分子は3次元立体構造(立体配座)の違いでその性質が異なってくる。分子が複雑になるほど内部回転などによって取り得る立体構造の数は飛躍的に増大する。ここでは環境ホルモン関連分子のうち,内部回転が可能な部位が1ヶ所だけのオクタクロロスチレンについて分子計算を実行した結果を示す。
【本ページの更新情報】
- 2000年06月06日 掲載開始.
- 2002年04月01日 Chem3Dによる生成熱(Heat of Formation)計算結果を追加し,図1も修正.→ 二面角の異なるオクタクロロスチレンの重ね合わせ分子モデル例
◎にじゅうまる以下の数値は,Chem3Dでベンゼン環とビニル基の二面角を10°刻みに変化させた後にPM3計算して得られた構造の分子(図1のようにほぼ4種類に収斂した)について,様々な計算を行った結果である。
εLUMO,εHOMOとそれから算出されるχ,ηはChem3Dで求め,他のデータは,分子モデリングソフトウェアAlchemy 2000およびその補助プログラムのSciQSARとSciLogPによって求めた。
◎にじゅうまる各分子モデルはChemscapeChimeのLipophilic Potential表示機能のRelative MLP Coloringモードで表現している。Absolute MLP Coloringモードに変更するには,分子モデル上で右クリックして表示されるメニューで以下のように指定する(詳細は,Chimeマニュアル参照)。
・Select / Display List / Color / Lipophilic Potential / Absolute MLP Coloring同じく静電ポテンシャル表示に変更するには,以下のようにする。
・Select / Display List / Color / Electrostatic Potential / Rasmol potential Color Scheme (または Color Red-White-Blue)
●くろまるオクタクロロスチレンの構造の違いによる分子計算で得られるデータの変化
数字はφ/°
[埋込みオブジェクト:new/ocs00.mol]
0
[埋込みオブジェクト:new/ocs02.mol]
63.3
[埋込みオブジェクト:new/ocs01.mol]
90.6
[埋込みオブジェクト:new/ocs12.mol]
117.5
* Chem3DによるPM3計算構造のままAlchemy 2000で形状を計算.
* 補助プログラムSciQSARによる再構造最適化・計算による結果.
* 補助プログラムSciLogPによる再構造最適化・計算による結果.
* Chem3Dによる計算結果(Heat of Formation).