余震なほ厚着のままに浅眠り
品川鈴子
船出
200104
寒暁の余震を知らず疲れ寝ね
品川鈴子
船出
200104
飾りたる雛に余震ありにけり
品川鈴子
船出
200104
ぶらんこの余震しばらく続きをり
櫂未知子
銀化
200206
余震なほつづく大地へ種を蒔く
加古みちよ
冬菜畑
200301
余震来る被災地にお座成りな計画
松山律子
六花
200412
余震なほ穭は伸びること必死
三留早苗
沖
200501
煮凝や余震なかなか収まらず
大山文子
火星
200502
露寒のつづく野宿に余震なほ
安原葉
ホトトギス
200503
落葉降る日々とはなるも余震なほ
安原葉
ホトトギス
200503
また余震廃墟の村に雪崩来る
服部菰舟
雨月
200504
熊穴に入りしか余震もうなきか
木村享史
ホトトギス
200505
余震五強安定剤に風邪薬
菅沼義忠
濱
200505
残る虫鳴くこと忘れ余震かな
清水さだひこ
集
200505
春暁の秒針なぞる余震かな
栗栖恵通子
槐
200507
燕来る余震の島の古りし巣に
遠野萌
空
200507
三月の沖の暗さや余震なほ
青山悠
空
200507
春眠の底に亀裂の大余震
秋千晴
空
200507
金魚鉢すこしずらせる余震かな
柴田佐知子
空
200509
春眠を真二つに裂く大余震
秋千晴
空
200510
凩の中の余震のいかばかり
稲畑汀子
ホトトギス
200511
悴みて又の余震に怯えをり
安原葉
ホトトギス
200705
『大辞林』余震の卓に冴えかへる
定梶じょう
あを
200705
うぐひすや余震やうやく遠のきて
田村愛子
万象
200706
避難所に又も余震のある遅日
藤浦昭代
ホトトギス
200709
螢籠深夜の余震揺りてけり
定梶じょう
あを
200709
余震にも遭ひつつ見舞来し遅日
藤浦昭代
ホトトギス
200710
余震なほ来るやも知れず青田波
若井新一
狩
200711
余震なほ棚田の畦を塗り直し
渡部節郎
転舵の渦
200911
ゆらゆらとおぼろの闇に余震かな
尾形照夫
投稿(座間市)
201103
恋猫の出てゆく闇や余震なほ
神蔵器
風土
201105
本震余震ゆれは変らず春の闇
吉田政江
沖
201105
執拗な余震に街の冴返る
上谷昌憲
沖
201105
余震慣れせし犬ふぐり犇けり
上谷昌憲
沖
201105
雛菊の細かな揺れや余震なほ
辻直美
沖
201105
まだつづく余震寒さもぶり返し
大畑善昭
沖
201105
余震なほ風の階見ゆ紫木蓮
安藤しおん
沖
201105
震度五の余震に立ちて卒業す
脇坂淳
投稿
201105
また少し身ぬちの余震梅雨に入る
片伯部淳
投稿
201105
春の蚊が余震の中を飛んでゐる
篠田純子
あを
201105
をしみなき剪定の音余震あり
早崎泰江
あを
201105
まんさくの花の終りの余震かな
篠田純子
あを
201105
梅雨深し余震といへど震度五
今村征一
投稿(金沢)
201106
被災地の卒園式や余震なほ
長濱順子
璦
201106
花曇り目まひ虚実に余震なほ
森下康子
璦
201106
余震また余震卯の花腐しかな
今村征一
投稿(金沢)
201106
春風を余震とまがふ身の揺ぎ
池元道雄
馬醉木
201106
余震なほむらさき閉ざすクロッカス
池元道雄
馬醉木
201106
余震また余震蛤砂を吐く
田村園子
鴫
201106
牡丹の蕾傍ら余震に耐ふ
森さち子
鴫
201106
余震なほ夜半のこぶしの花あかり
高橋和女
春燈
201106
ぞつくりと土筆余震はまだつづく
大畑善昭
沖
201106
永き日の余震が余震こぼしけり
酒本八重
沖
201106
己が身の揺れは余震か蝌蚪ぐもり
宮内とし子
沖
201106
踏青や杖曳く土の余震なほ
秋葉雅治
沖
201106
春寒し余震百より覚えざり
吉田政江
沖
201106
余震また余震一気に花こぶし
藤原照子
沖
201106
身の内に棲みつく余震さくら狩
藤原照子
沖
201106
余震なほいつしかさくら蘂降らす
松井志津子
沖
201106
余震にも馴れて蕨のあくを抜く
松井志津子
沖
201106
また余震またまた余震花吹雪く
上谷昌憲
沖
201106
日々余震万朶の花の奥畏る
渕上千津
沖
201106
余震あり桜湯すこし飲みあます
岡部玄治
沖
201106
余震なほおびただしきは杉菜の芽
井原美鳥
沖
201106
余震また畑の崩れに初の蝶
大坪景章
万象
201106
余震に堪え臘涙みつめ春夜更く
菅野蒔子
末黒野
201106
震度5の余震幾度春霙
菅野蒔子
末黒野
201106
夜もすがらつづく余震や雉子啼く
亀卦川菊枝
末黒野
201106
余震の山河円やかに春の月
角谷美恵子
ぐろっけ
201106
余震なほつづく列島鳥帰る
新江たか
ろんど
201106
雨しとど余震おそるる花ミモザ
中田のぶ子
ろんど
201106
月余経て今なほ余震菜種梅雨
落合晃
璦
201107
春荒れの草生す大地余震また
服部早苗
空
201107
ふるさとに余震のつづく朧月
門伝史会
風土
201106
余震なほ犬の遠吠え弥生尽
鈴木石花
風土
