項において、大韓民国政府と日本政府は「日韓間の両国間及び国民間の請求権に関する問題は完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」としている<ref>[http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/JPKR/19650622.T9J.html 日韓請求権並びに経済協力協定(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)] 日本政治・国際関係データベース 東京大学東洋文化研究所 田中明彦研究室 </ref>。


第1条が日本から[[大韓民国|韓国]]に対して経済協力が行われるための手順規定、第2条が日韓両国間の請求権問題が「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」目標規定および例外規定、第3条が日韓両国間で「この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争」を解決するための手順規定となっている<ref name="eisaku19651218">{{cite web
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この協定に(追記) 基づき、[[日本]]は、韓国との正式国交開始と同時に (追記ここまで)、当時世界最貧国のひとつであったに対し、合計5億米ドル(無償3億米ドル、有償2億米ドル)及び民間融資3億米ドルの経済協力支援を行った。当時の韓国の国家予算は3.5億米ドル程度、日本の外貨準備額は18億米ドルであったことから、その額の膨大さが推し量れる。(追記) 韓国は、 (追記ここまで)(追記) の日本から (追記ここまで)の経済協力金を(追記) 原資 (追記ここまで)として、(追記) 国内の (追記ここまで)ダムや高速道路を整備し(追記) 、「 (追記ここまで)[[漢江の奇跡]](追記) 」 (追記ここまで)を成し遂げた。


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[[2009年]][[8月14日]]、ソウル[[行政裁判所]]は、[[大韓民国外交通商部]]が裁判所に提出した書面に日本に動員された者の賃金は請求権協定を通じて、日本から無償で受け取った3億ドルに含まれていると記述されていることを明らかにしている<ref>{{cite news
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同年[[3月17日]]、(削除) 日本政府は再度 (削除ここまで)「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定により、両国間における請求権は、完全かつ最終的に解決されている」と(削除) の (削除ここまで)見解を発表した<ref>{{cite news
(追記) これに対して日本政府は、 (追記ここまで)同年[[3月17日]]、「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定により、両国間における請求権は、完全かつ最終的に解決されている」と(追記) いう (追記ここまで)見解を発表した<ref>{{cite news
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しかしながら、この日本政府の見解は、「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」の実際の内容とは完全に食い違っており、韓国政府には全く受け容れられておらず、むしろ、日本人が各国の日本への慰安婦謝罪要求決議(e.g.[[アメリカ合衆国下院121号決議]]、[[オランダ下院慰安婦問題謝罪要求決議]]、[[カナダ下院慰安婦問題謝罪要求決議]])にもかかわらず昭和戦前の歴史について全く無反省である証拠として韓国人を怒らせたり日本人を侮蔑させたりする原因となってしまっている。なぜなら、協定は、前文で「日本国及び大韓民国は、(中略)請求権に関する問題を解決することを希望し」、そのため、2条1項で「日韓間の両国間及び国民間の請求権に関する問題は完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」ことを目標として掲げ、更にそのため、3条1項「この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする」と規定し、その上、3条2,3,4項において両国間の直接外交で解決しない場合に備え「仲裁」によって解決する旨の規定まで具備している<ref name="eisaku19651218" />からである。
(削除) 他方で、韓国では、 (削除ここまで)2012年5月24日、第二次世界大戦の際に労働者として徴用された韓国人9名が三菱重工と新日本製鉄に対して損害賠償を請求した訴訟の上告審において、[[大韓民国の政治#司法|大法院]]が、個人の請求権は消滅していない、との判断を下し、原審に差し戻した。これは、日本政府との見解とも韓国政府の見解とも相違するものであり、議論を呼んでいる。更には[[小和田恒]](当時外務省条約局法規課員)が、日本政府が繰り返す従来からの見解とは正反対の"対立する問題は外交交渉により解決すべき"との文書『解説・日韓条約』をまとめていたことが、2013年8月に判明した<ref>『[[法律時報]]』1965年9月号、日本評論社刊。[http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-07/2013080701_04_1.html "対立見解は外交で解決" 日韓請求権協定締結時に外務省 「慰安婦」賠償問題 笠井氏調査で判明] [[しんぶん赤旗]]2013年8月7日</ref>。

