「処分システム安全研究所」は、公正中立な立場から処分の問題を考えていく場を提供することを目的に、2008年6月に原子力安全研究協会内に設立されました。
原子力発電や放射線の利用などから生じる高レベル廃棄物及び低レベル廃棄物の処分の検討にあたっては、様々な時空間スケールで進行する相互作用や変化を扱う多岐にわたる学問領域の情報を総合する必要があるのですが、この際に用いる前提や推論にどうしても大きな不確実性が含まれてしまいます。このことが、これまで処分の安全性を判断するための材料や根拠をうまく提供できていない原因の一つだと考えられます。
放射性廃棄物については、その体系を全体として俯瞰しつつ、安全性や合理性を議論する機会や仕組みが必要です。処分システム安全研究所では、処分システムの解析や処分の問題について検討する場を提供して、この場に様々な学問分野にわたるできるだけ多くの研究者や処分関係者にご参加いただき、学際的な議論を通じて、システムとしてみた処分の安全性や合理性について、多くの方々の意見や知見を結集して、より良い処分の実現を目指したいと思っております。
今後とも皆さまのご指導とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
公益財団法人 原子力安全研究協会
処分システム安全研究所
所長 原 啓二