201106
春灯に集ふ贅沢余震なほ
山本浪子
風土
201106
余震なほ箪笥の底の花衣
山本浪子
風土
201106
ゆらゆらと黄蝶高みに余震かな
田中藤穂
あを
201106
携帯の告ぐる余震や彼岸寒
小川玉泉
末黒野
201107
余震なほ九段の花の咲き初むに
小川玉泉
末黒野
201107
余震なほ続く春暁海の音
田中臥石
末黒野
201107
余震来て舞ふごと脱げり花衣
田中臥石
末黒野
201107
花菖蒲余震の揺れに箸置きて
鴨下昭
峰
201107
余震なほ春の荷にあるビスケット
岡野ひろ子
峰
201107
明暮れの余震に敏き春障子
藤原照子
沖
201107
今日余震なかりしを言ひ新茶汲む
松井志津子
沖
201107
万緑の真ん中に居て余震なほ
田山登喜子
沖
201107
落花急余震を迎へ撃つごとく
高木嘉久
沖
201107
余震なほ藤房といふ震度計
高木嘉久
沖
201107
花冷えの余震ごもりとなりにけり
門伝史会
風土
201107
帰りゆく鳥よ余震のつづく空
中山純子
万象
201107
初蝶の余震の庭を低くとぶ
鍋島広子
万象
201107
余震なほ花の御堂へ詣でけり
山崎郁子
万象
201107
満開の桜のもとの余震かな
大坪景章
万象
201107
ふつきれぬ余寒と余震そして我
田中貞雄
ろんど
201107
体内に余震棲みつく花馬酔木
入江節子
ろんど
201107
余震頻頻離婚届にサインせる
東亜未
あを
201107
余震なほ頬やはらかに青田風
小島昭夫
春燈
201108
余震なほ日傘青田に囲まれて
鴨下昭
峰
201108
柚子の花余震速報確かめて
鴨下昭
峰
201108
余震なほ植田のみどり濃かりけり
齋藤厚子
鴫
201108
余震また枝を彩る桜の実
小川玉泉
末黒野
201108
夏立つや余震に麻津の街明かり
田中臥石
末黒野
201108
余震またナースの声や黄水仙
城戸緑
末黒野
201108
余震また花大揺れの君子蘭
土田亮
末黒野
201108
白百合の匂ひ乱れの余震かな
荒木甫
鴫
201109
にごり鮒今日も怯える余震あり
早田路香
鴫
201109
まだ続く余震に目覚め春の朝
神田惣介
京鹿子
201109
余震あと野菜花苗分け合へり
菅野蒔子
末黒野
201109
金柑の花の白さや余震あり
須賀敏子
あを
201109
余震なほ川遡る水海月
小川玉泉
末黒野
201110
葉桜の木洩れ日余震なほ潜む
中島讃良
ろんど
201110
秋蝶とすれちがふとき余震なほ
鴨下昭
峰
201111
夏逝けり絶えぬ余震に水備へ
布川孝子
京鹿子
201112
冬に入る追ひ掛くるかに余震なほ
荒木甫
鴫
201202
余震余波あれど浄土ケ浜に月
小島左京
ホトトギス
201203
余震産むために春泥震へをり
布川直幸
峰
201203
いくたびの余震に座る鏡餅
池元道雄
馬醉木
201203
余震又ありて暮春の東京に
稻畑汀子
ホトトギス
201204
余震なほ続きて春分迎へけり
佐藤健伍
峰
201204
余震ある度に濃くなる紅枝垂
品川鈴子
ぐろっけ
201205
余震とも予震とも鳥雲に入る
藤原照子
沖
201205
余震なほ続くなかなり啄木忌
鈴木阿久
峰
201206
余震なほ軋む音あり冴え返る
羽賀恭子
峰
201206
星々を縫うて星飛ぶ余震また
布川直幸
峰
201209
こほろぎや壁の奥から余震なほ
布川直幸
峰
201212
治まらぬ余震大小年暮るる
鈴木セツ
峰
201301
立春や余震のわたる青畳
神蔵器
風土
201303
余震なほぼんぼりころげ雛飾る
池元道雄
馬醉木
201304
余震かと一人笑ひの鳳仙花
鴨下昭
峰
201312
行く秋の手許狂はす余震かな
鴨下昭
峰
201402
葉桜や立ち暗みとも余震とも
竹内弘子
あを
201506
受験子の余震に願書抱きしむる
升田ヤス子
玫瑰
201604
余震だにをののく暮し蕗を剥く
上柿照代
馬醉木
201607
奮ひ立つ者へ余震や肥後椿
山内碧
空
201607
夏萩のいや紫に余震待つ
富永小谷
馬醉木
201608
余震来るあぢさゐの花大らかに
富永小谷
馬醉木
201608
夏椿余震のあした花こぼす
富永小谷
馬醉木
201608
むつごらう朝の余震に飛び出せり
福島せいぎ
万象
201608
余震なほ指先にある春の闇
岩岡中正
ホトトギス
201609
夏鯉の尾鰭に余震ありにけり
岩岡中正
ホトトギス
201610
余震やや遠ざかりたる豆の飯
岩岡中正
ホトトギス
201610
余震やや遠ざかりたる更衣
岩岡中正
ホトトギス
201611
子燕の顔出してゐる余震かな
岩岡中正
ホトトギス
201611
余震なほ実石榴はいよいよ赤く
岩岡中正
ホトトギス
201702
蝉の穴余震つづきを知つてをり
能村研三
沖
201710
髪洗ふ余震来るかと怯えつつ
大石よし子
雨月
201809
倭はおぼろ余震のつづく大都会
鈴鹿呂仁
京鹿子
202203
2022年5月24日
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