玉川上水と石神井川に挟まれた位置にある小金井公園。本日の見学場所である『江戸東京たてもの園』は、春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉がみごとなことで名高い、この公園のなかにあります。みどりの匂いを胸いっぱいに吸いながら、雑木林に囲まれた広大な原っぱをぐんぐん歩いてゆくと入り口が見えてきました。さあいよいよ、東京の「むかし」に続くエントランスへ、時間旅行のスタート地点です。
日曜日のきょうは、休日ならではの特別なお楽しみも園内のあちらこちらで行われる予定だそうで、いまから心浮き立ちます。入り口でスタッフの方からもらったパンフレットには、園内の建物ガイドやイラストマップが掲載されていました。園内は大きく分けて3つのゾーンで構成されており、西ゾーンには近代住宅や茅葺き民家などの住宅、中央には高橋是清邸など歴史的建造物、東ゾーンには下町の商店街が展示されているもようです。
いざ、商店街に向って歩いてゆくと、池のほとりにあるれんが造りのちいさな建物の前で見慣れない制服姿の男性が立っていました。軒先で赤いランプが灯っているところを見ると交番でしょうか。ということは男性はむかしの警察官さん? この交番、パンフレットによると、デザインや建築様式から考えて明治時代のものと推定されているとか。そういえば、この社会見学の第3回、神田川エコクルーズで、万世橋をくぐりました! あの一角に、かつてこの交番があったんだなあと思うといやはや感慨深い......。
下町中通りにある「小寺醤油店」。大正期から、現在の港区白金で営業していたそう。当時は、量り売りでした。
化粧品の製造販売を行っていた「村上精華堂」。古代ローマ風の柱を取り入れた西洋風建物が、美を扱う店にふさわしい。
万世橋交番は、いまでは見られないれんが造り。夜勤のおまわりさんのために、寝泊まりできる設備も整っているとか。