そもそも第1条の経済協力金と第2条の請求権が関連付けられている条文、すなわち、『日本から韓国への経済協力金によって韓国から日本へのあらゆる請求権が「完全かつ最終的に」相殺された』と規定している条文が存在していない。また、第2条の請求権問題と第3条の問題解決手順とが無関係と読める条文、すなわち、『第3条の解決手順の規定によって解消されるべき問題は、経済協力問題のみであり、請求権問題は一切除外されている』と読める条文も存在していない。

また、現実問題としても、日本政府は、1996年(平成7年)7月発足の「女性のためのアジア平和国民基金」による「償い」<ref name="tomiichi1996">{{cite web
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つまり、客観的事実としては、『日韓両政府は、[[1965年]][[12月18日]]発効の「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」に基づき、両国間における請求権が「完全かつ最終的に解決」されたこととなったと確認した』という趣旨の確認合意をいまだに取り交わしていないままである。

2012年5月24日(追記) 、韓国では (追記ここまで)、第二次世界大戦の際に労働者として徴用された韓国人9名が三菱重工と新日本製鉄に対して損害賠償を請求した訴訟の上告審において、[[大韓民国の政治#司法|大法院]]が、個人の請求権は消滅していない、との判断を下し、原審に差し戻した。これは、日本政府との見解とも韓国政府の見解とも相違するものであり、議論を呼んでいる。更には[[小和田恒]](当時外務省条約局法規課員)が、日本政府が繰り返す従来からの見解とは正反対の"対立する問題は外交交渉により解決すべき"との文書『解説・日韓条約』をまとめていたことが、2013年8月に判明した<ref>『[[法律時報]]』1965年9月号、日本評論社刊。[http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-07/2013080701_04_1.html "対立見解は外交で解決" 日韓請求権協定締結時に外務省 「慰安婦」賠償問題 笠井氏調査で判明] [[しんぶん赤旗]]2013年8月7日</ref>。


== 主な合意内容 ==
== 主な合意内容 ==

2014年1月28日 (火) 02:59時点における版

財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定
通称・略称 日韓請求権並びに経済協力協定、韓国との請求権・経済協力協定
署名 1965年 6月22日(東京)
発効 1965年12月18日
言語 日本語および韓国語
主な内容 日本国と大韓民国の間の請求権と経済協力に関して定める
関連条約 日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約
条文リンク 韓国との請求権・経済協力協定 (PDF)
韓国との請求権・経済協力協定 (PDF) - 外務省
ウィキソース原文
テンプレートを表示
韓国政府代表として協定に署名した李東元外務部長官

財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(ざいさんおよびせいきゅうにかんするもんだいのかいけつならびにけいざいきょうりょくにかんするにほんこくとだいかんみんこくとのあいだの協定)とは、1965年に日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約と同時に締結された付随協約のひとつ。日韓請求権並びに経済協力協定

概要

この協定の主要骨格は、第1条、第2条、および、第3条である。

第1条が日本から韓国に対して経済協力が行われるための手順規定、第2条が日韓両国間の請求権問題が「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」目標規定および例外規定、第3条が日韓両国間で「この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争」を解決するための手順規定となっている[1]

この協定に基づき、日本は、韓国との正式国交開始と同時に、当時世界最貧国のひとつであったに対し、合計5億米ドル(無償3億米ドル、有償2億米ドル)及び民間融資3億米ドルの経済協力支援を行った。当時の韓国の国家予算は3.5億米ドル程度、日本の外貨準備額は18億米ドルであったことから、その額の膨大さが推し量れる。韓国は、この日本からの経済協力金を原資として、国内のダムや高速道路を整備し、「漢江の奇跡」を成し遂げた。

2009年 8月14日、ソウル行政裁判所は、大韓民国外交通商部が裁判所に提出した書面に日本に動員された者の賃金は請求権協定を通じて、日本から無償で受け取った3億ドルに含まれていると記述されていることを明らかにしている[2] 韓国政府は、条約締結時から韓国民に条約内容を伏せており、公式見解が明らかになったのは初めてである[3] 。韓国・朝鮮人は日本政府に補償を求め続けているが、対日請求権資金をすでに受け取っている韓国政府に補償を求めなければならないことも明らかになった[4] [5] 。なお、日本政府は条約締結以前の1946年に企業に対して朝鮮人に対する未払い額を供託するよう指示を行っており、朝鮮人への補償を積極的に行おうとしていた[5] [4]

