晩鐘や顔昏れ戻る晩稲刈
増田富子
馬醉木
199902
雨来ると媼の声や晩稲刈
山城やえ
春耕
200012
朝虹のふと消えにけり晩稲刈る
本間みつえ
春耕
200101
晩稲刈媼の影の暮れ初むる
倭文ヒサ子
酸漿
200102
駐在が声掛けて行く晩稲刈
栢森定男
あを
200112
鐘ついて晩稲光りの棚田かな
田辺博充
沖
200112
寺井戸に減りし砥石や晩稲刈り
石崎淨
風土
200112
山峡にも早稲と晩稲や豊の秋
芦澤一醒
濱
200112
自家用の晩稲稔らすエゴイズム
泉田秋硯
苑
200201
賢治の忌晩稲半分実入り無し
菅原康
風土
200207
その奥に伊吹嶺けぶる晩稲刈
羽根嘉津
沖
200212
山里の晩稲あかりや鳶の笛
谷口みちる
沖
200212
隠田の晩稲刈らるる昼の月
渡邉友七
あを
200312
祖の山へ始動のこだま晩稲刈
羽根嘉津
沖
200401
晩稲田に一筋見ゆる風の道
井上紘
雲の峰
200411
晩稲のいまだ刈られず台風来
大橋敦子
雨月
200412
祭すみ晩稲刈りだす乙子村
山田春生
万象
200501
ジーンズの膝のたるめり晩稲刈
佐藤よしい
風土
200501
女手の一株ごとや晩稲刈
井上幸子
酸漿
200511
舟運の川の左右や晩稲刈
原田しずえ
万象
200601
晩稲田の刈られずのこり不破の関
宮津昭彦
濱
200601
頑なに家訓を守り晩稲植う
杉本重雄
苑
200610
耶馬渓の岩に干しある晩稲かな
杉田久女
ぐろっけ
200610
夕づけばどゝと暮れゆく晩稲刈る
渡邉友七
あを
200612
木津川の水の乏しき晩稲刈
大山文子
火星
200612
単線の車窓晩稲の穂が低し
高木智
京鹿子
200701
自家用の晩稲ゆっくり刈りまする
泉田秋硯
苑
200701
晩稲刈すみ流鏑馬の支度せり
大西八洲雄
万象
200701
さいはての海の届ける晩稲の穂
高木智
京鹿子
200701
晩稲刈終へてひとりの握り飯
風間邦子
狩
200702
晩稲ある限り雀の群解かず
丁野弘
狩
200710
幾年も変らぬ轍晩稲刈る
森岡正作
沖
200712
米原駅界隈こぞり晩稲(おくて)刈る
品川鈴子
ぐろっけ
200712
近江野の晩稲田いささか色付けり
駒井のぶ
璦
200812
晩稲刈る山ふところの袴谷
橋添やよひ
風土
200901
早稲晩稲東に西に美濃路かな
林かよ
笹
200912
水口の晩稲一枚刈り残す
清水淑子
炎環
200912
ところどころ残る相模の晩稲かな
鵜野達二
笹
201001
溜池の向う日当る晩稲刈
深澤鱶
火星
201001
晩稲刈り一湾の藍深まりぬ
徳井節子
馬醉木
201001
鎌先の暮るる速さの晩稲刈
下平しづ子
雨月
201002
晩稲干す阿畔の呼吸農夫婦
石川かおり
璦
201012
出展案山子残る晩稲田取り囲む
泉田秋硯
苑
201101
晩稲刈り一湾の藍深まりぬ
徳井節子
馬醉木
201101
晩稲刈る湖北は棚田日和かな
高瀬史
馬醉木
201102
ひとところ雀に残す晩稲かな
宮崎@みゆき
万象
201202
晩稲刈るなべて出雲の神々に
上坂渥子
雨月
201202
千枚田模様なしたる早稲晩稲
岡井マスミ
末黒野
201211
晩稲田や海へ真直ぐに刈り進む
田中臥石
末黒野
201211
山巓の翳りてきたる晩稲刈
戸栗末廣
空
201212
晩稲刈る狐の嫁入り見送りて
谷渡末枝
万象
201212
夕づくや顔大いなる晩稲刈
山尾玉藻
火星
201311
急がねば夕日落ちゆく晩稲刈り
下平しづ子
雨月
201403
山巓のかげりてきたる晩稲刈
戸栗末廣
空
201405
鳶の輪や隣りあはせに早稲晩稲
広渡敬雄
沖
201501
晩稲刈る越の山々白く染め
稲畑廣太郎
ホトトギス
201510
八万石のパッチワークや早稲晩稲
菅谷たけし
沖
201511
刈り残る晩稲へ風の集まれり
菅谷たけし
沖
201511
山影の切り込むさまや晩稲の香
黒滝志麻子
末黒野
201512
晩稲田の風をのこして刈られけり
藤生不二男
六花
201512
野の果に一番星や晩稲刈
大上充子
馬醉木
201601
晩稲刈り終へて俄に波の音
深川淑枝
空
201605
苗箱へ種播く娘早生晩稲
田中臥石
末黒野
201607
奥近江晩稲の波のひろごりぬ
西川保子
春燈
201612
束の間の日のあたりゐる晩稲かな
藤生不二男
六花
201701
晩稲いま穂孕みのとき迎へたる
岩下芳子
槐
201712
晩稲刈る峡の日差を束ねつつ
佐藤保子
馬醉木
201801
目の端に遠白波や晩稲刈る
深川淑枝
空
201801
晩稲刈るどうにかいけるまだいける
辻水音
瓔
201812
晩稲刈る動きの早き雲を見て
上辻蒼人
風土
201901
山の端へ日脚のいそぐ晩稲刈
佐藤保子
馬醉木
201901
晩稲刈る案山子一本残りけり
江見巌
六花
202001
山影のかぶさつて来る晩稲刈
福永みち子
馬醉木
202001
峡の奥より晩稲田の広がり来
宇都宮敦子
琴引鳥
202002
早稲晩稲水遣る苗の違ひ床
田中臥石
末黒野
202008
晩稲田の刈り残されし一処
岡田史女
末黒野
202201
2023年10月11日
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