2010年 3月15日、韓国政府は慰安婦、サハリン残留韓国人、韓国人原爆被害者については対象外だとして「日本政府の法的責任を追及し、誠意ある措置を取るよう促している」と発表した[6]

これに対して日本政府は、同年3月17日、「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定により、両国間における請求権は、完全かつ最終的に解決されている」という見解を発表した[7]

しかしながら、この日本政府の見解は、「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」の実際の内容とは完全に食い違っており、韓国政府には全く受け容れられておらず、むしろ、日本人が各国の日本への慰安婦謝罪要求決議(e.g.アメリカ合衆国下院121号決議オランダ下院慰安婦問題謝罪要求決議カナダ下院慰安婦問題謝罪要求決議)にもかかわらず昭和戦前の歴史について全く無反省である証拠として韓国人を怒らせたり日本人を侮蔑させたりする原因となってしまっている。なぜなら、協定は、前文で「日本国及び大韓民国は、(中略)請求権に関する問題を解決することを希望し」、そのため、2条1項で「日韓間の両国間及び国民間の請求権に関する問題は完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」ことを目標として掲げ、更にそのため、3条1項「この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする」と規定し、その上、3条2,3,4項において両国間の直接外交で解決しない場合に備え「仲裁」によって解決する旨の規定まで具備している[1] からである。

そもそも第1条の経済協力金と第2条の請求権が関連付けられている条文、すなわち、『日本から韓国への経済協力金によって韓国から日本へのあらゆる請求権が「完全かつ最終的に」相殺された』と規定している条文が存在していない。また、第2条の請求権問題と第3条の問題解決手順とが無関係と読める条文、すなわち、『第3条の解決手順の規定によって解消されるべき問題は、経済協力問題のみであり、請求権問題は一切除外されている』と読める条文も存在していない。

また、現実問題としても、日本政府は、1996年(平成7年)7月発足の「女性のためのアジア平和国民基金」による「償い」[8] や日本国首相による「おわび」[8] [9] 、その他各種の事業[10] 、を行っており、上記見解が何重にも論理矛盾を犯している完全に間違った見解であることが日本政府自身の他の言動によって自明である。

つまり、客観的事実としては、『日韓両政府は、1965年 12月18日発効の「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」に基づき、両国間における請求権が「完全かつ最終的に解決」されたこととなったと確認した』という趣旨の確認合意をいまだに取り交わしていないままである。

2012年5月24日、韓国では、第二次世界大戦の際に労働者として徴用された韓国人9名が三菱重工と新日本製鉄に対して損害賠償を請求した訴訟の上告審において、大法院が、個人の請求権は消滅していない、との判断を下し、原審に差し戻した。これは、日本政府との見解とも韓国政府の見解とも相違するものであり、議論を呼んでいる。更には小和田恒(当時外務省条約局法規課員)が、日本政府が繰り返す従来からの見解とは正反対の"対立する問題は外交交渉により解決すべき"との文書『解説・日韓条約』をまとめていたことが、2013年8月に判明した[11]

主な合意内容

日本国が大韓民国に経済協力(無償供与及び低利貸付け)する

  • 第一条
  1. 日本国は、大韓民国に対し、(a)現在において千八十億円(108,000,000,000円)に換算される三億合衆国ドル(300,000,000ドル)に等しい円の価値を有する日本国の生産物及び日本人の役務を、この協定の効力発生の日から十年の期間にわたつて無償で供与するものとする。各年における生産物及び役務の供与は、現在において百八億円(10,800,000,000円)に換算される三千万合衆国ドル(30,000,000ドル)に等しい円の額を限度とし、各年における供与がこの額に達しなかつたときは、その残額は、次年以降の供与額に加算されるものとする。ただし、各年の供与の限度額は、両締約国政府の合意により増額されることができる。(b)現在において七百二十億円(72,000,000,000円)に換算される二億合衆国ドル(200,000,000ドル)に等しい円の額に達するまでの長期低利の貸付けで、大韓民国政府が要請し、かつ、3の規定に基づいて締結される取極に従つて決定される事業の実施に必要な日本国の生産物及び日本人の役務の大韓民国による調達に充てられるものをこの協定の効力発生の日から十年の期間にわたつて行なうものとする。この貸付けは、日本国の海外経済協力基金により行なわれるものとし、日本国政府は、同基金がこの貸付を各年において均等に行ないうるために必要とする資金を確保することができるように、必要な措置を執るものとする。前記の供与及び貸付けは、大韓民国の経済の発展に役立つものでなければならない。
  2. 両締約国政府は、この条の規定の実施に関する事項について勧告を行なう権限を有する両政府間の協議機関として、両政府の代表者で構成される合同委員会を設置する。
  3. 両締約国政府は、この条の規定の実施のため、必要な取極を締結するものとする。

両国は請求権問題の完全かつ最終的な解決の確認を目指す

  • 第二条
  1. 両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
  2. この条の規定は、次のもの(この協定の署名の日までにそれぞれの締約国が執つた特別の措置の対象となつたものを除く。)に影響を及ぼすものではない。(a)一方の締約国の国民で千九百四十七年八月十五日からこの協定の署名の日までの間に他方の締約国に居住したことがあるものの財産、権利及び利益(b)一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であつて千九百四十五年八月十五日以後における通常の接触の過程において取得され又は他方の締約国の管轄の下にはいつたもの
  3. 2の規定に従うことを条件として、一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であつてこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄の下にあるものに対する措置並びに一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もすることができないものとする。

両国はこの協定の解釈及び実施に関する紛争を直接外交あるいは仲裁決定で解決する

  • 第三条
  1. この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。
  2. 1の規定により解決することができなかつた紛争は、いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。
  3. いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき、又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは、仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。
  4. 両締約国政府は、この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。

脚注

  1. ^ a b "日韓請求権並びに経済協力協定(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)". 日本政治・国際関係データベース 東京大学東洋文化研究所 田中明彦研究室. 2014年1月28日閲覧。
  2. ^ "徴用被害者の未払い賃金請求は困難、政府が立場表明". 聯合ニュース . (2009年8月14日). http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2009/08/14/0400000000AJP20090814001100882.HTML 2010年3月16日閲覧。 
  3. ^ "「日本政府への未払い賃金請求は困難」政府が公式見解 韓日請求権協定以降、初の政府公式見解". 朝鮮日報 . (2009年8月15日). http://www.chosunonline.com/news/20090815000026 2010年3月16日閲覧。 
  4. ^ a b "対日補償要求は終了 韓国政府が公式見解". 産経新聞 . (2009年8月16日). http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090816/kor0908161337004-n1.htm 2010年3月16日閲覧。 
  5. ^ a b "「日帝徴用被害者不払い賃金、日本に請求権行使難しい」". 中央日報 . (2009年8月15日). http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=119225&servcode=200&sectcode=200 2010年3月16日閲覧。 
  6. ^ "慰安婦、日本に法的責任 韓国政府が再確認". 産経新聞. (2010年3月15日). http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100315/plc1003152251018-n1.htm 2010年3月16日閲覧。 
  7. ^ "「個人請求権は解決済み」日本外務省が立場表明". 聯合ニュース. (2010年3月18日). http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2010/03/18/0400000000AJP20100318002200882.HTML 2010年3月21日閲覧。 
  8. ^ a b "村山内閣総理大臣による「女性のためのアジア平和国民基金」発足のご挨拶". 日本国外務省 (1996年7月). 2014年1月28日閲覧。
  9. ^ "元慰安婦の方々に対する小泉内閣総理大臣の手紙". 日本国外務省 (2001年). 2014年1月28日閲覧。
  10. ^ "慰安婦問題に対する日本政府のこれまでの施策". 日本国外務省 (2011年). 2014年1月28日閲覧。
  11. ^ 法律時報』1965年9月号、日本評論社刊。"対立見解は外交で解決" 日韓請求権協定締結時に外務省 「慰安婦」賠償問題 笠井氏調査で判明 しんぶん赤旗2013年8月7日

外部リンク

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